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09年02月26日

元の木阿弥

この所、確認申請の対応に忙殺されて、このブログの更新が儘なら
ない状態でしたが、少し落ち着きました。

そんな訳でしたが、確認申請の流れが昨年の中頃は少し落ち着いた
かな? という感じでしたが、今年に提出したら少し雰囲気が違い
何だか余計な要求が増えた感じです。

一例を上げると、民間確認指定機関に確認申請を提出した場合、建
築概要書と言われる書類が役所に送られるのですが、以前は建築概
要書だけでよかったのですが、今回要求されたのはその他に確認申
請書類の一部も追加しろという要求。

えっ、それ法律に明文化されていましたっけ?

法律には定められていないけれど、役所が求めるのでそうして下さ
い。

あらあら、何のための民間確認指定機関なのか判らなくなって来ま
したね。

本来、行政コストを下げるための施策として、民間に確認申請を行
わせるようにしたはずなのに、こんな事では何のために行政改革を
行ったのか判らなくなって来た今回の確認作業でした。
09年02月26日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年02月19日

消え行く建築3

昨日に続いて消え行く建築。東京の丸の内はそれ程遠くない所にこ
の中銀カプセルタワーは有り、新橋駅とは目と鼻の先です。設計は
黒川紀章で自身のメタボリズムの理論通りの建築です。

20090219_01.jpg

20090219_02.jpg

20090219_03.jpg

この建物は現在では外観も汚れが目立ち、窓には新聞紙が貼られて
いる部屋や、明らかに倉庫として使用している部屋などが目に付き
ます。そしてユニットの下部は剥がれ落ちて漏水している所も有る
など老朽化が目立ちますが、本来のこの理論通りであれば、カプセ
ルユニットを交換する事により新陳代謝を図り、最適な状態が保た
れる筈なのですが、所有者にはこの理論は受け入れられなかったよ
うで(或いは、実質的な経済論理が作用したのかも知れませんが)
建物の建替えが決定したと言う事です。

20090219_04.jpg

そんな訳で建物が有る内に写真に納めて置こうと言う訳です。
09年02月19日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年02月18日

消え行く建築2

先日、そう言えば消え行く建築で丸の内にある東京中央郵便局はど
うなっているのだろうと思い、見に行きました。

20090218_01.jpg

すでに仮囲いがされて解体が始まっていたのですが、保存されると
言うか、今度の計画でも使われるファサードは囲われていなくて、
未だその姿を見る事が出来ました。

20090218_02.jpg
裏手に廻るともう解体が始まっている様子

この建物は当時の逓信省経理局営繕課の吉田鉄郎の設計と言われて
いますが、『日本建築家山脈』(村松貞次郎著 鹿島出版会 1965年
(復刻版)2005年)によれば吉田鉄郎の上席者 武富英一がこの
東京中央郵便局のために渡欧してウィーンのセセッションの作品を
見学してエスキースをし、それを図面化したのが山口文象だそうで
す。
その時のデザインはプロポーションはウィーン・セセッション、軒
にはオーナメントが付いていたと言うことで、村松貞次郎は
オットー・ワーグナー設計のウィーン郵便貯金局と何処となく共通
するものがあると書いています。
その後関東大震災で工事が一時中止になり、武富は忙しくなり、更
に大正14年に大倉土木(現在の大成建設)に行ってしまった。
東京中央郵便局は基礎工事のだけで放置された状態だったのを吉田
鉄郎が後始末をして完成させたと言う事で、デザインではオーナメ
ントは無くして、そのプロポーションは生かしたのが完成への流れ
だそうです。

そんな事が有りながら完成されたこの建物ですが、今度は皮を残し
て身を削がれる事になり。今後この街にどのような空気を作り出す
のでしょうか。


「東京中央郵便局の再整備計画について」このレポートに完成後の
姿を見ることが出来ます。
http://www.japanpost.jp/pressrelease/2008/document/1001_00_05_2008062504.pdf


ウィーン郵便貯金局の動画


09年02月18日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年02月13日

ドミニク・ペロー

昨日の夜は”21世紀における建築と都市計画」 ドミニク・ペロー
と大野秀敏の対話”を聴きに飯田橋まで行って来ました。

20090213_01.jpg

最初にドミニク・ペロー氏の『Les onze mots de l'architecte
(建築家の11の言葉)』という短編映画が上映され、次に
大野秀敏氏が対話のテーマ作りとして、今後の都市のあり方
としてFibercityと言う事を掲げ、その概念の話を進め。
その次にドミニク・ペロー氏が自分のプロジェクトを紹介した後に
対話が始まったのですが、どうも対話になっていない。

大野氏の質問に対してのペロー氏の答えが何かずれているように感
じてしまうのです。此処でその詳細に付いて話は出来ませんが、印
象としては、ペロー氏は対話をすると言うよりは自分のプロジェク
トの設計コンセプトを話す事に集中していたような感じでした。

そんな噛合わなかった対話の印象でしたが生で話を聞けた事は貴重
で有意義な時間が過ごせたと言う事です。
09年02月13日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年02月09日

神社の様式

先日、現場の帰り道に神社が有ったので、どんな神社なのかと寄り
道をして写真に収めて、神社建築について調べたのですが、興味深
い事が幾つかありました。

その1つがこの懸魚。以前このブログでも懸魚の事を書きましたが
此処の懸魚は彫り物で出来ているタイプなので結構珍しい様です。

20060209_02.jpg

もう1つがこの神社の建築様式で日吉造り(ひえつくり)この造り
は大津市の日吉大社(ひえたいしゃ)の本殿の造り方から来ている
造り方ですが、この神社の大本の神社は日吉大社ではないとの事。

20060209_01.jpg

同じ神様を拝するのに様式が違っても良いのだろうかと、疑問が出
てきてしまい、止め処が無くなりそうなので、適当な所で調べるの
を止めた所です。

町の小さな神社でも結構面白い発見がある物です。


09年02月09日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年02月07日

光触媒

新築やリフォームをして便器を新しくした住まい手から、今度の便
器は汚れが付かないね。という言葉を良く聞きます。

これは便器に光触媒を使用しているのが原因で起きる作用なので、
便器の選択の時に話をしているのですが、やはり実際に使用しない
と実感できていないのかも知れません。

光触媒の原理については「光触媒工業会の光触媒入門」をご覧にな
ると判ると思いますので、此処では省きますが、光触媒として使わ
れているのは酸化チタンという物質で、これには防曇、防汚、ガス
分解、抗菌、水浄化などの効果があるので、住宅に使われる物とし
て便器やタイルが主だった物ですが、窓ガラスの外側に塗って、汚
れが付き難くするという製品も有ります。

結構注目の光触媒ですが、新たな光触媒で酸化タングステンに銅イ
オンをプラスした物を新エネルギー・産業技術総合開発機構が開発
したとケンプラッツに発表されていました。

この触媒にはシックハウス対策の効果を期待されていて、その実験
が開始されたそうなので近い将来に製品化されるのかも知れません。
このような製品が開発されると、現在行われているシックハウス対
策も変わってくる可能性は有りますね。






09年02月07日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年02月06日

初午

暦を見ると今日は初午と言う事なので、ここ世田谷ではどのような
風習が有ったのかを知りたくて、昼休みを利用して、ちょっと民家
園へ行きました。

20090206_01.jpg

世田谷で行われていたのは「小屋掛け」という物で、屋敷神として
稲荷を祀っている家では、初午が近づくと庭に丸太で骨組みを作り
周りを筵(むしろ)で囲って、中に囲炉裏を作り子供たちが太鼓を
叩いたり、甘酒や汁粉を作って遊んだそうで、昭和の始め頃まで行
われていたそうです。

全国で色々な風習が有りますが、段々と少なくなってきているのが
現状です。暦の上でのこのような行事は五穀豊穣を祈願する事から
始まっている事が多いため、土から離れてしまうと祈願の形も変わ
るので、仕方のない事では有りますね。
09年02月06日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年02月05日

香図組

最近の住宅に和室が少なくなりましたので、それに伴って障子も少
なくなっています。日本の障子は組子と言われている、立て横の桟
の組み合わせが美しくデザインされている物が有りますが、そのよ
うなデザインを求められる事は滅多に有りません。

20090205_01.jpg

そのれなので、目に付いた時に写真に収めておく事にしていますが
その中の1つが今回の障子です。


20090205_02.jpg


この障子の組子の名前は「香図組」です。これは香道で源氏香と言
われる物が有り、その香を聞き分ける時に使う香図という物が有り
ますが、そこからこの名前が付けられたようです。

障子1つにも奥深い物を感じます。
09年02月05日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年02月04日

防鼠材

建築工事は日々発展して来ていますが、その中の基礎の部分も昔と
は随分変わっています。

少し前までの基礎には換気口という床下の通気を図るための装置が
有りましたが、現在の木造軸組工法ではそのような換気口は設ける
事は少なくて、基礎と土台との間に硬質ゴムなどで出来ている物の
パッキンを入れてそのパッキンとパッキンの間の隙間に空気が通り
床下の換気が出来る装置となっています。

20090204_01.jpg

そこで気を付けなければならないのが鼠の侵入なので、空気は通し
て鼠は通さない防鼠材と言う物を使う事にしています。

20090204_02.jpg

09年02月04日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年02月03日

200年住宅

現在の住宅計画に対して官民挙げて200年住宅という目標を掲げ
て税制面で優遇措置を図って普及しようとしていますが、建てる側
の住まい手がそのような意識になるのか疑問に思います。

考えの基本はスクラップ&ビルトではなくてストックするという事
ですが、家は耐久消費財などと言われて来ていて、ここで急に方向
転換しなさいと言うのはすこし乱暴なような感じで、まずは都市の
有るべき姿のストックとしての建築を教育してからでないとただ単
に、資源の問題やエネルギーの問題だけで進むとは思われません。

200年住宅と言われて、さて、現在から200年前を遡って考え
ると、その時は江戸時代。江戸時代の住宅が現在住むのに耐えられ
る住宅かと言われると、さてどうでしょう。それでは200年後の
社会を想像できるかと言えば又これも無理な話で、住宅だけで将来
を見通す事は出来なく、やはり200年後の社会の姿が描ければ、
自ずと住宅もそのようにしたいと欲求が出てくると思うのですが
如何でしょう。

それに、経済的な事から見ると、現在総務省統計局から発表されて
いる資料で平成15年の住宅数が53,891,000戸ですので30年で建て
替えるとすると一年間に180万戸弱が建設される事になり、そして、
当時の住宅着工戸数と言えば120万戸/年という数字なので経済的な
平穏時でその数ですから、200年住宅が普及して年々この数字が
小さくなると経済の問題はどうなるのだろうと思います。

少々荒っぽい話に成りましたが、建築を社会的なストックとする為
には何か順序が違うような感じがしています。
09年02月03日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei