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09年04月30日

開放性のある防犯

現在の社会情勢を考えると防犯は重要課題で、街の構成を見てゆく
と敷地状況から都市部の住宅ではプランに防犯を考えた物にする事
が必要な場合が有ります。

しかし、自分の場所だけの防犯を考えると閉じた計画に成りがちで
その場合は近隣との繋がりが断ち切られてしまいます。
近隣と連携が取れない環境では街全体としては防犯性能は落ちてし
まう訳で、それでは更に防犯性能を上げなければいけないと言う悪
循環になってしいます。

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20090430_02.jpg

そこで、適度な開放性を外部に持たせながら閉じると言う方法を写
真の計画案では提案しています。皆さんの計画は如何ですか?
09年04月30日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年04月29日

木造3階建

敷地の広さは限られて、その敷地で建てられる家の容量は決まって
来るのですが、最近では技術の向上に伴って木造の耐火性能が良く
なって来ているために、木造3階建住宅の要望も多くなって来てい
ます。

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しかし、木造2階建と木造3階建では構造の扱いがぜんぜん違いま
すので、単に2階建ての延長で考えると問題が起きてしまいますの
で、設計者と充分に話して計画を進めて行く事が大事です。
09年04月29日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年04月28日

風向

住宅の設計をする時に室内気候は重要な課題です。今までは電気に
頼った冷暖房が主体に考えられていましたが、これからの時代では
自然エネルギーを利用した生活をおくると言う、昔の日本では当た
り前だった事を取り入れようという考えが出てきています。

その時に考えられるのが夏などの季節に屋外の風を室内に引き込む
という方法ですが、季節による風向きを考慮した設計をする必要が
あるのですが、窓さえ開ければ風が通るだろうと気軽に思う人が案
外と多いと感じます。

風向きは季節や地域に違い、敷地の状況では近隣建物にも影響され
そして外構計画に拠る影響も出てくる訳ですから、様々な要素を考
慮して設計を進める事が大事だと言えるのです。
09年04月28日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年04月27日

軒先が気になる

木造住宅の小屋裏には換気孔を設けて小屋裏に空気を滞留させない
ようにして木材を腐朽から逃れられるようにしているのですが、屋
根の形や室内の天井の作り方によっては、小屋裏が無い事もしばし
ば有ります。

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住宅金融支援機構の木造住宅工事仕様書ではこのような場合には換
気孔を設けなくても良いのですが、耐久性上支障が無いようにする
事になっていて、その方法を色々と考えて設計しているのですが、
そんな時には本などに出ているディテールを参考にしようと思うと、
そのディテールの問題点が目に付いたりしてディテールの面白さを
感じでいる為なのか、街を歩いていて家の軒先が気になる事が良く
有ります。
09年04月27日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年04月24日

ギャラリー間

先日、所用の帰り道少し時間を取って、乃木坂のギャラリー間へ寄
りました。此処では現在”20 クラインダイサムアーキテクツの建
築”という展覧会が開催されています。

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この事務所の建築の実作を何点か見ていて、小淵沢のリゾートホテ
ル内の婚礼用チャペルは面白いなぁと思っていたので、この展覧会
の為に開かれた講演会も聞いていたので、さて、どのような展示が
されているのか楽しみでした。

20090424_02.jpg

展示の内容は期待した程では有りませんでしたが、それでも、他の
人の作品を見るのは楽しいです。
09年04月24日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年04月22日

ついで

一昨日の小石川植物園の建築の事を書いている時に思い出したのが
東京大学で開催している「常設展 内田祥三と図書館再建80年」の
事。インターネットで調べると何と4月22日迄、そんな訳で昨日
出掛けたついでにちょっと見てきました。

20090422_01.jpg

図書館内の展示でガラスケースの中に本や図面などの資料が展示さ
れていて(資料は撮影禁止だったので撮る事は出来ませんでした)
関東大震災からの復興される過程が紹介されていて、震災に蒸し焼
きになった本やレンガと一緒に焼けた塊なども有り、火災の凄さを
知る事ができる貴重な資料が有ったのですが、その中で少し面白
かったのは貸し出し本の返却率が悪いために本に白帯を塗ったら返
却率が上がった事が紹介されていたのは、国の最高学府でもそんな
事があるのだなぁ、と言う感じでした。

建築的には内田祥三の直筆サインが入った青焼き図面や計画案1と
2が有って計画の変化を知る事が出来て面白かったです。

見学を終わり、表に出れば一面の内田ゴシックの建築群なので一昨
日の開口部のところで書いた納まりがこれらの建築と同じと判る写
真を撮って来たのでアップして置きます。

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09年04月22日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年04月21日

ドアは危険

建築専門誌、日経アーキテクチュア 2009年4月13日号の世論&ラ
ンキングに「ドアのデザインで子どもの事故は防げるか?」という
記事が有り、それに拠れば「3歳児がドアに小指を挟まれて骨折し
た時、ドアやドア回りのデザインが原因だと思うか」という設問の
結果事故を防ぐためのドアやドア回りの改良を進めるべきだと思う
人が86.0%だったそうです。

この記事を読んで思い出したのが、以前、共同住宅の玄関ドアに子
供が指を挟まれる事故があって、住民側が工事会社を訴えた事件で
す。結果は工事会社に責任は無いと言うことでしたが、ドアが危険
である事の認識はどうだったのだろうと考えさせられた事です。

3歳児と言えば動きが激しい年頃なのでドアの開閉の危険を常日頃
から教える事が一番の危険回避の方法だと思うのですが・・・?

建築的な改良では丁番型のドアクローザーという物が有るので、
住宅の計画時に提案をした事が何度か有りましたが、実際に採用さ
れた事が無い経験から言えば、アンケートをされれば危険だと思う
が、普段はそれ程思っていないというのが本音のような気がします
が如何でしょう?
09年04月21日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年04月20日

小石川植物園

昨日は天気が良かったので久しぶりに小石川植物園に行って来まし
た。この植物園で誰の設計なのか前から気になっているのが本館の
建物だったので、帰ってきてから調べてみました。

判った事は設計は内田祥三(よしかず)で東京大学の総長まで勤め
た方です。建築界で言えば東大の三大巨頭と言われる辰野金吾
佐野利器(としかた)、内田祥三の一人だと言う事で、関東大震災
後の東大キャンパスの復興に尽力した人で、東大の主な建築物は
内田祥三の設計による物です。

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小石川植物園は正式名称を東京大学大学院理学系研究科付属植物園
と言いますので東京大学付属の施設ですから、この建物が内田祥三
による設計は当然と言えば当然ですが、東大のほかの建築とは少々
デザインが違いあちらがゴシック様式といえばこちらはモダン様式
と言えるデザインです。

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しかしスチールサッシなどは内田祥三の本領と言った所、建物中央
の階段室にその特徴が良く表われていると感じます。


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窓の所にはタイルが用いられていますが、東大の建物にはスクラッ
チタイルと言われるタイルに筋が入っていますがこちらのタイルは
スクラッチタイルでは有りません。

植物園に行って、植物を楽しめそして建築を楽しめると言う小石川
植物園でした。
09年04月20日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年04月18日

雨が降ったら

現在工事中の「開感な家」も来週には足場が取れる状態になりいよ
いよ最終段階です。

そんな日程なので、今回の計画は屋根の形状が外観からすると単純
なのですが、実はいろいろな条件が有って建築的には結構複雑なの
です。まぁ、これは建築の専門家で無いと判らないところですが、

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そう言う訳なので、足場が外れる前に雨の時の水の流れを確認して
置きたくて、工務店にお願いして、実際に水を流して貰いました。
結果は予想通りで、これならば問題が起きる事はまず無いと確信し
たのでした。
09年04月18日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年04月17日

洗濯機を置く

昔だと、表で洗濯してそのまま洗濯物を干すと言う一連の動作を室
外で行う事も多かったですが、最近では洗濯は室内というのが主流
です。

室内に洗濯機を置く場合に壁を背中にして洗濯機を置く事に成りま
すが壁に窓が無い場合には洗濯物を出し入れする時に洗濯槽がその
人の影になってしまう事を避けなければいけないと考えていますが

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個人住宅の場合には極力窓を付けるようにしています。その場合
洗濯機の大きさが色々有りますので、事前に判っていると洗濯機に
合わせた窓の高さにする事が出来て、今度は蓋を明けた時に蓋の影
が出来る、何て事がなくなります。
09年04月17日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年04月16日

室内物干

洗濯した物を干す場所は色々と考えなければいけなくて、住まい手
の外部からの目線に対する考え方や、風通しなどにも影響されるの
で簡単に決められないのが、何時もの事です。

そして、雨が降った時など一時的に室内に干せる場所が必要に成り
ますが、皆さんはどのようにしていますか?


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20090416_02.jpg


以前の設計で、階段室に取り外しができるパイプを付けると言う方
法を取った事が有ります。これも1つの解決方法です。
09年04月16日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年04月15日

内装制限緩和

別荘を計画する時の希望要件で多いのが暖炉などの薪を燃やす装置
です。そのような火を使う部屋を建築基準法では火気使用室として
部屋の仕上げ材料に制限を設けています。

その制限では部屋の壁には木材などの燃えやすい材料は使えない事
になっています。その規定が一戸建ての住宅に限り一部制限が緩和
される告示が国土交通省から今年の2月27日に公布され4月?日
から施行されています。

この告示に従えば火気の器具廻りの不燃化をする事によって、部屋
全体の内装の制限が部屋の一部でよくなる為に、今まで使えずにい
た木材などの壁材や天井材がつかえるようになったので、自然素材
の選択の幅が広がった訳です。



国土交通省告示225号
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk_000020.html

09年04月15日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年04月14日

外観は大事

今日の世田谷は朝は太陽が出ていましたが段々と曇り空になり、こ
れから雨が降る感じです。しかし昨日は天気が良く風もあまり強く
無かったので、自転車で「開感な家」の現場確認へと行きました。

現場は外壁が貼られ屋根も出来上がり足場が取れるのももう少しと
言う段階になり、順調に工事が進んでいると言う感じです。

20090414_01.jpg

現場を確認してからの帰り道、ルート上に有る事もあり、折角なの
で雑誌に発表されている著名な建築家の家を外から拝見と言う事に
しました。

住宅の場合、住むという実態をどのように包み込んでいるのか外観
と連携されてくるのですが、外観から内部の豊かさを感ずることは
出来なかったので、ちょっとがっかりです。

09年04月14日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年04月09日

屋根足場

建物の屋根を上から見ることは普段は有りませんが、工事中の時に
は工事の確認を行うために、見る機会が多いです。

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屋根は雨が流れるように傾斜(建築では勾配と言う言葉を使います)
が有りますが屋根に使う材料によって、してはいけない勾配が有り
ハウスメーカーや建売住宅に使われているコロニアルと呼ばれてい
る材料と鋼板では施工できる勾配の範囲が違い、緩い勾配や現在
工事中の「開感な家」の屋根のような二つの勾配が有る建物の場合
は鋼板が最適な材料です。

そしてこの屋根は勾配が急なので屋根工事を行うために屋根のため
の足場を組んで作業するようにしています。
09年04月09日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年04月08日

51Cの誤解

旧建設省が出した公営住宅標準設計で1951年に出された計画の
A型、B型、C型の中の1つが「51C」と言われているのですが
その51Cが誤って流布している事に、この設計の提案時に係わっ
ていた一人の鈴木成文氏が立腹されている様子が文文日記日々是
好日の2009年4月2日の記事から伺える。

現在、不動産物件を見る時に「nLDK」と言う表示が殆どですが
この「nLDK」を生み出したのが「51C」だと言う意見が大勢
を占めていて、著名な建築家でもその様に言っている人がいるので
すが、この事は鈴木氏が書かれた本を読めば理解される筈だと思
うのですが未だに理解されていないのが現状のようです。

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それにしても「nLDK」と言う言葉に住まい手の空間認識が画一
化されてしまっている現状が、何とか成らないかと日々模索してい
るのですが、言葉の力は凄いと改めて感ずるのでした。

09年04月08日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年04月07日

ピンクノイズ

昨日、目黒区役所に寄った時に外壁に写る池の反射光を見ていると
気持が癒されるような感じ。

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これってピンクノイズ? ピンクノイズは一時マスコミに取り上げ
られていた言葉の"1/fゆらぎ"の事。スペクトル密度が周波数に反
比例する雑音の事で、この雑音と同じ周波数成分を持つ光がピンク
色に見える事から付けられた名前ですが、1/fゆらぎの方が一般的
かも。

しかしその1/fゆらぎの癒し効果は確証されていないようですが、
実際の反射光を見ていると、何らかの効果が有るように思ってしま
う光景でした。
09年04月07日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年04月02日

壁断熱

昨日に続いて今日は壁の断熱。
家の断熱を考える時に設計だけで考えて、現場の職人の技量を考慮
しないと断熱性能は落ちてしまうので神経を使います。

現在でも建設中の他の現場の傍を通る時に断熱材の充填の様子が見
えると、施工不十分な物を結構目にする程です。そんな壁の断熱材
で現在有効と考えているのが写真の断熱材。
この断熱材はポリエステル断熱材でペットボトルから作られる製品
で、良い所は施工技術がそれ程、問われない事です。

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大工さんの多くは断熱材は壁に入っていれば良いだろうという考え
で壁に押し入れている例を良く見ますが、このような施工は将来壁
の中が結露して断熱されない事が多いです。
しかしこの断熱材は押し込み充填をする事を可能にしているので窓
周りの細い部分にも充填できるので採用しているのですが、グラス
ウール断熱材と比較すると値段の高いのが難点かなと言う感じです。
09年04月02日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年04月01日

屋根断熱

省エネやエコロジー、地球温暖化などを考えると、現在の家もそう
ですが、これからの家は更に家の断熱は重要になって来ます。

断熱の方法は色々と有り、その一つ一つの仕様も違うので、設計者
が気を付けていないと現場ではとんでもない事が起こる場合がある
ので、断熱工事の時には一段と気を付けています。

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小屋裏部分の屋根面の断熱です。

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断熱材と屋根面との通気の隙間です。

そして外壁の断熱以上に屋根や小屋の断熱は太陽熱に晒されている
面なので最重要な所だと考えていて、私の事務所の仕様は小屋裏を
作った場合でも屋根面を断熱するようにしています。

屋根面を断熱する場合断熱材と屋根面の間に隙間を造りその隙間に
空気が流れるようにすると、屋根面の温度が上昇しても断熱材の面
の温度の上昇は少なくて済むので、断熱効果が大きい訳です。
09年04月01日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei