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秋葉原と言う街には、ある思いがあります。昔ラジオ少年だった頃
ここは宝の山の街で、両手を広げた程の幅の店先で電子部品を販売
していて、そこに配線図と買う部品リストを手にして、よく買い物
に来ていたものです。

時代は変り今は秋葉原と言えばオタク文化の根源地となり「萌え」
と言われる言葉が出て久しいけれど、考えてみれば、昔からラジオ
を組み立てるなんて言うのはどちらかと言うとオタク的なものだか
ら、今はその延長線にあると言えるのかも知れない。

そんな秋葉原が再開発されて昔の面影が消えつつある訳ですが、街
と言うものを考える時に、そこに人の居場所が有るか否かが重要だ
と考えます。

再開発されて出来た街に訪問者は居場所を見つけ辛く、よそ者扱い
されているような疎外感を持つのですが、未開発の場所は猥雑で清
潔感に欠けるような場所なのに安堵感が漂っているように感じます。

都市計画と言うスケールが人間一人一人を消している結果の場所と、
未だヒューマンスケールが残る未開発の場所と、両方を体験できる
のが、この街の現在の姿なのだと感じます。