Archives

You are currently viewing archive for July 2009
09年07月31日

蟻道

次世代省エネルギー基準として外張り断熱工法が注目されています
が、外張り断熱の基礎部分の断熱の方法は断熱材を基礎の外側に貼
るか内側に貼るのか2種類の方法が有ります。

20090731_01.jpg
室内側に貼った断熱材

20090731_02.jpg
ある時偶然に出会った基礎工事で外側に断熱材が貼ってあったので
これで大丈夫かなぁ・・・。と思って撮った写真。

私の事務所では断熱材を外側に張ると基礎と断熱材の間がシロアリ
の通る道の「蟻道」を作る可能性が有るとの考えから内側に貼るよ
うにしていますが、建て主の反応はそれ程実感が伴っていないのが
現実です。
そんな折外側に断熱材を貼った基礎の現在の様子が書かれている
ブログが有りました。

西村一朗の地域居住談義
分析住宅から総合住宅、不可視住宅から可視住宅へ


このようなブログの記事はこれから外張り断熱を考えている建て主
にとっては貴重な話なので、参考にして頂きたいと思ったので、
此処に紹介して置きます。
09年07月31日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年07月30日

耐震等級

住宅の地震に対する安全を考えた時に「耐震等級」という言葉の等
級レベルを聞いて、自分の家は耐震等級3だから安全だと思い、そ
の内容を聞いた事が有りますか?

耐震等級は「住宅の品質確保の促進に関する法律」法律に定められ
た住宅の性能表示の中の1つです。性能表示については私の過去の
記事の「性能保証と性能表示」を読んでいただければ判ります。

その中の耐震等級ですが耐震等級にも2種類有ります。1つは倒壊
等の防止でもう1つは損傷防止です。どちらも等級は1から3まで
あり等級3が最上位です。ではその中の耐震等級1とはどのような
レベルかと言うと法律文では「極めて稀に発生する地震」となって
いて判りづらいので解説文を引用すると数百年に一度発生する地震
(東京では震度6強から震度7程度)と書かれています。法律の内容
はもっと細かいですが、あまり専門的なので、ここでは省略します
が、それでは等級2はと言うと等級1の1.25倍、等級3は等級1
の1.5倍と言う内容です。

しかし、ここで気を付け無ければならないのは耐力壁の内容です。
等級1は建築基準法の内容の耐力壁ですが、等級2、3は窓の上の
壁や窓の下の腰壁の準耐力壁と呼ばれる壁もカウントしてよいので
純粋に耐力壁が増えていると思わない方が良いです。

大事な事は自分の家の内容を良く知っておく事だと言えます。


09年07月30日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年07月29日

包摂性

20090729_01.jpg
「日本の難点」(著者:宮台真司 
幻冬舎新書)を読んで、建築基準
法の緩和の事とか、この本に良く
出てくる言葉の「包摂」について
なるほどねぇ、とか、そうだよ
ねぇ、と思うところが有ります。



普段の業務で建築の建替え時に近隣への挨拶に同行する時とか、
建築計画を近隣説明に伺う時とかに感じていた対立心が年を追う毎
に増している気がしていたので、この本に同調できる部分が有った
のだと自己分析していますが、その宮台氏のブログMIYADAI.com Blog
http://www.miyadai.com/を訪問すると「やっぱりオバマ大統領は
ただものではなかった!!」と言う記事が有り。

あの白人警官が黒人の大学教授を自宅前で逮捕して、オバマ大統領
が非難し、物議をかもし出した事の日本では報道されていない内容
を紹介している他のブログ記事を紹介していました。

犬も歩けば 渋谷にあたる http://blog.sakanoue.com/
オバマの問題解決能力 http://blog.sakanoue.com/archives/51300426.html
オバマの問題解決能力 追記 http://blog.sakanoue.com/archives/51300658.html

内容はブログに訪問して確認していただければ良いですが、私が
思ったのは、日本は何時の間にかアメリカのような訴訟社会になった
ような気がして自分の権利の主張が目立ち包摂と言う事を忘れて
しまったように思うのです。
アメリカも大統領が変りこのような変化が見られるのだから、日本
に元々ある包摂性を持った世代が生きている現在だから、出来る事
が有るような気がしたのでした。
09年07月29日 | Category: 雑感
Posted by: shimasekkei
09年07月28日

機械換気の誤解

エアコンなどを使用しないで自然の風で室内を快適にするという考
えの時に、誤解されてるな?と感ずる事が有ります。

それは、現在建築基準法で義務付けられている科学物質発散のため
の換気をはからなければならない事の話をする時に、計画換気を行
う為の換気扇を設置しその換気扇は24時間使わなければならない
と話すと、自分が望む家は自然素材を使うので科学物質が出ないし
自然の風を入れて過ごすのでその必要は無いと言われる事です。

この法律で計画換気をする為の換気扇を取り付けなくて良い条件は
C値が15cm2/m2なのですが、現在造られる木造軸組み工法の平均
のC値は5.5cm2/m2と言う調査結果(国土技術政策総合研究所)が出
ています。なので換気扇を取り付けないためにはもっと隙間を開け
て施行する必要が有るのでこれは少し無理な方法でも有ります。

余談ですが「気密住宅」と呼ばれるのはC値が5.0cm2/m2ですから
普通に施行した場合でも気密住宅に近い数字が平均値として出てい
る訳で現在の住宅は結構気密性が高い住宅になっています。

そんな訳で機械換気を行わなくて良い住宅を造るのは、相当下手な
職人を使わなければ出来ない事になってしまいそうです。勿論大き
な穴を開ければ別ですがこの穴は塞いではいけませんから冬は寒い
思いをしないといけなくなります。

何も機械換気は自然換気が否定されている事では無いので、窓を開
けたい時に外気を入れて自然の風を楽しむ生活を送れば良いのです
が、機械換気が有ると窓を閉め切っていなければならないと思われ
ているようです。
09年07月28日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年07月27日

木造7階建?

20090727_01.jpg

7/23のWIRED VISION日本版に”日本にある「世界最大の耐震実験施設」
で、木造7階建の試験(動画)”と言うタイトルの記事が有り、何、
木造7階建て!?と興味が湧いたので覗いてみました。

記事の内容は以前私がE-ディフェンス
の事を書きましたが、その実験装置を使用して全米科学財団(NSF)
と米Simpson Strong-Tie社との共同プロジェクトの実験だと言う事
でした。日本では現在木造の4階建て(2x4住宅)までは認められ
ていますが、それ以上は未だ認められていません。それにしても
アメリカは7階建てですか。

その記事の内容で少し気になったのが「ソフトストーリー」と言う
言葉、この意味はある階の剛性が他の階より低い時にその階が崩壊
すると言うもの。1階が柱だけで駐車場などのピロティ形式が良い
例です。その記事を読んで、E−ディフェンスのプレスリリースを
読むと1階が鉄骨造で駐車場を想定とあり、あれこのソフトストーリー
の事を実験するの?と思わせるような記事。

しかし実験概要を読むとその鉄骨部分は同じ駐車場でも地下の駐車
場を想定とあり、木造の部分では6階建て、記事もよく読みこまな
いととんだ勘違いをしてしまう事になるのでした。


09年07月27日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
今日の日経新聞NET版に、今日から開催される「アイ・ウェイウェイ展」
は観客の撮影が許可されていると言う報道がされていました。(この手
の報道はリンクしても直ぐにリンク切れになるのであえてURLは掲載しま
せん。)

日本の美術館は殆どが撮影禁止になっていて、著作権保護のお題目にあ
まりにも振り回されているような感じを受けているので、この撮影許可
は嬉しい報道です。

この撮影許可を実現したのは「クリエイティブ・コモンズ」の仕組みを
採用した。とあるのですが、このクリエイティブ・コモンズはウェブ上
で行われる物に対する著作権をどのように定義して検索などをしやすく
するかで設立された団体です。

それで今回採用した内容は、撮った画像は加工しない。非営利目的での
使用のみと書いて有りましたが、クリエイティブ・コモンズの2.0以降の
ライセンスでは表示(その作品の利用に関しての著作者の表示を求める
か)が必須事項なのですが、報道では詳細が不明です。

いずれにしてもこのような動きが拡大してくれる事を期待しています。
時間を作って見に行きたいと思っているところです。
09年07月25日 | Category: 雑感
Posted by: shimasekkei
09年07月24日

玄関の演出

家の玄関は訪れた人が最初に出会う家の場所です。玄関のしつらい
がその家の雰囲気を決定付けると言っても良いかもしれません。

そんな玄関ですから気持ちよく入って頂きたいと考える訳で、演出
も考えます。広さを感じて欲しいという事から一部にミラーを付け
るのは良くある手法です。このミラーは家人にとっては日常の使い
が身だしなみのチェックに使える効果も有ります。

20090724_01.jpg

もう1つの方法は下足入れを土間から上げて土間面積を広く見せる
と言う方法ですが、そこにもう一捻り加えて照明を付けると演出効
果抜群です。玄関で立った姿勢で下足入れ下を見た時の仄かな照明
光が奥行きを倍加させるのです。

20090724_02.jpg

このような演出1つで家の豊かさを感じさせる事が出来るのです。
09年07月24日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年07月23日

電気買取りの行方

7月1日に参議院で「エネルギー供給構造高度化法」が可決された
と言う報道が有り、これで太陽光発電の促進に繋がると期待されま
すが、さてどうなのでしょう。

この法律を簡単に言えば電気事業者が各家庭で太陽光発電した余剰
電力を買い取る義務を課す事です。そしてこの法律では現行の買取
り価格の2倍で買い取ると言う日本版のフィードインタリフ制度を
考えている様なので、太陽光発電を考えてる人にとっては朗報です。

この制度を利用した予測では、設置費用の償却が現行では20年程
掛かるのが10年程になるとされているのですが、我々は冷静に判
断しなければならないと考えています。

現在設置している人も含めて太陽光発電装置の故障を考えている人
が少ないようですが、実際の設置する際には次の事を考えて置く必
要が有ると思います。
1)10年以内にパネルを交換する確率は約13%と報道されている事。
2)この電気の買取は太陽光発電に限られていて現在ガスで発電する
  方式の燃料電池との併用は含まれていない事。

政府は年度内にも実施の方向で考えているようですが、今回の衆議
院解散でどのようなるのか推移を注目しています。
09年07月23日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年07月22日

雨の日食

今年はガリレオ・ガリレイが天体望遠鏡で天体観測を始めてから
400年目から世界天文年2009と言う世界イベントと重なって
日本で日食が見られる事で盛り上がっていますが、ここ世田谷は雨
となって、部分日食観察はとても叶わない日と成ってしまいました。

20090722_01.jpg

まぁそんな事なのでわが町の駅前のウルトラマンからの空を見上げ
た雨空の写真になってしまいましたが、皆さんの町の天気は如何で
すか?

先日の七夕は何年ぶりかで晴れだったのに、日食の時はこの雨とは
人間の都合が良いようには天候はなってくれませんね。
09年07月22日 | Category: 日記
Posted by: shimasekkei
昨日の記事でスマートグリッド(Smart Grid Technology)の事に触
れましたが、今日はこのテクノロジーに付いてのお話。

このスマートグリッドの定義は「デジタル情報分野の最新技術を活
用して、さまざまな集中型・分散型エネルギー源を効率的に管理、
供給するもの」(クリーンテック革命 2008年05月 ファーストプ
レス)となっていますが、これだけでは具体的な内容が判らない。
ウェブ検索してブログなどを見ると「賢い送電網」と書かれている
のを目にしますがやっぱりハッキリしないなぁ・・・。

自分なりの解釈をすると、現在の送電網は発電所から送電されて最
終地の各家なり事業所なりとなるピラミッド型が現在の姿で、これ
からは各家庭で太陽光発電などをしてその余剰電力を電力会社に売
る形になっていくと予測されています。
その時に電力会社としては買った電力をそのままコントロール無し
に供給すると電力需要にマッチしないので電力が多い地域から少な
い地域に流すなどのコントロールする必要に迫られる訳で、その時
に現在の方法ではコントロールできない為に電力メーターから電力
会社に信号を送り電力会社はその信号を元にコントロールすると言
う考え方です。

そんな双方向に信号をやり取りする事から現在のコンピューター
ネットワークと同義的な扱いになり、コントロールが発展して電気
製品にスマートグリッドを組み込む事により電力需要のピークを制
御する事も可能だという視野も持たれているようです。
この分野ではアメリカのGE社は実用段階で既にスマートメーター
を販売していると言う事なので、最近のニュースでGE社が本業の
電気部門の売却を当面見送ったと有りましたが、案外こんな所が影
響しているのかな?とも思ったりします。

09年07月21日 | Category: 雑感
Posted by: shimasekkei
09年07月20日

太陽光発電に思う

景気浮揚の方策としてアメリカはグリーンニューディール政策を打
ち出し実行に移しているようですが、日本ではどうなっているのか
際立ったニュースは聞こえてきません。政治家たちがこれからは
クリーンエネルギーとして日本が世界に誇る太陽光発電の事を話し
ていますが、具体的な事は何も示されてはいません。

太陽光発電は助成金を出して普及を図ろうとしていますが、我々の
現場サイドから言えば、新築時に太陽光発電を設置したいという要
望はあまり多くは有りません。
元東大総長の小宮山宏(現在、三菱総研理事長)氏のアイデアは国
が太陽電池を買ってそれを家や学校などに設置させて貰うことによ
りその電気を売って買った電池代が償還される事と買う事により量
産が出来て電池代が下がり一般家庭にも普及すると言う物です。

この様な考えは早晩何処かで受け入れると考えられますが、その時
にクリーンエネルギー源の分散化をコントロールするシステムとし
てアメリカではスマートグリッドといわれるシステムの導入を考え
られていますが、日本では送電線網の老朽化が問題になっていない
為にこの研究が一部の産学協同でしか行われていないと言う現実を
知ると、先行きはそんなに楽観出来ないと感じるのは私だけ?
09年07月20日 | Category: 雑感
Posted by: shimasekkei
床下の湿気対策は木材の腐朽やシロアリ被害の予防上も必要な事で
様々な方法が考え出されています。

私の事務所の場合基礎はベタ基礎を採用する事が多いので必然的に
基礎の下に防湿用のポリエチレンフィルムを敷くように成ります。
このシートもただ敷いてあればよいと言うのではダメで重ね合わせ
をシッカリと取ってその部分から湿気が上がらないように粘着テープ
で止めて置けば完璧です。

20090718_01.jpg

しかし、この方法は住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)の仕様書
によれば、ベタ基礎の下の防湿フィルムは必要無いし、フィルムの
重ね部分に粘着テープの必要も無いので、オーバースペックと言わ
れそうですが、施工精度などを考慮して今までの経験から判断した
仕様を我が事務所の仕様としています。今日はちょっと宣伝を兼ね
たお話です。
09年07月18日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年07月17日

ニッチ

ニッチ(niche)と言うと隙間産業を思い浮かべる人も居ると思います
が、元来は西洋建築で壁龕(へきがん)と言い壁に造られた窪みで
上部がアーチ状になっていて飾り棚として利用するスペースを言い
ます。

20090717_01.jpg

現代住宅では玄関ホールなどに見られる事がよく有りますが、家の
中に少しでも遊び心を持ちましょうと成りまして、回り階段の内側
の壁は手摺の高さで止める事が多いですが、この写真の計画では壁
を天井まで伸ばして、正方形の穴を開けてニッチとしての利用を考
えました。

このようにすると玄関ホールなどに設けたニッチとは一味違う物が
出来ます。ニッチの設け場所はホールや廊下ばかりでは無いと言う
実例です。
09年07月17日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年07月16日

地方分権

日本の政治の世界が大変な様子を連日報道されていますが、少なく
とも今回の衆議院選挙の争点に上がるだろうと目されるのが地方分
権の問題です。

地方分権と一口に言っても中身は色々な事が有り一括りにされた地
方分権にはいささかの不安を持つのは私だけでしょうか?
このブログで行政とのやり取りを幾つか書いて来ましたが、本来全
国一律の法律である建築確認業務でさえ、現状は統一された物では
無くて、下手に「他の行政では問題ありませんでしたよ。」などと
言っても「うちはうちのやり方ですから。」と言われて、睨まれた
事も一度や二度では有りません。

建築の事だけを言えば地方独自の慣習などは別として、生活の基本
レベルは何処でも変らないように住まい手が不利益にならない行政
であって欲しいと、報道を聞きながら思うのでした。
09年07月16日 | Category: 雑感
Posted by: shimasekkei
09年07月15日

成城観察

20090715_01.jpg
昨日、関東甲信越地方は梅雨明け宣言
が出されて、いよいよ夏本番に突入と言
う事で、ここ世田谷も随分と熱いです。
そんな昨日の陽気の中で成城に所用が
有って出かけた帰り道、そう言えばあの
建物どうしたのかな・・・? 
と思って寄って見ました。

その建物とは、我々建築界では知られ
た妹島和世氏でその妹島氏設計の
「ガーデンコート成城UNITEDCUBS」
と言う分譲集合住宅で、この5月頃の
報道で残っている棟を当初販売価格の
半分近くに値段を下げていると有ったの
でちょっと気になっていたのです。
ある意味野次馬的感覚では有りますが、
この建物はコンペ形式で計画されて私
の事務所にも参加の呼び掛けが有った
のですが、その時には参加を見送った
経緯がある建物なので建物を見る眼も
少し違ってはいます。

20090715_02.jpg
果たして、入り口脇には現在でも販売の
パンフレットが置かれていてまだ完売と
は行っていないようです。
この建物自体は現在の販売会社は当初の
事業主とは違っている所を見ると、残棟
分を一括処理して現在の販売となってい
るのではないかと、勝手な予想をしてい
ますが、そうだとすれば、建築家を起用
してよい建物を造ってゆこうとした結果
が、この様になったのは残念な事だとは
感じます。
09年07月15日 | Category: 日記
Posted by: shimasekkei
09年07月14日

内側の防犯

家の防犯対策として、窓の外側に格子を設ける方法は一般的ですが
引違の窓の場合は良いですが開くタイプの窓ですと格子が邪魔にな
るので取り付ける事はあまりしません。

20090714_01.jpg

その場合、防犯に敏感な人は何がしかの防犯対策を取りたいと言う
要望が出ますので、その敷地状況や生活サイクル等を考慮した提案
をしていますが、写真はその中の一例で、室内側に格子を設けたと
言う物。

この様な方法で外観スッキリ中はシッカリとなったのでした。
しかし、この方法は汎用性は無く不都合な所を理解してから付けな
いといけません。この窓の場合網戸の取り付けや壁の厚さ等が問題
となって来るので注意が必要です。

09年07月14日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年07月13日

LEDと景気

照明器具の光源は昔は白熱電球でしたが、現在は省エネの事も
手伝って蛍光灯が主流になりつつありますが、これからはLED
(Light Emitting Diode)照明だと言われています。

このLED(発光ダイオード)の事は青色LEDの特許の所有権を
巡っての裁判でご存知の方も多いと思いますが。このLEDを用い
た照明器具が発売されたいますが、ネックになっているのは値段が
高いこと。照明計画で提案したいのは山々なのですが全体予算を考
えると二の足を踏んでしまうと言う状態です。

エネルギーコストを比較をすると100Wの白熱灯は現在では消費
電力も抑えられて大体90W程度で定格寿命が1000時間。
その明るさに相当するインバータ蛍光灯の消費電力が22Wで定格
寿命が6000時間。LEDだと消費電力が17.5Wで寿命が
40000時間。

LEDの寿命は原理的には半永久ですがダイオードを封印している
樹脂の劣化によって明るさが70%に落ちるまでの時間を言ってい
ます。数字を比較すると明らかに省エネであり寿命が長い為に廃棄
物となるサイクルが長いための環境に易しい製品と言う事が判りま
す。

景気浮揚策なのか省エネ推進なのかハッキリしないエコポイント制
度で、地球温暖化対策でCO2排出量が産業界でこれ以上絞る事は
困難で各家庭での排出量の削減が目されている事を考えると、照明
器具はどの家庭にも有るもので新たに買う事ばかりでは無くて買い
替えの出来る製品なので、このLED照明に補助金を出せば省エネ
推進は進み結果として景気浮揚の一助となる様に思うのですが・・・。
09年07月13日 | Category: 雑感
Posted by: shimasekkei
09年07月11日

KJ法の思い出

20090711_01.jpg昨日の新聞記事に川喜田二郎氏の
訃報が載っていました。
氏はKJ法の開発者としてよく知
られた人ですが、私としては
「街づくりことばとかたち研究会」
でこのKJ法を応用をした「カル
タ」というツールを作った時きに
知ったので、感慨深いものが有り
ます。

研究会では専門家と非専門家のコミュニケーションツールとして
アレグザンダーのパタン・ランゲージや発想法のためのKJ法など
を応用した「空間カルタ」「ことばカルタ」と言う物を考えて、そ
の研究過程を建築学会などにも発表した事が有りました。

又、以前、建築主の家がこの川喜田氏の家の近くで、その家に伺う
時に川喜田氏の家が有るのを発見して、何の事は有りませんが、
ちょっと喜ばしい気持になった。なんてことも有りました。その
川喜田氏が亡くなられたと知って、思い出が湧いてきたと言う事で
す。故人のご冥福をお祈りいたします。合掌
09年07月11日 | Category: 日記
Posted by: shimasekkei
住宅で快適に過ごす為には室内気候の安定が欠かせないです。
その為に近代は人工エネルギーの消費によって快適さを確保してき
た時代とも言えます。

しかし、これからの時代はその様な事は言っていられない時代で、
人工エネルギーをいかに抑制し自然エネルギーをいかに利用して快
適さを作り出して行くのかが課題で、省エネの電化製品が色々と出
てきていますが、それらだけで全体の効果をあげる事は難しく、家
全体を考える必要が有ります。

家全体の省エネ効果を上げるのは、やはり断熱性能を上げるのが
一番ですが、断熱は気密と換気が密接に関係しています。以前から
断熱材単体では性能はあるのですから、実際に取り付けられて性能
が確保できないと言う事は、これは施工の問題としか言い様が有り
ません。

と言う事は、現場がしっかりやれば性能確保ができるという事で、
ここで施工が悪い、施工者の意識が低いなどと言うのは簡単ですが
翻って考えてみれば監理がしっかりしていない事になるわけです。
こちらとしては以前から意識を持って監理をやってきているだけに
世の中の現状を知ると、他は、なにやってんねん!それで監理報酬
貰ってるの? と、言ってみたくもなりますね。
09年07月10日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年07月09日

もうすぐお盆

ここ東京とその周辺では来週はお盆なのでそろそろお迎えの準備を
しなくてはいけない時期になりましたが、日本全国では8月のお盆
が主流ですね。

それでは7月のお盆のほうが新しいのかと思うと必ずしもそのよう
では無いようです。この行事の始まりが昔ですから、その時の暦は
当然旧暦の時代で7月15日の前後の期間を言っていたと有ります。

明治になって新暦が採用されてからお盆の日が色々になったようで
旧暦の7月15日で行う地方、新暦の8月15日で行う地方新暦の
7月15日で行う地方などのようです。
因みに今年の旧暦の7月15日は新暦では9月3日なので随分と感
じが変ってしまいます。

建築の世界では昔から職人は盆と暮れは休みと決まっていて、今で
はこの時期では8月15日辺りから1週間程現場が休みになる事が
殆どなので、工事日程を考える時にはその分を見込んで置くのが常
識となっています。
09年07月09日 | Category: 日記
Posted by: shimasekkei
09年07月08日

断熱材と隙間

ここのブログでも断熱について過去に何回か書いていますので、検索
をして頂くとズラッーと出てきます。一度試して見て下さい。
それでも未だ未だ書く事は有りまして、今日は断熱材の施行の注意点
と言う所です。

断熱に大切なのは通気という事をお話していますが、この通気と隙間
が施行においては手間が掛かる事で、ここを疎かにしては断熱が台無
しになってしまいます。

20090708_01.jpg
(桁の所の発泡ウレタンが見えている写真)

私の事務所では屋根面に断熱をする事が多いですが、その時に注意し
ているのが桁(屋根を支える水平な梁)の所の断熱材の隙間。
仕様書にここに発泡ウレタンフォームで隙間を充填するように書いて
いますが、初めての工務店では決まって見過されます。(今までに経
験が無いのかもしれません。それともこちらを試しているようにも
思ってしまいますが。)いずれにしても。

通気をする事と隙間を作らない事が断熱工事には大事な事です。
09年07月08日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年07月07日

牽牛と織姫の涙

20090707_01.jpg
今日は七夕でここ何年かは曇り空でしたが、今朝の世田谷は快晴で
今年は牽牛と織姫は無事会えるだろうと思うのです。
そんな七夕の話は有名ですが、その話に付随したのがこの写真の松
です。この松は長野県の蓑輪町の萱野高原にある松でこの地帯に
100本余あるそうです。(現地で見た感じではそれ程有る様にも
見えませんでしたが。)

兎に角、この松は現地に掲げられていた看板によると「昔、牽牛と
織姫が熱烈な恋をし、2人は天の川にはばまれ想いを遂げえず、余
の悲しさに天の川の両岸に立ち大声を出して泣きつづけたため、涙
が雨となって落ち、宙に迷っているのを知った夫婦岩が、かわいそ
うに思い空を仰いで手招きをして叫び続けたその声が通じて、拠の
地で涙が結ばれ夫婦松と化して、それ以来この報徳に夫婦岩を守り
続けていると伝えられている。」だそうです。

20090707_02.jpg
要するにこの二股の松は元々は牽牛と織姫の涙と言う事。そして手
招きした夫婦岩がこの写真の岩です。それではこの夫婦岩はなんで
夫婦岩?と思ったらその謂れも有りました。「大昔、このあたりに
住んでいた人たちの中から選ばれた知勇に勝れた夫婦が、一生この
高原に住んで、四方に睨みを利かし、谷合の村人を外敵から守り続
けていたが、老齢になるに及びついに一念凝って、この夫婦岩に
なったという。」

長野県で偶然に出会った七夕に縁のある話でした。




09年07月07日 | Category: 日記
Posted by: shimasekkei
09年07月06日

フラット

2階にあるバルコニーに出る為に窓の下の跨ぎを無くしたい要望の
時にはバルコニーを1段低くするのは一般的ですが、フラットにす
るのは結構大変な事です。

20090706_01.jpg

バルコニーに透過性が無い場合には窓との境に溝を造って排水処理
する必要が有りますが、透過性があればその必要は有りません。
写真の場合にはバルコニーがFRP製グレーチングですので雨の時
はバルコニーに水が溜まらないので大丈夫ですがそれでも以前は
サッシよりもバルコニーを低くしていました。
台風などの時にサッシから水が吹き上げて来るためです。現在では
その様な事が起こらないようなサッシが販売されているので安価に
フラットに出来るようになりました。
09年07月06日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年07月04日

活断層図

20090704_01.jpg
今月1日から国土地理院のウェブサイトで
全国の活断層図が見る事が出来ると言う話
で、早速覗いて見ました。



<-画像をクリックするとHPに移動します。


この図を見るためには閲覧用のプラグインをダウンロードして自分
のPCにインストールする必要が有り、更にInternet Explorer6.0
以降が搭載されていないと見る事が出来ない制限が有り、普段ブラ
ウザはFire Foxを使用している身としては、ちょっと不都合でした
が、どうにか見る事が出来ました。

未だ全国を網羅しているとはいい難い状況ですが(秋田県は何処の
都市も作成されていない。)それでも、一般公開されたのは喜ばし
い事です。あなたも自分が住んでいる所の活断層の有無を知る事が
出来るので利用すると良いですよ。
09年07月04日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年07月03日

不動産基準も色々

一昨日のニュースで路線価の事が取り上げられていましたが、一般
的には、不動産価格の事は日常の事ではないので、景気を判断する
材料として聞く感じではないでしょうか。

路線価は正確には路線価格といい道路に沿った場所の地価の基準を
示しており、管轄は国税庁で、毎年8月頃となっていましたが法改
正によって早める事が出来て今年は7月になって、一昨日ニュース
となったわけです。

不動産価格基準には他に公示価格が有りこれは国土交通省の管轄で
3月頃の発表で、もう1つ基準地価というものが有りこれは都道府
県が管轄で9月頃の発表となっています。

この様に管轄が違う不動産価格の基準が示されている事も不動産の
判りにくさを助長させている面もあるのではと思いますが、やはり
自分の土地の値段は気になる物。
そんな不動産価格を調べたい人は下記のホームページが役に立ちま
す。




路線価格を知るページ
20090703_01.jpg
http://www.rosenka.nta.go.jp/

公示価格を知るページ
20090703_02.jpg
http://www.land.mlit.go.jp/webland/
09年07月03日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年07月02日

半夏生

今日は暦の七十二候の半夏生(はんげしょうず)で、関西地方では
この日に蛸を食べる風習が有るそうなので、ここ世田谷にも何かそ
のような事が有るのか探しましたが、今の時点では見つかりません
でした。

20090702_01.jpg

そんな半夏生、植物の半夏生は知っていてもこの七十二候の言葉は
なぁ、という感じ。まぁ普段使わないですし、TVの天気予報にも
出てきませんしね。

七十二候は24節気を3分割して、その分割された所にそれぞれの
名称が付いていて、今日がその半夏生の始まりの日になるわけです。

じゃぁこの半夏生とは何なの?と思うわけですが、話が長くなるの
で、その辺りは又別の機会にと言う事です。
写真はそんな今日の暦に合わせて半夏生(はんげしょう)を撮って
見ました。
09年07月02日 | Category: 日記
Posted by: shimasekkei
我々建築界の人間が「アーキテクチャ」と聞くと建築と言うものを
考えますが、現在の一般的な認識ではITの中のコンピューター
アーキテクチャと言うものを指して「構築性」と言う概念のようで
す。

そのようなアーキテクチャ事での考えに環境管理型権力=アーキテ
クチャ権力と言う考えが有り、それは、自分は自分の意志で自由に
行動していると思っていても、その行動は社会秩序を規制する「環
境管理型権力」に拠って支配されると言う話で、例にあげられてい
るのがよく聞くマクドナルドの椅子の話です。

マクドナルドの椅子は硬くて座りごごちが良い物ではないために長
時間過ごす事が出来ないように出来ている物で、自分の意志で店を
出て行くように見えて、実は管理されていると言う考えです。

このようなアーキテクチャ権力がインターネット社会には出来やす
いと言われていたのが現実味を帯びたのが、今回の中国でのウィル
スソフト内蔵の義務化でしたが、とりあえず今回は延期になったよ
うで、一先ず安心と言う所です。

先月末に我が事務所のウェブサイトのリニューアルを施した時に
思ったのが、正にこのアーキテクチャ権力で、自由競争という
フォーマットでプロバイダ各社がありそこに何がしかの制御は掛け
られるわけで(現在も迷惑メールや有害サイトの規制は掛けられま
すが)常にこのような権力を意識して置く必要があるな、という事
です。
09年07月01日 | Category: 日記
Posted by: shimasekkei