先日、現在の建物が二世帯住宅で出来ていて個室が多いので、知的
障害者支援施設のゲループホームにする依頼を受けて、現地を訪問
したのですが、一見して今回の計画は不可能と言うお話をしなけれ
ばならない結果となって仕舞いました。

グループホームに用途変更する場合には建築基準法上で共同住宅か
寄宿舎にするのですが、東京都の場合、敷地の形態による制限が有
りますので、訪問した家の敷地では改築では条件を満たす事が出来
ない為に、建て直さなくてはいけなくなるのでした。

依頼主は当然ビックリして、だってグループホームに使うと言う条
件でこの家を購入したのにそれが出来ないなんて、不動産業者に騙
されたと言う話になったので、建物を売買された契約書の一部であ
る重要事項説明書を拝見させていただく事に成りました。

この重要事項説明書とは宅地建物取引業法で、宅地・建物の売買契
約を行う場合、物件と取引についての重要事項の説明をしなければ
ならないので、その説明の内容が書かれた書類です。

説明書には、やっぱりと言うか当然と言うか、特記事項に「東京都
安全条例による制限が有ります。」と書かれていたのです。要する
にこの建物は共同住宅にする場合は建て直さなければならない事が
書かれていた訳です。依頼主はあれほど不動産業者に言ったのに、
と繰り返すばかりでしたが、このように書かれていてはどうしよう
も有りません。

不動産業は土地建物を売買する業者ですから建物を造るという視点
では考えていないのが一般的ですので、これから土地の購入を考え
ている方は、このようなことにならない為にも、土地探しの時から
建築家に相談する事をお勧め致します。