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09年10月26日

レンタブル比

賃貸共同住宅や賃貸オフィスなど建築物を事業として考える時に
レンタブル比と言う言葉が出てきますがこれは、建物を貸す時に、
住居では、その住居占有部分、オフィスでは事務所専有部分を建物
の総面積で除した数字の事を言います。

このレンタブル比の数字が高い程、事業収支が良くなると考えられ
ている訳なので設計に際して重要視される項目なのですが、この分
母となる総面積の定義がクライアントによって違うのでA社では7
0%B社では75%と言う具合になったりしているのが現状です。
これはクライアントがこの建物を販売しようと考える時にはレンタ
ブル比を高い数字で出そうとする傾向に有るのは皆さんでも想像で
きる事ですね。

現代は何でも数字に置き換えて判断される事が多いために、この数
字が全体を支配し、感性に訴えかける部分の評価は下がり、結果と
して無味乾燥な建築物になっていると思う訳です。ヨーロッパに較
べて日本の高層建築物は薄っぺらい物だと言われているのはこんな
所に原因が有るのだと思っていますが、あなたはどのように思いま
すか?
09年10月26日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年10月23日

住宅街散歩

休みの日などに散歩していると、職業柄彼方此方の住宅につい目が
行ってしまうのですが、そんな折気になる事が有ったりしますね。

20091023_01.jpg

20091023_02.jpg

この間も写真のコンクリート打ち放しの住宅を見ていて、
パラペット部分の経年変化と言うか汚れが何となく気になりました。
屋根が外壁より出ている納まりではその様な事は有りませんが、壁
が垂直のまま切り取られた格好のパラペットでは、その天端が内側
に傾斜していないと、雨が降った時に、天端の汚れと雨水の汚れが
一緒になって外壁にその汚れが伝わって残ってしまい、結果外壁が
汚れてしまうと言う訳です。

コンクリート打ち放しの場合、構造体がそのまま仕上がりですから
余程気を付けないと汚れが目立つ事になり折角の意匠が損なわれて
仕舞う訳です。そんな事が気になった住宅ですが、この住宅パラ
ペット部分の目地を境に汚れているので、そこまで計算した設計な
のだろうか・・・? そんな事も気になりますね。
09年10月23日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年10月22日

法改正意見

建築専門ウェブのケンプラッツの昨日の記事に政府が建築基準法の
改正論議をスタートさせたと言う記事が有り、いよいよ始まったと
いう感じです。

しかし、よく読むと今回の改正は(1)建築確認日数の短縮
(2)提出資料の簡素化(3)違反があった場合の厳罰化 がメイン
と言う事なので以前言われていたような単体規定に対する改正とは
ちょっと違うように思うのですが、こちらから意見を発信する機会
が一般社団法人 新・建築士制度普及協会を通して与えられている
ので、この機会ですから意見を述べるつもりではいます。

皆さんも何か意見があれば言っていた方が良いですよ。


一般社団法人 新・建築士制度普及協会ウェブサイト
http://www.icas.or.jp/index.php
09年10月22日 | Category: 雑感
Posted by: shimasekkei
09年10月21日

あかりの日

1年365日の夫々に何の日と命名されています。
そう言う訳で今日は建築に関係ある日で「あかりの日」です。

この日は照明学会と照明関係4団体(社団法人日本電球工業会、
社団法人日本照明器具工業会、社団法人日本電気協会)が1879年
10月21日、エジソンによって開発された実用的な白熱電球が40時間
点灯した日である事に因み、10月21日に決めたそうです。

我々は白熱電球を発明したのはエジソンと習いましたが、改めて調
べてみると、白熱電球を発明したのはイングランドのサー・ジョゼ
フ・ウィルスン・スワン(Sir Joseph Wilson Swan)と言う人で、
エジソンは日本の京都男山八幡付近の竹の繊維を炭化して作った
フィラメントを使用して長時間(1200時間)の点灯に成功したと言
うのが事実のようです。

まぁ、調べていると白熱電球が40時間(この時間は伝説になって
いるらしい)点灯したのは1879年10月22日でその時のフィラメント
は炭化した紙とかで10月21日に制定した根拠か何だか怪しく感
じられて来たので、それ以上は不問としましたが、その様な先人の
努力のお陰で現在が有り、その電球も低炭素社会を目指すために
LEDに取って代わられようとしている現在です。
09年10月21日 | Category: 日記
Posted by: shimasekkei
09年10月20日

秋の夕日

今日の夕方は久しぶりに綺麗な空を見る事が出来ました。
秋の空と言えば「天高く」と言われように空が高く見えますが、実
際に天気現象が起こる対流圏の高さと言うか厚さは秋よりも夏の方
が高いそうですが、秋は空気が乾燥しているために細かい塵や埃が
少なくなる為に遠くまで見通せるからだとか。

余談ですがこの対流圏の外側のところが成層圏ですが、その対流
圏と成層圏との境を「対流圏界面」と言うそうです。

20091020_01.jpg

そんな秋の夕日を見ながら、夕日の好きな私は、夕日と共に過ごせ
る西側に大きく開く事が出来る住宅は結構好きです。
09年10月20日 | Category: 日記
Posted by: shimasekkei
09年10月19日

換気不足

3日前(10/16)のニュースで、茨城県北茨城市の陶芸小屋で一人死
亡2人重体と言っていたのが、今日は2人死亡となってしまった事
故が有ったのをご存知でしょうか?

警察署の実況検分で部屋の換気を行わずに陶芸窯を使った為に一酸
化炭素中毒になってしまったようです。このブログの以前の記事の
機械換気の誤解」にも触れていますが、現在の住宅は特別な施行
をしなくても気密性が高いので、余程気を付けて換気を行わないと
燃焼の為の空気量が足りなくなるのは必須です。

20091019_01.jpg

最近の住宅造りは専門家にお任せすると言う感じの意識の為か、
出来上がりの事には神経を使われますが、実際の製作過程に関心を
持たれる事が希薄になっているように感じます。
今回の事故の家に換気給気口が設けられていたのか否かは判りませ
んが、設計段階から適切な打合せが出来ていたら、このような事故
は防げたのかもしれません。

いずれにしても、火を使う場所には空気が必要なのは当たり前で、
私が子供だった頃は火を使う時には定期的に窓を開けるように親か
らよく言われた物ですが、このような基本的な教えは何時までも続
けて行って欲しいと思うのです。

09年10月19日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年10月15日

出会い

昨日の事、あるゼネコンの営業担当者がわが事務所を尋ねて来まし
た。まぁ、その事自体は特段珍しい事では無いのですが、今回は
現在計画中の共同住宅の建築主からの紹介で、初顔合わせとなった
訳です。

現在、世の中は不況で仕事が絞られてきているのは、皆さんご存知
の通りですが、建築業界では、今回の政権交代の影響が早くも出て
いて、大手ゼネコンが公共事業削減の為に、今迄手を出さないよう
な規模の仕事にも営業攻勢を掛けて来ているとの事で、建築の営業
の方は大変なようです。

我が事務所では規模が大きい建物はそれ程無いので、大手ゼネコン
とのお付き合いは有りませんが、それでもある程度の規模の会社に
お願いしたりしていて、その中の1社の営業マンで熱心に仕事をし
てくれている人が居たのですが、1昨年他界され、何となく穴が開
いた状態だったのですが、今回の出会いでその穴が埋まってくれる
と良いな・・・? という思いでした。
09年10月15日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
最近医者の検査を受ける機会が有り、担当医の説明を聞いていて
インフォームドコンセント(informed consent)と言う言葉が頭を
過ぎりました。

我々の業界にこの言葉を充てると「説明責任」という言葉になるの
でしょうが、英語の本来の意味ではあらゆる法的契約に適用される
概念と言う事なので、我々が使っても間違いではないですね。

普段から、建築主に建築に関する言葉が正確に理解されているのか
注意して話しているつもりですが、何かの拍子に受ける質問で、
理解されていない事が発見できたりして、説明の内容を以前とは違
う切り口で話して、理解されるようにしていますが、どれほど理解
され、納得されたのかは本人しか判らない事では有ります。

しかし、お医者さんの言葉を聞いていると理解出来やすい医者と、
理解でき難い医者がいる事は事実で、反面教師となった一場面では
ありました。
09年10月13日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年10月08日

タワーマンション

東京のベイエリアやリバーサイドに行くと高層のタワーマンション
が林立している姿をよく目にします。

20091008_01.jpg
この画像は記事の内容とは関係有りません。

日本の超高層建築物として知られる霞ヶ関ビルが竣工したのが19
68年でそこから次々と超高層建築が始まり事務所ビルから遂には
居住建築物にまで来たという感じなのですが、果たして居住用とし
て適しているのか、疑問を持っているのですが、

そんな折、グッドデザイン賞の選考委員のブログに次のような事が
書いてあり少し溜飲を下げた思いです。

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それにしても巨大な集合住宅やタワーマンションのディベロッパー
は自らの社会的影響力の大きさについて、ほとんど無自覚である点
は驚くべきことである。住宅を単なる商品と考えるのならば、グッ
ドデザイン賞に応募する資格はない。恐らく彼らにとってグッドデ
ザイン賞は商品価値を付加するための一条件でしかないのだろう。
そのような応募作品を入選させることはグッドデザイン賞の社会的
な意義を失わせるだけである。ディベロッパーが自らの社会的責任
を自覚し、ライフスタイルや地域社会に対して何らかの提案を行う
ようにならない限り、今後も当選はあり得ないことを確認しておか
ねばならない。
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タワーマンションばかりでなくハウスメーカー等のグッドデザイン
賞への対応が同じように感じられているので、このような考えを持
つ選考委員であれば建築に対する賞は安心できると思ったのでした。
09年10月08日 | Category: 雑感
Posted by: shimasekkei
09年10月05日

秋祭り

昨日は私が住んでいる町の秋祭りが行われて、昼間から大人御輿や
子供御輿、そして大太鼓を載せた山車が出て普段は静かな住宅街も
この日ばかりは賑やかな日でした。

夜は御輿が宮入りをして一際賑やかになり、神社の境内では近所の
方達の日頃の精進されている芸能が披露され、都会で見る事が少な
くなった村祭りのような雰囲気を感じさせていました。

20091005_01.jpg

20091005_02.jpg

都会は隣近所との付き合いが希薄になって来ていて、社会全体が包
摂を失いつつある現在、祭りの時だけとは言え人の繋がりが感じら
れ、何となくほのぼのとした一日でした。
09年10月05日 | Category: 日記
Posted by: shimasekkei
09年10月04日

月の文化

昨日は旧暦の8月15日に当る日と言う事で「十五夜」。俗に言う
中秋の名月なので月見を期待したのですが、ここ世田谷の空は雲が
漂っていて中々月だけを鑑賞する事はできずに、雲の切れ間に顔を
出した月の鑑賞と成った写真を1枚。

20091003_01.jpg

こうやって月を愛でる事を思うと、日本の文化だなぁ・・・、と感
じますね。旧暦は月の運航に基いた暦の事で有るし、建築で言えば
あの有名な桂離宮の月見台が有名なのはご存知のとおりです。
この桂離宮はコルビジェには評価されず、ブルーノ・タウトに評価
されてから国内で再評価されたと言う経緯が有る建築ではあります。

そんな事も感じつつ月見鑑賞は過ぎて行くのでした。
09年10月04日 | Category: 日記
Posted by: shimasekkei
09年10月03日

あるハウスコンペ

先月からあまり更新できずにいて、このブログを読んで頂いている
皆さんに心配かけているのでは?と思っているのですが、コメント
への書き込みもほとんどないので、まぁ、こちらで思うほどには期
待されている存在ではないのかなぁ、と言うような感じのこの頃で
すが皆さんご機嫌如何ですか?

そんな事を言いながら、つい最近ある建築家のブログを読んでいて、
あれ? と思う事がありました。そのブログには仕事の受注を受け
て現地を見に行った事が書かれていたのですが、その物件が他のハ
ウスコンペに出されていた物と同じ物ではないかと思わせる内容な
のです。

もし同じ物件であっても特段どうだという事は無いのですが、それ
でも何となく、すっきりしない気持ちでは有ります。
ハウスコンペに対して色々な意見が出されていますが、実際の仕事
に付けない若い建築家には良い機会であるとは言えます。しかし
実施設計に選ばれる事の不透明さやコンペ主催会社の担当者におけ
る恣意性と言うか誘導性と言ったものが働く事の不平等さ等、結構
偏向的決定がなされているのではと言う疑問が付き纏っているのも
現実です。

そんな中での今回のような建築主側のコンペへの出展の仕方が建築
家の才能を必要としているのではなく、ただ建築家に無駄な労力を
消費をさせているような感じに写ったのでした。
09年10月03日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei