神社などで見る事ができる蔀(しとみ)ですが、元々は平安時代に
完成された建築様式である寝殿造りに表われた建具の1つで、後に
神社などでも使われるようなったようです。

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蔀は下の格子戸と上の格子戸の一対の総称で格子の裏側を板張りと
して下の蔀は柱間に建込んで取り外せるようになっていて、上の蔀
は水平に跳ね上げて吊金具で留めるようになっています。

この跳ね上げ方も屋外に跳ね上げるのが古く、室内に跳ね上げるの
は新しいと言われていますが、この写真の蔀は上野の清水観音堂で
すが、この清水堂は京都の清水寺を意識して造られた建物なので清
水寺と同じように懸造り(かけつくり)と成っていていますが、
その辺の事は又にして、この建築年が寛永8年(1631年)なの
でこの建具が取り入れられた時期からすれば決して古くは無いと思
うのだけれど、室外に跳ね上げているので、あまり厳密な区分けは
出来ないようです。

蔀の名前の由来は、「し」は下で、「とみ」は止みで、上より下に
下がり止まる戸である事から、この建具の事を「しとみ」と言う
新井白石の説があります。

こうやって見ていると日本の建築も結構奥が深いですね。