先日、そう言えば消え行く建築で丸の内にある東京中央郵便局はど
うなっているのだろうと思い、見に行きました。

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すでに仮囲いがされて解体が始まっていたのですが、保存されると
言うか、今度の計画でも使われるファサードは囲われていなくて、
未だその姿を見る事が出来ました。

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裏手に廻るともう解体が始まっている様子

この建物は当時の逓信省経理局営繕課の吉田鉄郎の設計と言われて
いますが、『日本建築家山脈』(村松貞次郎著 鹿島出版会 1965年
(復刻版)2005年)によれば吉田鉄郎の上席者 武富英一がこの
東京中央郵便局のために渡欧してウィーンのセセッションの作品を
見学してエスキースをし、それを図面化したのが山口文象だそうで
す。
その時のデザインはプロポーションはウィーン・セセッション、軒
にはオーナメントが付いていたと言うことで、村松貞次郎は
オットー・ワーグナー設計のウィーン郵便貯金局と何処となく共通
するものがあると書いています。
その後関東大震災で工事が一時中止になり、武富は忙しくなり、更
に大正14年に大倉土木(現在の大成建設)に行ってしまった。
東京中央郵便局は基礎工事のだけで放置された状態だったのを吉田
鉄郎が後始末をして完成させたと言う事で、デザインではオーナメ
ントは無くして、そのプロポーションは生かしたのが完成への流れ
だそうです。

そんな事が有りながら完成されたこの建物ですが、今度は皮を残し
て身を削がれる事になり。今後この街にどのような空気を作り出す
のでしょうか。


「東京中央郵便局の再整備計画について」このレポートに完成後の
姿を見ることが出来ます。
http://www.japanpost.jp/pressrelease/2008/document/1001_00_05_2008062504.pdf


ウィーン郵便貯金局の動画