信用不安から生じた世界同時不況の回復には、日本のバブル崩壊後の「失われた10年」と比較され、相当長期間かかると云われています。賃金水準が下落傾向にあるなかで、公的扶助のセーフティネットがどうあれば国民の生活が安全・安心がもたらされるかが課題になります。


(貧しさとは)

 100年に一度の不況と云われていますが、50年前の日本はどうだったのか思い出すことが必要であります。東南アジアのスライム街と大差がない掘っ立て小屋が一部落に数軒あり、親から世の中を見る目を教えられないで育つ子供達が居て、義務教育ですら充分に受けられないで、世の中に出ていったこともわずかであっても事実でした。


(セーフティネットとは)

 貧しさの連鎖は、階層的社会を生み、社会の安定を損ね、国全体の活力を失いってしまいます。そこで、生活保護法で国民に最低限度の生活を保障しています。さて、その最低生活費とは幾らかは家族構成・地域によって違いますが、地方での一人の生活者であれば年間62万円程はかかります。他の目安として、基礎年金の満額支給は79万円、扶養者の制限所得は103万円であります。


(公的扶助の対象者は)

 一般に平均所得者の20%以下が公的扶助の対象と云われています。これまでの所得の中位を450万円とすれば、90万円以下となり、現行の生活保護が支給されている層となります。仮にこれから平均中位の所得が300万円になるとすれば、60万円以下となります。それでは生活環境条件が変わらなければ医療と生活・住居費がまかなえるとは言い切れません。


(税の所得再分配機能とは)

 全国民から徴収した税金で、生活困窮者を救済する生活保護法による支給財源としています。生活困窮者が増えれば、その財源を納税する国民に一層の負担に求めることとなります。納税者に社会のセーフティネット維持のために必要な負担であることを納得して負担を頂くためには、分かりやすい仕組みと透明度の高い行政執行、悪質受給者の排除などが整わなければかないません。国民総背番号制による監視体制が社会の安定のために必要となり、検証体制が整えば税による所得再分配機能が効果的に発揮され希望のある社会を維持できると考えます。


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