先に発表された税制改正大綱、消費税の税率改正等は先送りされ、来年春にも噂される衆議院選挙対策なのでは?というくらい、増減税はほぼ均衡なものとなりました。

 そんな中で、個人に関係があるものを3つ紹介します。

1.証券税制の見直し
 (1)株式譲渡益と配当にかかる軽減税率(10%、本則20%)に上限額を設け、税率を2段階とする。

(2)平成21年から株式譲渡損益と配当所得を差引して課税する損益通算制度を導入
 
現在、配当については企業が源泉徴収を行い、株主に対して支払っています。そして、証券会社が源泉徴収ありの特定口座で扱えるのは譲渡損益のみとなっています。つまり、現在の特定口座では源泉徴収だけでは課税が行われず、確定申告をしなければならなくなるという問題点があります。政府は、平成22年をめどに特定口座で配当を扱えるように関連法令を改正する方針です。平成21年は確定申告をしなければならないということになります。せっかく、株式投資が身近なものとなったのに、このような煩雑さを強いることは、いかがなものかと感じてしまいます。

2.「200年住宅」の支援税制
住宅の寿命を延ばすことで、廃棄物の削減や資源の節約につなげるねらいがありますが、住宅の寿命を延ばすということは、地震大国日本、鉄筋・木材は品質が高いものを使用しなければならず、建設コストが割高となります。そこで、負担を税制で優遇しようというものです。
・固定資産税を半減(建築後5年)
・不動産取得税の優遇
・固定資産税の優遇
といったものが挙げられています。

3.エンジェル税制の拡充
現行のエンジェル税制はベンチャー会社に投資した費用をほかの株式売却益から所得控除する仕組みとなっています。しかし、利用は年13億円(06年度)と低迷。そこで、出資金額のうち年1,000万円までを税制上の寄付金扱いにし、課税所得から控除するというものです。実際のところ、上記の2つの税制と比較して一般の方が利用することはほとんどないであろうと思われます。

噂されながら、今回は見送られた所得税の扶養控除・配偶者控除の見直し、今後の税制は増税となることが予想されます。少しでも、税制を勉強して自分の身を守ることが重要な時代になってきたのかもしれません。
文責:事業承継コンサルティング部

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