いきなりですが、「今日、あなたは仕事で失敗をしました」。こんな夜は寝る前に何を考えますか?
(1)仕事がうまくいっていた時期のこと 
(2)失敗した原因など 
(3)仕事とは関係のないこと
イスラエルのある心理学者が、兵士を対象に「地図なしで目的地を目指す」という訓練を行わせたそうです。その際、兵士たちをAとBの2グループに分けました。Aは、訓練に失敗したときだけ上官とのミーティングを行うグループ。「なぜあのときミスを犯したのか?」「もっと早く対応すべきだった」など、要するに失敗の反省会を行わせたのです。一方のBは、失敗したときも成功したときも上官とのミーティングを行うグループ。失敗の反省会に加え、「あの素早い対応は良かった」「今回は現状把握が的確だった」といったように、成功した理由などを兵士自身に分析させました。それからしばらくしてAとBの訓練成績を比較してみると、明らかな差が出たそうです。訓練の成績が上がったのはB。Bの上達速度はAに比べて格段に早かったようです。すなわち、パフォーマンスを上げるには成功したときほど良い意味での「反省会」を行ったほうがいいというわけです。
失敗してもどこ吹く風でいられるのは別の意味で大したものですが、ほとんどの人は寝る前にクヨクヨと「一人失敗反省会」をするでしょう。それはいいとして、うまくいったことや良かったことも同じように「どうしてだろう?」と考える習慣が商売のパフォーマンス向上につながっていきます。うまくいったことにも必ず理由や秘訣があるはずで、それこそが今後の成功につながる最大のヒントです。
うまくいったときほど「一人成功反省会」。良いことが何もなかった日は、過去にうまくいったことを思い出して「一人成功反省会」。やってみると意外と大変です。毎晩続けるのはもっと大変です。けれどその効果は絶大なのです。