「立派な企業が長期低迷に入る。いずれの場合も主たる原因は、事業上の5つの大罪の少なくとも一つを犯したことによる。だが、それらは犯さずにすませられる罪である」(※1)。ドラッカーが指摘する「大罪」とはどのようなものなのでしょうか。
1.利益幅信奉/機能追加などにより価格を高くすると粗利益は大きくなるが、顧客には割安感がなくなり結果的に売れ行きは鈍る 
2.高価格品信奉/競争相手の参入を想定せずに限度いっぱいの価格設定をすることは、新規企業の低価格での参入を許してしまう 
3.コスト中心主義/自社の都合でコストを積み上げそこに利益を乗せた価格設定は、顧客には割安感がなく納得を得られない   
4.昨日崇拝と明日のチャンスの無視/文字どおり既存事業が順調な時に慢心して次への準備を怠り、主力商品が陳腐化すること  
5.問題至上主義/目の前の問題にかかりきりになり、人材と資金を投入し肝心なチャンスへの投資が不十分になってしまうこと「事業上の5つの大罪は、その害が十二分に明らかにされているものである。5つの大罪については、言い訳は許されない。絶対に負けてはならない誘惑である」(※1)。
顧客と競合他社の存在を常に意識することで、これらの大罪を犯すことなく事業を進められそうです。
※1:「未来への決断」ダイヤモンド社