Q: 製造業の経営者です。昨年来業績が急激に悪化しています。経費削減や新規開拓に全力を尽くしていますが厳しい状況です。このままだと現在15名いる従業員の人件費にメスを入れることも視野に入れざるをえません。避けたい事態ではありますが、「整理解雇」について条件や注意点などを教えてください。
A: 解雇は従業員の生活に重大な影響を及ぼします。そのため労働基準法や労働契約法には解雇制限や解雇予告の規定があり、事業主の権利の濫用を防止し、労働者の生活保護のための手順が定められています。解雇の有効性については民法が基礎になり、整理解雇の場合、(1)解雇が必要なほど経営が悪化しているか(2)解雇を回避するための経営努力
は十分だったか(3)解雇の対象者を選ぶ基準は妥当か(4)解雇に至る経緯と必要性を従業員に十分説明し協議を尽くしたか 以上4つの要件が判定の基準となります。これに加えて経営者が考慮すべきことは、解雇の対象にならない従業員の士気の低下です。法律に則った解雇手順の履行も大事ですが、実施後の社内に活力が保てなければ新たな問題の発生原因にもなります。実施に際しては専門家に相談することをお勧めします。