梅ケ島は安倍川の最奥にある温泉。
大井川の上流・千頭の奥にあるのが寸又峡温泉。
ここは大昔、殺人事件の犯人が立てこもって、一躍名がしれた。

厳しい寒さがやっと終わったかと思ったら、いきなり春の陽気となった。
もう道路も凍っていないだろうと、湯治を兼ねて尋ねる。
途中、道の駅・なかかわね茶茗館に寄る。
閑散としているが、売店のおばさんに聞くと、最近では中国人のお客が増えたという。
静岡空港のお蔭か、川根茶を買っていくのだという。
日本製は安心なんだろう。

SLの千頭を過ぎ、奥泉の先からは林道となる。
すれ違いも厳しいこの道を観光バスはやってくる。
こんな山奥に温泉峡があるのかと考えてしまうくらい奥深い。
延々走ってやっと着く。
しかしここは南アルプスの登山口でもある。

さて、入浴料はどこも同じだろうから、一番立派な温泉宿にいく。
ホテル・湯屋飛龍の宿は、内風呂と露店風呂がある。
泊り客は帰ったようで、私ひとりの独り占めである。
非常に滑らかな体にいい温泉だ。
できれば泊まりたいなー。
null
すぐ横の食堂でお蕎麦を食べ、寸又峡の唯一の見せ場・夢の吊橋に行く。
単なる吊橋なのに、これしか見るものがないので、来た人はみな訪れる。
そう寸又峡温泉は、お湯をゆったり楽しむためにある。
余分な見せ場はないのである。
だからSLに乗って、ここの湯に入りに来る人も多いようだ。
定期バスにもそこそこ客が乗っている。

千頭まで戻ると、駅にちょうどSLが止まっていて、人がにぎやかだ。
穏やかな春近しの一日。