先月から仰天ニュースが駆け巡りましたね。苫小牧のミートホープ社には呆れるばかりです。

コストを下げることにばかり頭を使っていると正義や信条といった商売、仕事をする者の最も大切にしなければならない魂に等しい大事なモノまで忘れてしまうという、考えさせられる事件でした。


つまり私たち飲食店でも過去そして現在もミートホープ社を他山の石と簡単に切り捨てられない事をワタシは知っています。

コストを厳しく言われる現場は、最大の能力を出して、または勉強してそれに答えて行かなくてはならないのですが、安易に簡単な方法へ逃げてしまうという事がよくあります。

サラダや付け合わせに使ったパセリは残飯で換えってくると再利用する、在庫整理がキチンとできていないため賞味期限切れでも使ってしまう、など序の口でたまたま私が出合った例など恐ろしいモノでした。

数年前、飲み会のような席でたまたま同席した一人のコックが材料を無駄にしない自慢の話題になった時、こんな爆言を放ったのです。

「オレなんか、他の店がゴミ捨て場に捨ててあった冷凍のカキを拾ってきて使ったことがあるよ。もちろん、直接お客さんに出せないと思ったから、従業員にマカナイで出してダイジョウブなのを確かめてから出したけどね」。

開いた口が塞がりませんでした。こんな調理人の作る料理は絶対食べたくないと思ったのを覚えています。

ここまで酷くないにしても安い材料を求めるために、今騒がれている中国産食材に行きつくことは普通に起こっていることかも知れません。

先日も醤油が人毛で作られていたことが発見されました。

現在危険事由が500件を超えているそうです。

産地表示が飲食店でも必要な動きが出てきています。

先んじて実行している大手では気の毒な事も起きています。

大手回転すしチェーンが配布したチラシには〈うなぎ蒲焼きのニギリ〉が写真で美味しそうに出ていてそのヨコに〈中国産〉と御丁寧に表示されていました。

ご存知のとおり中国産のうなぎからは危険薬品が検出され、日本だけでなくアメリカでも排除の状況です。チラシ作成の担当者さんも中止がまにあわなかったのでしょう(まさかニュースを知らなかったなんてことないでしょうから)。

他の食材にも中国産といくつか表示されていましたから、これではまるでお客様に来るなと言ってるようなものです。

お客様に安く売る努力は悪いとは言いませんが、価格はキチンと頂き、高い価値を感じて頂いて、結果的に安いと感じて頂ける商売をしたいものですね。