06年07月18日
上場経営には“明”あれば“暗”もある
●「上場やめます」という会社も出現
神戸のワールドという会社は、女性用服飾品のアパレル卸(縫製メーカー)です。
この会社は、「当社は上場を取り止めます」といって、自社株を買い戻すことを決めたそうです。
もちろん、「上場経営より、非上場経営がいい」という判断が働いたからでしょう。
上場経営には、株式を公開することで、広く資金調達がしやすいとか、金融機関が経営者に個人保証を求めずして融資するとか、いい面があるでしょう。
さらに、「上場会社」というステイタスも、特に経営者には魅力的らしい。
しかし何事にも、日の当たる面もあれば、日陰の部分もあります。企業買収(乗っ取り・マネーゲーム)のターゲットになるのも、上場企業だからです。
●一兆円企業でも上場しないという哲学
ある大手ゼネコンにT社があります。04年の年商はほぼ一兆円です。しかしこの会社は、昔からずっと上場していません。非上場会社なのです。
なぜなのでしょうか。
品質経営という方針を徹底するためには、株価の上下に一喜一憂していては、平常心の邪魔になります。
この会社の人事管理も独特で、労働組合がないかわりに社員組合があります。労働組合を作られる前に、会社が積極的に動き、社員組合を作ったのです。
勉強不足の人のなかには、上場会社が非上場会社より格が上(従業員も質がいい)という驚くべき浅薄な認識の人がいますが、そんなことはありません。
●時流も上場感覚も変わった
「会社を上場しました」といって、心躍るような挨拶状をいただくことがありますが、この事実を裏返せば、「いつマネーゲームの対象になっても、おかしくない会社になりました」という意味でもあります。
冒頭に紹介したワールドと同様、自社株を買い取り非上場になる、MBO(マネジメント・バイアウト)を志向する会社はもっと増えるかも? 上場環境も変わりましたね。
神戸のワールドという会社は、女性用服飾品のアパレル卸(縫製メーカー)です。
この会社は、「当社は上場を取り止めます」といって、自社株を買い戻すことを決めたそうです。
もちろん、「上場経営より、非上場経営がいい」という判断が働いたからでしょう。
上場経営には、株式を公開することで、広く資金調達がしやすいとか、金融機関が経営者に個人保証を求めずして融資するとか、いい面があるでしょう。
さらに、「上場会社」というステイタスも、特に経営者には魅力的らしい。
しかし何事にも、日の当たる面もあれば、日陰の部分もあります。企業買収(乗っ取り・マネーゲーム)のターゲットになるのも、上場企業だからです。
●一兆円企業でも上場しないという哲学
ある大手ゼネコンにT社があります。04年の年商はほぼ一兆円です。しかしこの会社は、昔からずっと上場していません。非上場会社なのです。
なぜなのでしょうか。
品質経営という方針を徹底するためには、株価の上下に一喜一憂していては、平常心の邪魔になります。
この会社の人事管理も独特で、労働組合がないかわりに社員組合があります。労働組合を作られる前に、会社が積極的に動き、社員組合を作ったのです。
勉強不足の人のなかには、上場会社が非上場会社より格が上(従業員も質がいい)という驚くべき浅薄な認識の人がいますが、そんなことはありません。
●時流も上場感覚も変わった
「会社を上場しました」といって、心躍るような挨拶状をいただくことがありますが、この事実を裏返せば、「いつマネーゲームの対象になっても、おかしくない会社になりました」という意味でもあります。
冒頭に紹介したワールドと同様、自社株を買い取り非上場になる、MBO(マネジメント・バイアウト)を志向する会社はもっと増えるかも? 上場環境も変わりましたね。
06年07月04日
原価を押し上げる原因は、人の動きにある
ある銀行主催のセミナー会場でのこと。「コスト管理」の講座をしばらくのぞいてみた。
しかし、こんな講座をまじめに受講するようじゃ、コスト管理の実効を手中にはできないと思った。
その理由は、午前の講座が終わるや、講師も受講者も一斉に、昼食をとりに食堂に出かけたが、皆が出かけたあとは、消灯もしない照明が、こうこうと無人の教室を照らしていたからだ。
「わたしが講師なら、“原価管理は身の回りから、照明を切ってから・・”と指導する」と。
身近な照明を無駄に全開したままで、コスト管理を論ずるのは、ナンセンスもはなはだしい。
コスト(原価)を、数字だけでとらえるのは、生きたコスト管理にはならない。
コストやムダの多くは、人間の行動から生まれるものである。だから、人の動きにコスト管理を求めない考え方は、現実的な管理とは距離が生じる。
一例をあげれば、出社早々グズグズする人や、タクシーを降りるときになって財布を出すくせのある人や、車を運転して曲がる場所に差しかかってからシグナルを倒す人は、計画性に欠ける人である。
こういう人の動きにはムダが多く、ハイコスト&ロープロフィット(高い原価で低い生産性)な働きしかできない人である。役所の多くには、こんな人間がゴロゴロして、働くというより動いている感じがする。
下表には、原価を押し上げ、仕事効率を落とす、主要な原因を紹介した。
「だったらどうしたらいいか?」には、ここで触れていない。各社で知恵をひねって欲しい。
原価を押し上げ、仕事効率を落とす元凶
?朝の職場がグズグズしているほど・・・→ 原価(UP) 効率(DOWN)
?仕事のやり直しが多いほど・・・・・・・・・・→ 〃 〃
?苦情の多い仕事が増えるほど・・・・・・・・→ 〃 〃
?客のホンネを知らない職場ほど・・・・・・・→ 〃 〃
?よぶんな手間をかける仕事ほど・・・・・・・→ 〃 〃
?仕事の手順が場当たり的なほど・・・・・・→ 〃 〃
?営業マンの巡回経路がヘタなほど・・・・・→ 〃 〃
?仕入れ価格が高いほど・・・・・・・・・・・・・→ 〃 〃
?会議が多い会社ほど・・・・・・・・・・・・・・・→ 〃 〃
?不良率が高いほど・・・・・・・・・・・・・・・・・→ 〃 〃
?固定費が多いほど・・・・・・・・・・・・・・・・・→ 〃 〃
?管理者の能力が低いほど・・・・・・・・・・・→ 〃 〃
?部下のミスを是正しないほど・・・・・・・・・→ 〃 〃
?右脳的な柔軟発想に欠けるほど・・・・・・→ 〃 〃
?新しい仕入れ先を開拓しないほど・・・・・→ 〃 〃
?新しい得意先を開拓しないほど・・・・・・・→ 〃 〃
?新製品を開発(導入)しないほど・・・・・・→ 〃 〃
?社長の心が浸透しないほど・・・・・・・・・→ 〃 〃
?「原価意識」が不徹底なほど・・・・・・・・→ 〃 〃
?五年先の変化を考えないほど・・・・・・・→ 〃 〃
しかし、こんな講座をまじめに受講するようじゃ、コスト管理の実効を手中にはできないと思った。
その理由は、午前の講座が終わるや、講師も受講者も一斉に、昼食をとりに食堂に出かけたが、皆が出かけたあとは、消灯もしない照明が、こうこうと無人の教室を照らしていたからだ。
「わたしが講師なら、“原価管理は身の回りから、照明を切ってから・・”と指導する」と。
身近な照明を無駄に全開したままで、コスト管理を論ずるのは、ナンセンスもはなはだしい。
コスト(原価)を、数字だけでとらえるのは、生きたコスト管理にはならない。
コストやムダの多くは、人間の行動から生まれるものである。だから、人の動きにコスト管理を求めない考え方は、現実的な管理とは距離が生じる。
一例をあげれば、出社早々グズグズする人や、タクシーを降りるときになって財布を出すくせのある人や、車を運転して曲がる場所に差しかかってからシグナルを倒す人は、計画性に欠ける人である。
こういう人の動きにはムダが多く、ハイコスト&ロープロフィット(高い原価で低い生産性)な働きしかできない人である。役所の多くには、こんな人間がゴロゴロして、働くというより動いている感じがする。
下表には、原価を押し上げ、仕事効率を落とす、主要な原因を紹介した。
「だったらどうしたらいいか?」には、ここで触れていない。各社で知恵をひねって欲しい。
原価を押し上げ、仕事効率を落とす元凶
?朝の職場がグズグズしているほど・・・→ 原価(UP) 効率(DOWN)
?仕事のやり直しが多いほど・・・・・・・・・・→ 〃 〃
?苦情の多い仕事が増えるほど・・・・・・・・→ 〃 〃
?客のホンネを知らない職場ほど・・・・・・・→ 〃 〃
?よぶんな手間をかける仕事ほど・・・・・・・→ 〃 〃
?仕事の手順が場当たり的なほど・・・・・・→ 〃 〃
?営業マンの巡回経路がヘタなほど・・・・・→ 〃 〃
?仕入れ価格が高いほど・・・・・・・・・・・・・→ 〃 〃
?会議が多い会社ほど・・・・・・・・・・・・・・・→ 〃 〃
?不良率が高いほど・・・・・・・・・・・・・・・・・→ 〃 〃
?固定費が多いほど・・・・・・・・・・・・・・・・・→ 〃 〃
?管理者の能力が低いほど・・・・・・・・・・・→ 〃 〃
?部下のミスを是正しないほど・・・・・・・・・→ 〃 〃
?右脳的な柔軟発想に欠けるほど・・・・・・→ 〃 〃
?新しい仕入れ先を開拓しないほど・・・・・→ 〃 〃
?新しい得意先を開拓しないほど・・・・・・・→ 〃 〃
?新製品を開発(導入)しないほど・・・・・・→ 〃 〃
?社長の心が浸透しないほど・・・・・・・・・→ 〃 〃
?「原価意識」が不徹底なほど・・・・・・・・→ 〃 〃
?五年先の変化を考えないほど・・・・・・・→ 〃 〃