07年12月20日
公正証書遺言
1 自筆証書遺言の方式は簡単であるが、遺言書の紛失や第三者による
変造の虞があるだけでなく、自書できない場合には利用できない。
その場合には、公正証書によることができる。
2 遺言者が他人の強制・誘導を避け自由に遺言できるようにするとともに、
遺言の存在・内容を明確にさせておくため、公正証書遺言には以下のよう
な煩雑な手続が要求されている。
(1)証人2人以上の立会いがあること。
未成年者や推定相続人などは証人の欠格事由とされています。
(2)遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
口授しないで文書そのものを渡すのはいけないと解されています。
(3)公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者・証人に読み聞かせ
ること。
(4)遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、
印を押すこと。
(5)最後に、公証人が、その証書は上述した方式に従って作ったものである
旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。
3 公正証書は、一般に公証人役場で作成しなければなりませんが、遺言書作
成の場合にはこの制約を受けません。したがって、公証人を自宅や病院に呼
んで作ることもできます。
公正証書遺言は、方式が厳格で費用もかかりますが、紛失や改竄の虞があ
りません。
また、証人が立ち会うため、遺言の内容が他者に漏れることを心配される人も
いますが、守秘義務を有する行政書士や弁護士などに証人になってもらえば、
心配は要りません。
変造の虞があるだけでなく、自書できない場合には利用できない。
その場合には、公正証書によることができる。
2 遺言者が他人の強制・誘導を避け自由に遺言できるようにするとともに、
遺言の存在・内容を明確にさせておくため、公正証書遺言には以下のよう
な煩雑な手続が要求されている。
(1)証人2人以上の立会いがあること。
未成年者や推定相続人などは証人の欠格事由とされています。
(2)遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
口授しないで文書そのものを渡すのはいけないと解されています。
(3)公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者・証人に読み聞かせ
ること。
(4)遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、
印を押すこと。
(5)最後に、公証人が、その証書は上述した方式に従って作ったものである
旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。
3 公正証書は、一般に公証人役場で作成しなければなりませんが、遺言書作
成の場合にはこの制約を受けません。したがって、公証人を自宅や病院に呼
んで作ることもできます。
公正証書遺言は、方式が厳格で費用もかかりますが、紛失や改竄の虞があ
りません。
また、証人が立ち会うため、遺言の内容が他者に漏れることを心配される人も
いますが、守秘義務を有する行政書士や弁護士などに証人になってもらえば、
心配は要りません。
07年12月19日
自筆証書遺言
1 普通方式による遺言には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言
があります。それぞれ一長一短がありますが、今日は、自筆証書遺言につ
いて記載します。
2 自筆証書遺言は、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに
印を押すものです。
(1)自書でなければなりませんから、他人が代筆したり、パソコンなどで作
成された遺言は、自筆証書遺言としては無効となります。
(2)では、遺言者が他人の手助けを受けて自筆証書遺言をした場合は、ど
うでしょうか。
この場合、判例では、遺言者が自書能力を有し、筆記を容易にするた
めに他人の支えを借りただけであり、かつ、他人の意思が介入した形跡
がない場合に限り、自書の要件を充たすものとして有効とされています。
(3)また、氏名の自書とは、遺言者が何人であるかにつき疑いのない程度
の表示があれば足り、必ずしも氏名を併記する必要はないとされていま
す。
(4)さらに、「平成19年12月吉日」と記載されたものは、日付の確定ができ
ないため、日付の記載を欠くものとして無効となります。
(5)そして、押印は拇印でも差し支えないとされています。押印は、氏名とと
もに遺言者の同一性を明らかにするために必要なものであり、押す印に
は制限がないのです。
があります。それぞれ一長一短がありますが、今日は、自筆証書遺言につ
いて記載します。
2 自筆証書遺言は、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに
印を押すものです。
(1)自書でなければなりませんから、他人が代筆したり、パソコンなどで作
成された遺言は、自筆証書遺言としては無効となります。
(2)では、遺言者が他人の手助けを受けて自筆証書遺言をした場合は、ど
うでしょうか。
この場合、判例では、遺言者が自書能力を有し、筆記を容易にするた
めに他人の支えを借りただけであり、かつ、他人の意思が介入した形跡
がない場合に限り、自書の要件を充たすものとして有効とされています。
(3)また、氏名の自書とは、遺言者が何人であるかにつき疑いのない程度
の表示があれば足り、必ずしも氏名を併記する必要はないとされていま
す。
(4)さらに、「平成19年12月吉日」と記載されたものは、日付の確定ができ
ないため、日付の記載を欠くものとして無効となります。
(5)そして、押印は拇印でも差し支えないとされています。押印は、氏名とと
もに遺言者の同一性を明らかにするために必要なものであり、押す印に
は制限がないのです。
07年12月18日
遺言
1 遺言は、遺言者の死亡とともに一定の効果を発生させることを目的
とする相手方のない単独行為です。
遺言でなしうる事項は、廃除・その取消、相続分の指定、遺産分割
方法の指定など法律で認められた一定のものに限られます。
そして、相続人は全て法律によって定まり、遺言による相続人の指
定は認められません。相続が純粋に財産相続になった今日では、遺
贈とくに包括遺贈によって同じ目的が達せられるからです。
2 遺言も一種の意思表示ですから、意思能力のない者のなした遺言
は、たとえ形式を備えていても無効です。しかし、遺言が効力を生ず
るときは、遺言者は生存していない。
そこで、行為者自身を保護する趣旨である財産的法律行為における
制限能力者制度を、そのまま厳格に遺言に適用する必要がなく、かえ
ってこれを緩和して本人の最終意思を尊重するのが妥当である。
それゆえ、
(1)未成年者であっても、15歳に達していれば単独で有効に遺言をす
ことができる。
(2)成年被後見人は、事理を弁識する能力を一時回復した時に、医師
2人以上の立会いをもってすれば、有効に遺言をすることができま
す。
(3)被保佐人、被補助人は、単独で有効に遺言をすることができます。
とする相手方のない単独行為です。
遺言でなしうる事項は、廃除・その取消、相続分の指定、遺産分割
方法の指定など法律で認められた一定のものに限られます。
そして、相続人は全て法律によって定まり、遺言による相続人の指
定は認められません。相続が純粋に財産相続になった今日では、遺
贈とくに包括遺贈によって同じ目的が達せられるからです。
2 遺言も一種の意思表示ですから、意思能力のない者のなした遺言
は、たとえ形式を備えていても無効です。しかし、遺言が効力を生ず
るときは、遺言者は生存していない。
そこで、行為者自身を保護する趣旨である財産的法律行為における
制限能力者制度を、そのまま厳格に遺言に適用する必要がなく、かえ
ってこれを緩和して本人の最終意思を尊重するのが妥当である。
それゆえ、
(1)未成年者であっても、15歳に達していれば単独で有効に遺言をす
ことができる。
(2)成年被後見人は、事理を弁識する能力を一時回復した時に、医師
2人以上の立会いをもってすれば、有効に遺言をすることができま
す。
(3)被保佐人、被補助人は、単独で有効に遺言をすることができます。
07年12月17日
相続人の不存在2
1 相続人の不存在が確定し、相続債権者や受遺者に対する清算手続
が終了したときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者
や被相続人の療養看護に努めた者などの特別の縁故者の請求によっ
て、これらの者に、清算後残存する相続財産の全部又は一部を与える
ことができます。
これは、相続人の捜索の広告期間満了後3箇月以内に請求しなけれ
ばなりません。
2 共有者の一人が、その持分を放棄したり、死亡して相続人がいないと
きは、その持分は他の共有者に帰属するのが原則なのですが、特別縁
故者に対する相続財産の分与が優先し、特別縁故者に対する財産分与
がされないときに、他の共有者に帰属します(判例)。
3 そして、特別縁故者に対して処分されなかった相続財産は、国庫に帰属
します。
が終了したときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者
や被相続人の療養看護に努めた者などの特別の縁故者の請求によっ
て、これらの者に、清算後残存する相続財産の全部又は一部を与える
ことができます。
これは、相続人の捜索の広告期間満了後3箇月以内に請求しなけれ
ばなりません。
2 共有者の一人が、その持分を放棄したり、死亡して相続人がいないと
きは、その持分は他の共有者に帰属するのが原則なのですが、特別縁
故者に対する相続財産の分与が優先し、特別縁故者に対する財産分与
がされないときに、他の共有者に帰属します(判例)。
3 そして、特別縁故者に対して処分されなかった相続財産は、国庫に帰属
します。
07年12月14日
相続人の不存在
1 相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人
(相続財産法人)となります。
これは、相続人すなわち相続財産の帰属主体がいるかいないか
分からないのであるから、管理人が誰の代理人として管理行為を行
うか説明できないため、相続財産それ自体が主体となるという擬制を
用いたものです。
そのため、相続人のあることが明らかになったときは、その法人は
成立しなかったものとみなされます。
2 この場合、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、
相続財産の管理人を選任します。
この相続財産管理人の代理権は、相続人が相続の承認をした時に
消滅します。
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(相続財産法人)となります。
これは、相続人すなわち相続財産の帰属主体がいるかいないか
分からないのであるから、管理人が誰の代理人として管理行為を行
うか説明できないため、相続財産それ自体が主体となるという擬制を
用いたものです。
そのため、相続人のあることが明らかになったときは、その法人は
成立しなかったものとみなされます。
2 この場合、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、
相続財産の管理人を選任します。
この相続財産管理人の代理権は、相続人が相続の承認をした時に
消滅します。