製薬会社「日研化学」(現興和創薬)の静岡営業所に勤務していた男性(35)が



自殺したのは、上司の暴言などパワーハラスメントが原因だとして、男性の妻が



労災を認めなかった静岡労働基準監督署の処分取消を求めた訴訟で、東京地裁は



15日、全国で初めてその主張を認め、国に処分の取消を命じた。



 男性は、50代の係長に「存在が目障り」、「給料泥棒」、「背中一面にフケがベターっと



付いている。病気と違うか」などのパワハラを受けたという。



 判決は、「男性の人格、キャリアを否定する内容で過度に厳しい」と指摘した上で、「男性



の心理的負荷は、通常の上司とのトラブルから想定されるものよりも重い」と判断し、「男性



は仕事のためにうつ病になり自殺した」と因果関係を認めた。



 まだ上訴審があるので、確定したわけではないが、画期的な判決だと思う。



 会社の上司は、社員を成長させるために存在するのであるから、そこのところを履き違え



ないで欲しい。

07年10月16日 | Category: 判例
Posted by: marutahoumuj
 広島市の暴走族追放条例 集会禁止は合憲

 9月19日  産経新聞


 ■最高裁判決、2裁判官が違憲意見

 広島市内の広場で特攻服姿で集会を開き、同市からの退去命令に従わなかったとして、同市暴走族追放条例違反の罪に問われた長田竜介被告(27)の上告審判決が18日、最高裁第3小法廷であり、堀籠幸男裁判長は上告を棄却した。1、2審の懲役4月、執行猶予3年の判決が確定する。

 争点は、「すべての人は許可なしに公共の場所で恐怖を与えるような集会をしてはならない」と規定した条例が、集会の自由を保障している憲法に違反するか−だった。

 堀籠裁判長は「文言通りに適用されると、規制対象が広範囲になり憲法との関係で問題がある」と、条例の不備を指摘。その一方で「条例全体から読み取れる趣旨からすれば,規制対象は暴走族もしくは暴走族と同一視できる集団に限られる」などとして、条例は憲法に違反しないと結論付けた。

 判決には、5人の裁判官のうち2人が違憲の意見を付けた。藤田宙靖裁判官は「条例の文言から多数意見のような解釈を導くことは無理がある」とした上で、「条例を違憲無効と判断して改正を強いる事案」と述べた。

 田原睦夫裁判官も「条例を多数意見のように解釈することは困難で、憲法に反すると言わざるを得ない」とした。

 条例は、徒歩の暴走族メンバーが、特攻服を着て広島市内の公園に集まり大声を出すなどの迷惑行為を繰り返したため、これを取り締まる目的で平成14年に制定された。集会を禁止した条例は全国で唯一とみられる。

                   ◇

【用語解説】広島市暴走族追放条例

 暴走族の行動を規制するために広島市が制定した条例。平成11年、同市の胡子大祭(えびすたいさい)で暴走族の少年らが「引退式」と称して集まり、機動隊と衝突、76人が逮捕された事件などを受け、14年4月に施行された。公共の場所で許可なく「特異な服装をし、顔面を覆い隠し、円陣を組むなどして」周囲に恐怖を与えるような集会を開くことを禁じ、市長の中止命令に従わない場合、6月以下の懲役か10万円以下の罰金を科す。広島弁護士会は「禁止される集会の範囲が不明確で、集会の自由を不当に制限する恐れがある」と批判した。


* 集会の自由は、表現の自由の一態様であり、事前抑制は萎縮効果が大きいため、規制する時には規制対象の明確性が求められる。
 規制対象が不明確の場合、文面上無効の違憲判決が下されなければならない。
 ただ、形式的に解釈すれば不明確の場合でも、合憲となるように文言を限定的に解釈する手法がある。
 2裁判官と広島弁護士会は前者を採り、3裁判官は後者を採ったものと思われる。
 
07年09月19日 | Category: 判例
Posted by: marutahoumuj
 6日、欠陥住宅の購入者が、直接契約関係のない設計・施工者に対してどの程度まで賠償責任を問えるかが争われた訴訟の上告審判決があった。

 マンション購入者は、設計・施工者とは直接の契約関係にないため、建築工事や売買契約に伴う瑕疵担保責任を問うことができない。そのため、民法709条の不法行為責任を問うていたのである。

 欠陥住宅の売主は、買主に対し賠償責任を負うが、施工者の賠償責任は、「重大な欠陥がある場合」にだけ認める裁判例が多かった。

 実際、2審も、「欠陥の程度・内容が重大で、社会的に危険な建物など違法性が強い場合」にのみ不法行為になるとして、原告が主張したバルコニーの手すりのぐらつきや壁のひび割れなどは該当しないとしていた。

 これに対して、最高裁第2小法廷は、「利用者や隣人、通行人の生命・身体・財産を危険にさらすことがない状態を、建物としての基本的な安全性と定義した上で、建物に携わる設計・施工者にはこの安全性を欠かさぬように配慮すべき注意義務があり、この注意義務を怠り、居住者の生命・身体が侵害された場合は、欠陥の存在を知って買い受けたなどの特段の事情がない限り、不法行為による損害賠償責任を負う」と判示した。

 すなわち、基礎や構造に関わるような重大な欠陥でなくても、転落事故につながるバルコニーの手すりの欠陥のように、「建物としての基本的な安全性を損なう欠陥がある場合」には、設計・施工者も購入者に対して不法行為による損害賠償責任を負うとしたのです。

 売主が財政破綻をきたしている場合などには、購入者の保護につながっていくでしょう。

07年07月07日 | Category: 判例
Posted by: marutahoumuj
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