人間というのは、外観に左右されてはいけない、中身の方が重要だと分かっていても、行動に移せないことがある。

 虫が付いて穴だらけのキャベツと穴一つないキャベツとでは、誰もが穴一つないキャベツを買うだろう。

 前者は無農薬で、後者は農薬を使用したとしよう。

 虫は、農薬を使用すると死んでしまうか、自分には食べられないと判断して寄り付かなくなる。

 だから、キレイな野菜ができる。

 一方、無農薬野菜は虫の食べ放題。

 小さな虫が食べても大丈夫なのだから、人間が食べても大丈夫。

 このことは、頭の中では分かっている。

 人は、人間には影響を与えない程度の農薬しか使用していないと信じて、外観がキレイな方の野菜を買ってしまう。

 これは丁度、男性が、外観の見てくれが良い女性をつい好きになってしまう傾向があることと同じようにも思われる。

 何も、美人は精神が悪いといっているのではないので、お間違いのなきよう。

 外観と中身は別だと分かっていても、外観の方に左右されるのが人間の本性だと思う。