相続・事業承継ブログ

被保険者がＡさん、契約者＆受取人を配偶者にして、毎年保険料を配偶者に贈与する場合。

Ａさんは確定申告でこの保険料を生命保険料控除の対象とできるのですか？

まみや様
ご質問ありがとうございます。
まみや様は今年６月受験されるのですか？

保険料の贈与は、毎年、生命保険料相当額の現金を贈与し、それを保険料に充当し、生命保険を契約します。
保険料の支払資金は、父親等から贈与を受けた現金を充てていた旨の事実関係を示す根拠が必要となります。
そのためには、?毎年の贈与契約書　?過去の贈与税申告書　?所得税の確定申告書における生命保険料控除の状況　?その他の贈与の事実が認定できるものを用意しておく必要があります。
よって贈与契約書は毎年作成し、贈与者、受贈者が保管します。

ご質問の趣旨は「契約者＆受取人を「長男の子」でなく、「配偶者」にすればＡさんは生命保険料控除ができるか」とのことですね。
生命保険料控除は「保険金などの受取人を自分か又はその配偶者、その他の親族とする」契約であれば適用になります。
従いまして「長男の子」でも「配偶者」でも控除できます。

しかし、「問題１」のケースでは、贈与契約した段階で当該保険契約にかかる保険料のすべての贈与があったものとみなされてしまいます。
毎年１１１万円贈与しますが、これは毎年の贈与ではなく、最初の贈与契約の分割払いとみなされるのです。
仮にその額が２２２０万円としますと、１１０万円基礎控除して２１１０万円がその年の贈与税の課税価格となります。（他の贈与が一切なかった場合）
すると８３０万円の贈与税を支払うことになります。

これが毎年１１１万円の贈与となりますと
１１1万円から１１０万円の基礎控除をして１万円。
これに対する税額は千円になります。
これを２０年間繰り返しますと２万円です。
830万円と大きな違いとなります。
（非常にアバウトな計算ですが）

すなわち「１」のケースでは保険料贈与の効果が発揮できないことになります。

ご回答ありがとうございます。

『４、保険料の贈与となるが、Ａさんは確定申告でこの保険料を生命保険料控除の対象としない。』

『従いまして「長男の子」でも「配偶者」でも控除できます。』

この二つが矛盾している気がするのですが。

Ａさんの確定申告で「長男の子」でも「配偶者」でも控除できるが、控除した場合は長男の子にお金を贈与をして長男の子が保険料を支払ったのではなく、Ａさん自身が保険料を払ったことになってしまうので控除するべきではないという意味ですか？
「長男の子」に保険料を贈与した場合は、Ａさんの確定申告で控除の対象としない。ということであれば「配偶者」に保険料を贈与した場合も生命保険料の控除の対象にしないということになりますか？

それとも「長男の子」とは違って「配偶者」の場合は、Ａさんが配偶者に贈与したお金で配偶者が保険料を払ってもＡさんの確定申告で控除しても良いのですか？

宜しくお願いします。

この問題は「税金逃れの形式だけの贈与」でなく「実質的な贈与」であることを課税当局に認めさすにはどのような条件を整えれば良いか、を問うています。

「配偶者」であれ「長男の子」であれ、契約者は「配偶者」とか「長男の子」になっていますが、それをＡさんの確定申告で保険料控除の対象としてしまえば、「保険料は実質Ａさんが負担している。」と告白するようなものです。
すなわち「形式だけの贈与」ということになり「贈与の事実」は否認されることになります。

そうなれば、実質の保険料負担者はＡさんですから、「配偶者」であれ「長男の子」であれ
Ａさんの確定申告で保険料控除が認められることになります。

その意味で「「長男の子」でも「配偶者」でも控除できます。」と書きました。
「控除できます」けど、その場合「贈与の事実は否認されます」ということですね。
でも今読み返してみますと、大いに誤解を招く書き方ですね。
というか、この問題の趣旨からすると、明らかに間違った回答をしたことになります。
申し訳ございませんでした。

丁寧でわかりやすいご回答ありがとうございます。

では被保険者がＡさん、契約者&受取人が「配偶者」の場合で、Ａさんから「配偶者」への「実質的な贈与」を課税当局に認めさせるためには、、Ａさんの確定申告で保険料控除をしない。ということですね。
こちらも言葉が足らずに誤解を生じさせてしまったようですみませんでした。

まみや様のおっしゃるとおりです。

今後ともよろしくお願いします。

加えて、個人年金保険料についての質問です。

契約者＆被保険者＆受取人が配偶者の場合で、Ａさんの確定申告で個人年金保険料を控除できるけれども、Ａさんから「配偶者」への「実質的な贈与」を課税当局に認めさせるためには、、Ａさんの確定申告で個人年金保険料控除をするべきではないってことですよね？
よろしくお願いします。

はい、個人年金の場合も同じと思います。