ねんきん特別便について、再配送と窓口対応の仕方が見直された。

まず、「なりすまし」。やっと思い出して統合手続きに行ったら、その記録は他人の記録へ統合済みとなっていた、という危険から、ハードルを高く設置していたものだが、そのために予想を大きく下回る統合件数で対応の見直しというもの。

従前から「記録探し」は行なわれていて、社会保険労務士のやりがいある仕事のひとつであったが、もはや国をあげての大問題となった。
もともと年金手帳の記録簿をつけていればよいが、今ほど国民は年金に関心がなかった。厚生年金にしても就職手続きのひとつという認識であったわけである。その国民が二年前に、長妻議員によって「社会化」したものである。なお、国民の「社会化」は、企業環境が大きく変わったために相乗効果的に生じた。つまり、少し前までの国民は「会社化」することはあっても「社会化」することはなかった。
労働トラブルをみると、最近では国の制度を積極的に解決手段として普通に考えられるようになってきた。少し前の社内解決(我慢、痛み分け、懐柔等)は効果は弱まる一方。理由は同様で、あとは経営の「社会化」が課題である。

さて、三月までに発送された年金特別便の方は、(この浮いた記録はあなたのものではないか)という感触のある方なので、同封の記録照会票にできるだけ思い出されることをお書きください。ただ平成九年の基礎年金番号通知書のように、考えればものすごく重要な通知なのだがそういう認識が不足していることも大いに考えられ、そのときは直接社会保険事務所に行って探す(普通のやりかた)といい。
また、前に述べたが、統合されると年金が減る方も少ないと思われるがいるということを念の為申し添えておく。これから先の流れとしては、国民に対して年金の期間と標準報酬について随時お知らせするものとなるのではないかと思われる。直接国民に対して消費する国家予算は跳ね上がるが、年金(社会保障)不信は政権が成立たなくなっていることから、少し以前と違う日本の姿に変わる。