09年07月31日

蟻道

次世代省エネルギー基準として外張り断熱工法が注目されています
が、外張り断熱の基礎部分の断熱の方法は断熱材を基礎の外側に貼
るか内側に貼るのか2種類の方法が有ります。

20090731_01.jpg
室内側に貼った断熱材

20090731_02.jpg
ある時偶然に出会った基礎工事で外側に断熱材が貼ってあったので
これで大丈夫かなぁ・・・。と思って撮った写真。

私の事務所では断熱材を外側に張ると基礎と断熱材の間がシロアリ
の通る道の「蟻道」を作る可能性が有るとの考えから内側に貼るよ
うにしていますが、建て主の反応はそれ程実感が伴っていないのが
現実です。
そんな折外側に断熱材を貼った基礎の現在の様子が書かれている
ブログが有りました。

西村一朗の地域居住談義
分析住宅から総合住宅、不可視住宅から可視住宅へ


このようなブログの記事はこれから外張り断熱を考えている建て主
にとっては貴重な話なので、参考にして頂きたいと思ったので、
此処に紹介して置きます。
09年07月31日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年07月30日

耐震等級

住宅の地震に対する安全を考えた時に「耐震等級」という言葉の等
級レベルを聞いて、自分の家は耐震等級3だから安全だと思い、そ
の内容を聞いた事が有りますか?

耐震等級は「住宅の品質確保の促進に関する法律」法律に定められ
た住宅の性能表示の中の1つです。性能表示については私の過去の
記事の「性能保証と性能表示」を読んでいただければ判ります。

その中の耐震等級ですが耐震等級にも2種類有ります。1つは倒壊
等の防止でもう1つは損傷防止です。どちらも等級は1から3まで
あり等級3が最上位です。ではその中の耐震等級1とはどのような
レベルかと言うと法律文では「極めて稀に発生する地震」となって
いて判りづらいので解説文を引用すると数百年に一度発生する地震
(東京では震度6強から震度7程度)と書かれています。法律の内容
はもっと細かいですが、あまり専門的なので、ここでは省略します
が、それでは等級2はと言うと等級1の1.25倍、等級3は等級1
の1.5倍と言う内容です。

しかし、ここで気を付け無ければならないのは耐力壁の内容です。
等級1は建築基準法の内容の耐力壁ですが、等級2、3は窓の上の
壁や窓の下の腰壁の準耐力壁と呼ばれる壁もカウントしてよいので
純粋に耐力壁が増えていると思わない方が良いです。

大事な事は自分の家の内容を良く知っておく事だと言えます。


09年07月30日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年07月29日

包摂性

20090729_01.jpg
「日本の難点」(著者:宮台真司 
幻冬舎新書)を読んで、建築基準
法の緩和の事とか、この本に良く
出てくる言葉の「包摂」について
なるほどねぇ、とか、そうだよ
ねぇ、と思うところが有ります。



普段の業務で建築の建替え時に近隣への挨拶に同行する時とか、
建築計画を近隣説明に伺う時とかに感じていた対立心が年を追う毎
に増している気がしていたので、この本に同調できる部分が有った
のだと自己分析していますが、その宮台氏のブログMIYADAI.com Blog
http://www.miyadai.com/を訪問すると「やっぱりオバマ大統領は
ただものではなかった!!」と言う記事が有り。

あの白人警官が黒人の大学教授を自宅前で逮捕して、オバマ大統領
が非難し、物議をかもし出した事の日本では報道されていない内容
を紹介している他のブログ記事を紹介していました。

犬も歩けば 渋谷にあたる http://blog.sakanoue.com/
オバマの問題解決能力 http://blog.sakanoue.com/archives/51300426.html
オバマの問題解決能力 追記 http://blog.sakanoue.com/archives/51300658.html

内容はブログに訪問して確認していただければ良いですが、私が
思ったのは、日本は何時の間にかアメリカのような訴訟社会になった
ような気がして自分の権利の主張が目立ち包摂と言う事を忘れて
しまったように思うのです。
アメリカも大統領が変りこのような変化が見られるのだから、日本
に元々ある包摂性を持った世代が生きている現在だから、出来る事
が有るような気がしたのでした。
09年07月29日 | Category: 雑感
Posted by: shimasekkei
09年07月28日

機械換気の誤解

エアコンなどを使用しないで自然の風で室内を快適にするという考
えの時に、誤解されてるな?と感ずる事が有ります。

それは、現在建築基準法で義務付けられている科学物質発散のため
の換気をはからなければならない事の話をする時に、計画換気を行
う為の換気扇を設置しその換気扇は24時間使わなければならない
と話すと、自分が望む家は自然素材を使うので科学物質が出ないし
自然の風を入れて過ごすのでその必要は無いと言われる事です。

この法律で計画換気をする為の換気扇を取り付けなくて良い条件は
C値が15cm2/m2なのですが、現在造られる木造軸組み工法の平均
のC値は5.5cm2/m2と言う調査結果(国土技術政策総合研究所)が出
ています。なので換気扇を取り付けないためにはもっと隙間を開け
て施行する必要が有るのでこれは少し無理な方法でも有ります。

余談ですが「気密住宅」と呼ばれるのはC値が5.0cm2/m2ですから
普通に施行した場合でも気密住宅に近い数字が平均値として出てい
る訳で現在の住宅は結構気密性が高い住宅になっています。

そんな訳で機械換気を行わなくて良い住宅を造るのは、相当下手な
職人を使わなければ出来ない事になってしまいそうです。勿論大き
な穴を開ければ別ですがこの穴は塞いではいけませんから冬は寒い
思いをしないといけなくなります。

何も機械換気は自然換気が否定されている事では無いので、窓を開
けたい時に外気を入れて自然の風を楽しむ生活を送れば良いのです
が、機械換気が有ると窓を閉め切っていなければならないと思われ
ているようです。
09年07月28日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年07月27日

木造7階建?

20090727_01.jpg

7/23のWIRED VISION日本版に”日本にある「世界最大の耐震実験施設」
で、木造7階建の試験(動画)”と言うタイトルの記事が有り、何、
木造7階建て!?と興味が湧いたので覗いてみました。

記事の内容は以前私がE-ディフェンス
の事を書きましたが、その実験装置を使用して全米科学財団(NSF)
と米Simpson Strong-Tie社との共同プロジェクトの実験だと言う事
でした。日本では現在木造の4階建て(2x4住宅)までは認められ
ていますが、それ以上は未だ認められていません。それにしても
アメリカは7階建てですか。

その記事の内容で少し気になったのが「ソフトストーリー」と言う
言葉、この意味はある階の剛性が他の階より低い時にその階が崩壊
すると言うもの。1階が柱だけで駐車場などのピロティ形式が良い
例です。その記事を読んで、E−ディフェンスのプレスリリースを
読むと1階が鉄骨造で駐車場を想定とあり、あれこのソフトストーリー
の事を実験するの?と思わせるような記事。

しかし実験概要を読むとその鉄骨部分は同じ駐車場でも地下の駐車
場を想定とあり、木造の部分では6階建て、記事もよく読みこまな
いととんだ勘違いをしてしまう事になるのでした。


09年07月27日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
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