09年02月19日
消え行く建築3
昨日に続いて消え行く建築。東京の丸の内はそれ程遠くない所にこ
の中銀カプセルタワーは有り、新橋駅とは目と鼻の先です。設計は
黒川紀章で自身のメタボリズムの理論通りの建築です。
この建物は現在では外観も汚れが目立ち、窓には新聞紙が貼られて
いる部屋や、明らかに倉庫として使用している部屋などが目に付き
ます。そしてユニットの下部は剥がれ落ちて漏水している所も有る
など老朽化が目立ちますが、本来のこの理論通りであれば、カプセ
ルユニットを交換する事により新陳代謝を図り、最適な状態が保た
れる筈なのですが、所有者にはこの理論は受け入れられなかったよ
うで(或いは、実質的な経済論理が作用したのかも知れませんが)
建物の建替えが決定したと言う事です。
そんな訳で建物が有る内に写真に納めて置こうと言う訳です。
の中銀カプセルタワーは有り、新橋駅とは目と鼻の先です。設計は
黒川紀章で自身のメタボリズムの理論通りの建築です。
この建物は現在では外観も汚れが目立ち、窓には新聞紙が貼られて
いる部屋や、明らかに倉庫として使用している部屋などが目に付き
ます。そしてユニットの下部は剥がれ落ちて漏水している所も有る
など老朽化が目立ちますが、本来のこの理論通りであれば、カプセ
ルユニットを交換する事により新陳代謝を図り、最適な状態が保た
れる筈なのですが、所有者にはこの理論は受け入れられなかったよ
うで(或いは、実質的な経済論理が作用したのかも知れませんが)
建物の建替えが決定したと言う事です。
そんな訳で建物が有る内に写真に納めて置こうと言う訳です。
09年02月18日
消え行く建築2
先日、そう言えば消え行く建築で丸の内にある東京中央郵便局はど
うなっているのだろうと思い、見に行きました。
すでに仮囲いがされて解体が始まっていたのですが、保存されると
言うか、今度の計画でも使われるファサードは囲われていなくて、
未だその姿を見る事が出来ました。
裏手に廻るともう解体が始まっている様子
この建物は当時の逓信省経理局営繕課の吉田鉄郎の設計と言われて
いますが、『日本建築家山脈』(村松貞次郎著 鹿島出版会 1965年
(復刻版)2005年)によれば吉田鉄郎の上席者 武富英一がこの
東京中央郵便局のために渡欧してウィーンのセセッションの作品を
見学してエスキースをし、それを図面化したのが山口文象だそうで
す。
その時のデザインはプロポーションはウィーン・セセッション、軒
にはオーナメントが付いていたと言うことで、村松貞次郎は
オットー・ワーグナー設計のウィーン郵便貯金局と何処となく共通
するものがあると書いています。
その後関東大震災で工事が一時中止になり、武富は忙しくなり、更
に大正14年に大倉土木(現在の大成建設)に行ってしまった。
東京中央郵便局は基礎工事のだけで放置された状態だったのを吉田
鉄郎が後始末をして完成させたと言う事で、デザインではオーナメ
ントは無くして、そのプロポーションは生かしたのが完成への流れ
だそうです。
そんな事が有りながら完成されたこの建物ですが、今度は皮を残し
て身を削がれる事になり。今後この街にどのような空気を作り出す
のでしょうか。
「東京中央郵便局の再整備計画について」このレポートに完成後の
姿を見ることが出来ます。
http://www.japanpost.jp/pressrelease/2008/document/1001_00_05_2008062504.pdf
ウィーン郵便貯金局の動画
うなっているのだろうと思い、見に行きました。
すでに仮囲いがされて解体が始まっていたのですが、保存されると
言うか、今度の計画でも使われるファサードは囲われていなくて、
未だその姿を見る事が出来ました。
裏手に廻るともう解体が始まっている様子
この建物は当時の逓信省経理局営繕課の吉田鉄郎の設計と言われて
いますが、『日本建築家山脈』(村松貞次郎著 鹿島出版会 1965年
(復刻版)2005年)によれば吉田鉄郎の上席者 武富英一がこの
東京中央郵便局のために渡欧してウィーンのセセッションの作品を
見学してエスキースをし、それを図面化したのが山口文象だそうで
す。
その時のデザインはプロポーションはウィーン・セセッション、軒
にはオーナメントが付いていたと言うことで、村松貞次郎は
オットー・ワーグナー設計のウィーン郵便貯金局と何処となく共通
するものがあると書いています。
その後関東大震災で工事が一時中止になり、武富は忙しくなり、更
に大正14年に大倉土木(現在の大成建設)に行ってしまった。
東京中央郵便局は基礎工事のだけで放置された状態だったのを吉田
鉄郎が後始末をして完成させたと言う事で、デザインではオーナメ
ントは無くして、そのプロポーションは生かしたのが完成への流れ
だそうです。
そんな事が有りながら完成されたこの建物ですが、今度は皮を残し
て身を削がれる事になり。今後この街にどのような空気を作り出す
のでしょうか。
「東京中央郵便局の再整備計画について」このレポートに完成後の
姿を見ることが出来ます。
http://www.japanpost.jp/pressrelease/2008/document/1001_00_05_2008062504.pdf
ウィーン郵便貯金局の動画
09年02月17日
女性の職場
2018年度までに女性社員を全体の1割に、フジタが数値目標を設定
と言う記事を見て思い出した事が有りました。
世田谷の二子玉川に住宅展示場が有る時の1986年に2X4住宅
普及のためデモンストレーションとして木造3階建てのアメリカ規
格の2X4住宅「サミットハウス」と言う建物が建てられたのです
が、その時に聞いた話で、アメリカでは建設現場には必ず女性が
1割居なくてはいけない規則があると言う事でした。
確かにその現場には女性のフレーマー(2X4住宅で壁や床を作る
大工の事をフレーマーと言います。)が何人か居て男性と同じよう
に材料を運びながら(22ミリ4x8の石膏ボードを3枚持ってい
た。)作業をしていたのです。
その当時から女性の仕事を保証していた国と今でも未だ職場の確保
が出来ていない国との考え方の違いを感じます。
と言う記事を見て思い出した事が有りました。
世田谷の二子玉川に住宅展示場が有る時の1986年に2X4住宅
普及のためデモンストレーションとして木造3階建てのアメリカ規
格の2X4住宅「サミットハウス」と言う建物が建てられたのです
が、その時に聞いた話で、アメリカでは建設現場には必ず女性が
1割居なくてはいけない規則があると言う事でした。
確かにその現場には女性のフレーマー(2X4住宅で壁や床を作る
大工の事をフレーマーと言います。)が何人か居て男性と同じよう
に材料を運びながら(22ミリ4x8の石膏ボードを3枚持ってい
た。)作業をしていたのです。
その当時から女性の仕事を保証していた国と今でも未だ職場の確保
が出来ていない国との考え方の違いを感じます。
09年02月16日
基礎工事
先週から今週に懸けて「開感な家」の基礎工事が行われたので、
その検査で慌しい日々が続いていて中々このブログに書き込みが出
来ませんでした。
基礎工事の場合、配筋が行われてから検査を行い、手直しが有れば
直ぐに是正をさせ、再検査をして合格となると、続いて生コンの打
設と成りますが、その生コンの検査をすると、一応監理の仕事とし
は終了に成るのですが、現場が気になる為にどうしても最後まで
見届ける事が多いです。
そんな基礎の施工ですが、今回の基礎屋さんも前回の「世田谷
KSM」と同じ基礎屋さんだったので少し安心。
この基礎屋さん既製品の鉄筋を使うのが嫌いだそうで、全部現場で
鉄筋の加工組立を行う、最近では珍しくなってきた基礎屋さんです。
話を聞くと現場で鉄筋を結束するのが楽しい、とか。このような職
人さんに出会うと嬉しく成って、思わずハグしたくなってしまいま
すが、実際にはやりません。
そして、型枠が鋼製型枠なので仕上がりも綺麗に出来るので、安心
して見ていられるのでした。
その検査で慌しい日々が続いていて中々このブログに書き込みが出
来ませんでした。
基礎工事の場合、配筋が行われてから検査を行い、手直しが有れば
直ぐに是正をさせ、再検査をして合格となると、続いて生コンの打
設と成りますが、その生コンの検査をすると、一応監理の仕事とし
は終了に成るのですが、現場が気になる為にどうしても最後まで
見届ける事が多いです。
そんな基礎の施工ですが、今回の基礎屋さんも前回の「世田谷
KSM」と同じ基礎屋さんだったので少し安心。
この基礎屋さん既製品の鉄筋を使うのが嫌いだそうで、全部現場で
鉄筋の加工組立を行う、最近では珍しくなってきた基礎屋さんです。
話を聞くと現場で鉄筋を結束するのが楽しい、とか。このような職
人さんに出会うと嬉しく成って、思わずハグしたくなってしまいま
すが、実際にはやりません。
そして、型枠が鋼製型枠なので仕上がりも綺麗に出来るので、安心
して見ていられるのでした。
09年02月13日
ドミニク・ペロー
昨日の夜は”21世紀における建築と都市計画」 ドミニク・ペロー
と大野秀敏の対話”を聴きに飯田橋まで行って来ました。
最初にドミニク・ペロー氏の『Les onze mots de l'architecte
(建築家の11の言葉)』という短編映画が上映され、次に
大野秀敏氏が対話のテーマ作りとして、今後の都市のあり方
としてFibercityと言う事を掲げ、その概念の話を進め。
その次にドミニク・ペロー氏が自分のプロジェクトを紹介した後に
対話が始まったのですが、どうも対話になっていない。
大野氏の質問に対してのペロー氏の答えが何かずれているように感
じてしまうのです。此処でその詳細に付いて話は出来ませんが、印
象としては、ペロー氏は対話をすると言うよりは自分のプロジェク
トの設計コンセプトを話す事に集中していたような感じでした。
そんな噛合わなかった対話の印象でしたが生で話を聞けた事は貴重
で有意義な時間が過ごせたと言う事です。
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と大野秀敏の対話”を聴きに飯田橋まで行って来ました。
最初にドミニク・ペロー氏の『Les onze mots de l'architecte
(建築家の11の言葉)』という短編映画が上映され、次に
大野秀敏氏が対話のテーマ作りとして、今後の都市のあり方
としてFibercityと言う事を掲げ、その概念の話を進め。
その次にドミニク・ペロー氏が自分のプロジェクトを紹介した後に
対話が始まったのですが、どうも対話になっていない。
大野氏の質問に対してのペロー氏の答えが何かずれているように感
じてしまうのです。此処でその詳細に付いて話は出来ませんが、印
象としては、ペロー氏は対話をすると言うよりは自分のプロジェク
トの設計コンセプトを話す事に集中していたような感じでした。
そんな噛合わなかった対話の印象でしたが生で話を聞けた事は貴重
で有意義な時間が過ごせたと言う事です。