棚卸資産とは、どのようなものをいうか?会計上棚卸資産の定義を明確に規定した法令等はありません。一般的には、「棚卸をすべきもの」を棚卸資産として取り扱うこととされています。

1 棚卸資産の会計上の定義
一般的な棚卸資産の定義は、下記の通りです。
(1)棚卸資産とは、棚卸によってその有り高が確定される費用性資産である。
(2)棚卸には、販売目的で所有・費消されるものと、販売活動および一般管理活動において所有・費消されるものがある。

2 棚卸資産の税務上の定義
税務上、棚卸資産の定義は、法人税法2条20号及び法人税法施行令10条に規定されています。

◇ 法人税法(定義)
第2条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当核各号に定めると
 ころによる。
   二十  棚卸資産 商品、製品、半製品、仕掛品、原材料その他の資産(有価証券を除く。)で棚卸をすべきものとして政令で定めるものをいう。

◇ 法人税法施行令(棚卸資産の範囲)
  第10条 法第2条第20号(棚卸資産の意義)に規定する政令で定める資産は、次に掲げる資産とする。
   一   商品又は製品(副産物及び作業くずを含む。)
   二   半製品
   三   仕掛品(半成工事を含む。)
   四   主要原材料
   五   補助原材料
   六   消耗品で貯蔵品のもの
   七   全各号に掲げる資産に準ずるもの

3 実地棚卸の定義
  「棚卸」の意義は、会計上も税務上も明文化されていまんせが、一般的には、「手持ち
の商品、製品および原材料などの数量を実際に現物にあたって調べること」とされています。

棚卸資産は税務調査において、売上勘定、仕入勘定とともに最も重要な調査科目の1つです。それは、棚卸資産はその額が多額になる場合が多く、その多寡により、課税所得が大きく影響を受けるからです。また、利益調整の手段として利用されることが高いということもあるからです。決して安易に考えず、定義にそって棚卸を行う事をお勧めいたします。

【参考】Q&A棚卸資産の管理・評価の実務

文責 ワンストップソリューション部


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