経営分析と財務分析は同じものではありません。財務分析は会社が持っている「カネ」を分析するのに対して、経営分析では「ヒト・モノ・カネ」の全てを分析します。また、財務分析は会社の現状を分析するだけなのに対して、経営分析では現状を分析した上でさらに経営改善をおこなうためになにをするべきかを考えなければなりません。
【経営分析の目的】
経営分析は、経営者が経営改善を行うために用いたり、金融機関や投資家がその企業の体力を診断するために用いる手段です。経営分析の代表的な目的は以下の通りです。
①経営者にとっての目的
経営者が経営分析を行う目的は、経営状態を分析し、発見した経営課題を解決して、自分の会社の業績を向上させることです。したがって、経営者にとっての経営分析は、単なる財務分析だけではありません。経営者は経営分析の中で、社内の業務の仕組みを調べたり、競合企業や市場環境の分析を行います。そして、分析の結果は対策と効果に結びつかなければなりません。
②金融機関にとっての目的
金融機関が融資を行う目的は、金を貸して利息を手に入れることです。したがって、金融機関が行う経営分析の最大の目的は、融資したお金が無事に帰ってくるまでその企業がつぶれないことを確認することです。
③個人投資家にとっての目的
投資家が企業に投資する目的は、買った企業の株価が上がって利ざやを稼ぐことです。(もちろん配当金を目的に買う投資家もいますが)。したがって、投資家が経営分析を行う最大の目的は、その企業が今後成長し、株価が上がることの確認です。
④投資ファンドにとっての目的
投資家から預ったお金で企業の株を売買して儲ける投資ファンドには、様々なタイプがあります。そのなかで、買収した企業を再生して株価を上げようとする「再生ファンド」にとって経営分析は、経営者と同じように「経営課題の解決による企業の業績向上。」です。

経営者は分析した結果を単なる分析だけで終わらせず、その分析結果を元に対策を行いその行った対策結果を会社の業績アップにつなげなければ意味がありません。この不況の時だからこそ自社の経営分析を行い、どのような対策を打ち乗り越えていくかを考えるべきではないでしょうか?

文責:経理サポート部

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