Archives

You are currently viewing archive for December 2007
07年12月31日

一年の最後の日

 平成19年の大晦日。



 今年は、大掃除も終わり、年賀状も投函済み。



 例年に比べ、ギリギリまでバタバタすることがないようだ。



 毎年、大晦日はやってくるといっても、平成19年の大晦日は



 今日のみだ。



 今年の反省をして、来年に繋げて行きたい。



 それでは、皆さん、良いお年をお迎え下さい。
07年12月31日 | Category: つぶやき
Posted by: marutahoumuj
07年12月28日

遺留分

1 遺留分は、被相続人が死亡して、相続が開始したときに、それまでたとえ

 被相続人が自分の財産を既に処分していたとしても、相続財産の最小限度

 だけは一定の近親者に確保しておくべきであるという要請により、一定範囲

 の相続人に留保された相続財産の一定割合をいう。



2 遺留分を有する相続人は、兄弟姉妹以外の相続人、すなわち、配偶者、

 子、直系尊属である。

 

  そして、遺留分の割合は、直系尊属のみが相続人であるときは、被相続

 人の財産の3分の1であり、その他の場合には、被相続人の財産の2分の1

 である。



3 遺留分規定に反する相続分の指定や包括遺贈の効力はどうなるか。

  これについては、遺留分を侵害する行為も、当然には無効とはならず、減

 殺請求(遺留分を保留するため、これを侵害する贈与や遺贈を否認すること)

 ができるだけであると解されています。

  したがって、遺留分規定に反する相続分の指定や包括遺贈も、一応効果は

 生じ、減殺請求がされたときは、遺留分を侵害する範囲でその効果が失われ

 ることになります。



4 贈与は、遺贈を減殺した後でなければ、減殺することができません。

  また、贈与の減殺は、後の贈与から順次前の贈与に対してします。

  そして、減殺を受けるべき受贈者が贈与の目的を他人に譲り渡したときは、

 遺留分権利者にその価額を弁償しなければなりません。

  受贈者・受遺者は、常に目的物を返還しなければならないのではなく、減殺

 を受けるべき限度において、贈与・遺贈の目的の価額を遺留分権利者に弁償

 して、返還の義務を免れることができます。



5 減殺請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与・遺贈が

 あったことを知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅します。

  相続開始のときから10年を経過したときも同様です。



6 相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに

 限り、その効力を生じます。相続の放棄は、相続開始後でなければ認められな

 いのと異なります。

  共同相続人の一人がした遺留分の放棄は、他の各共同相続人の遺留分に影

 響を及ぼしません。したがって、配偶者と子供2人が相続人であった場合におい

 て、子供の一人が遺留分を放棄したとき、配偶者の遺留分は4分の1、遺留分を

 放棄しなかった子供のそれは8分の1であり、4分の1になるのではありません。
07年12月28日 | Category: 相続関係
Posted by: marutahoumuj
07年12月27日

遺言の撤回

1 遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部

 を撤回することができます。

  ただ、撤回される遺言と撤回後の遺言は同一の方式であることを要しな

 いので、例えば、公正証書でされた遺言を自筆証書遺言をもって撤回す

 ることも可能です。



  また、前の遺言と後の遺言が抵触するときは、その抵触する部分につい

 ては、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます。遺言者の最終

 意思を実現するために撤回を擬制するわけです。



  さらに遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分につい

 ては、遺言を撤回したものとみなされます。



2 遺言が撤回されると、遺言は初めからなかったと同様の結果になる。



  では、撤回行為がさらに撤回され、またはそれが効力を失った場合には、

 先に撤回された遺言が復活するかが問題となります。



  この点、民法は、復活しないという主義を採用しています。通常の場合の

 遺言者の意思に適するであろうし、反対の効果を望む者には改めて遺言の

 作成を要求した方が、遺言者の真意を明確にするからです。



  ただし、第1の遺言を第2の遺言によって撤回した遺言者が、さらに第3の

 遺言によって第2の遺言を撤回した場合に、第3の遺言書の記載に照らし、

 遺言者の意思が第1の遺言の復活を希望することが明らかなときは、遺言

 者の真意を尊重して、第1の遺言の効力の復活を認める判例があることに

 注意を要します。



3 遺言者は、その遺言を撤回する権利を放棄することができません。遺言は

 遺言者の最終の意思を実現しようとするものであるから、遺言は自由に撤回

 できるものとしておかなければならないからです。



  したがって、仮に、推定相続人との間で遺言の撤回をしない旨を約束したと

 しても、それに拘束されることなく、遺言者は遺言を撤回することができます。

07年12月27日 | Category: 相続関係
Posted by: marutahoumuj
07年12月26日

遺言の執行

1 遺言書の保管者は、公正証書遺言以外については相続の開始を

 知った後、遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出して、「検認」を受け

 なければなりません。

  検認は、遺言書の形式その他の状態を調査確認し、その保存を

 確実にするための一種の形式的な検証手続ないし証拠保全手続

 であって、実質的な遺言内容の真否や効力の有無を判定するもの

 ではありません。したがって、検認を受けなければ遺言が効力を生

 じないということはなく、また逆に検認の手続を経た遺言書であって

 も、後にその効力の有無を裁判で争うことができます。



2 また封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその

 代理人の立会いがなければ、開封することができません。



3 検認を経ないで遺言を執行したり、家庭裁判所外で開封をした者

 は、5万円以下の過料に処せられます。



4 遺言者は、遺言で、遺言執行者を指定することができます。もっとも、

 未成年者と破産者は、遺言執行者となることができません。



 (1)遺言執行者は、民法では相続人の代理人とみなしているが、これで

   は相続人廃除のような遺言の執行を説明することができない。かといっ

   て 死亡により法人格を失っている遺言者の代理人であるとするのも形

   式的には困難である。論理的には、遺言者の人格の残影を代表するも

   のと見ざるを得ないと思われます。



 (2)遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の

   行為をする権利義務を有します。そのため、遺言執行者がある場合に

   は、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるような行為

   をすることができません。

    したがって、遺言執行者がある場合、相続人が相続財産につきした処

   分行為は、絶対無効となります。例えば、遺言執行者がある場合に、相

   続人が遺贈の目的不動産を第三者に譲渡し、またはこれに第三者のた

   めに抵当権を設定して登記をしたとしても、相続人の当該行為は無効で

   あり、受遺者は、遺贈による目的不動産の所有権取得を登記なくして、

   当該処分行為の相手方たる第三者に対抗することができます。
07年12月26日 | Category: 相続関係
Posted by: marutahoumuj
07年12月25日

遺言の効力

1 遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生じます。

  もっとも、遺言に停止条件を付した場合には、遺言者死亡後に条件が

 成就した時に生じます。



2 遺言による財産の無償譲与である遺贈には、特定遺贈と包括遺贈と

 がある。前者は、特定の具体的な財産的利益の遺贈であり、後者は、

 積極・消極の財産を包括する相続財産の全部またはその分数的割合

 による遺贈である。

  両者はその効力において全く異なるので、注意が必要です。



 (1)共通点は、自然人だけでなく、法人も受遺者(遺贈を受ける者とし

   て遺言中に指定されている者)になれるし、また遺言者の相続人も

   受遺者になれるところです。

    ただ、受遺者は遺言が効力を生じた時、つまり遺言者が死亡した時

   に生存していなければなりません。遺言者の死亡以前に受遺者が死

   亡した場合には、受遺者たる地位の承継は認められませんから、遺贈

   は効力を生じません。したがって、受遺者の相続人に承継させるために

   は、遺言中に特に受遺者の相続人に承継を認める旨を表示する必要が

   あります(補充遺贈)。



 (2)特定遺贈においては、受遺者は、遺言者の死亡後、いつでも遺贈の放

   棄をすることができます。しかし、包括遺贈では、包括受遺者は相続人と

   同一の権利義務を有するものとされるため、受遺者が自己のために遺贈

   のあったことを知った時から3箇月以内に限って放棄することができます。



    包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有するといっても、相続人に

   なるのではありません。したがって、遺留分を有しないし、前述のように受

   遺者が相続開始以前に死亡した場合には、代襲相続が認められる相続と

   異なり、原則として、遺贈が失効するのです。
07年12月25日 | Category: 相続関係
Posted by: marutahoumuj
07年12月21日

秘密証書遺言

1 自筆証書遺言と公正証書遺言の功罪は順次述べてきたが、その中間

 を行くものとして秘密証書遺言があります。すなわち、秘密証書遺言は、

 遺言書の存在は明確にしながら、その内容を秘密にし、その滅失・改変

 を防ぐことができます。



2 その方式は、以下のようになります。



 (1)遺言者が遺言書を作り、その証書に署名し、印を押すこと。

    自筆である必要はなく、パソコン等での作成もできます。



 (2)遺言者がその証書を封じ、証書に用いた印章でこれに封印をすること。



 (3)遺言者が公証人1人と証人2人以上の面前に封書を提出して、それが

   自分の遺言書である旨及びそれを書いた者の氏名と住所を述べること。



 (4)公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封書に記載し

   た後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。



 なお、上記の要件を充たさない秘密証書遺言は無効であるが、それが自筆

証書としての方式を備えていれば、自筆証書遺言としての効力を有します。
07年12月21日 | Category: 相続関係
Posted by: marutahoumuj
07年12月20日

公正証書遺言

1 自筆証書遺言の方式は簡単であるが、遺言書の紛失や第三者による

 変造の虞があるだけでなく、自書できない場合には利用できない。

  その場合には、公正証書によることができる。



2 遺言者が他人の強制・誘導を避け自由に遺言できるようにするとともに、

 遺言の存在・内容を明確にさせておくため、公正証書遺言には以下のよう

 な煩雑な手続が要求されている。



 (1)証人2人以上の立会いがあること。

   未成年者や推定相続人などは証人の欠格事由とされています。



 (2)遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。

   口授しないで文書そのものを渡すのはいけないと解されています。



 (3)公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者・証人に読み聞かせ

   ること。



 (4)遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、

   印を押すこと。



 (5)最後に、公証人が、その証書は上述した方式に従って作ったものである

   旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。



3 公正証書は、一般に公証人役場で作成しなければなりませんが、遺言書作

 成の場合にはこの制約を受けません。したがって、公証人を自宅や病院に呼

 んで作ることもできます。

  公正証書遺言は、方式が厳格で費用もかかりますが、紛失や改竄の虞があ

 りません。

  また、証人が立ち会うため、遺言の内容が他者に漏れることを心配される人も

 いますが、守秘義務を有する行政書士や弁護士などに証人になってもらえば、

 心配は要りません。

07年12月20日 | Category: 相続関係
Posted by: marutahoumuj
07年12月19日

自筆証書遺言

1 普通方式による遺言には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言

 があります。それぞれ一長一短がありますが、今日は、自筆証書遺言につ

 いて記載します。



2 自筆証書遺言は、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに

 印を押すものです。



 (1)自書でなければなりませんから、他人が代筆したり、パソコンなどで作

  成された遺言は、自筆証書遺言としては無効となります。



 (2)では、遺言者が他人の手助けを受けて自筆証書遺言をした場合は、ど

   うでしょうか。

    この場合、判例では、遺言者が自書能力を有し、筆記を容易にするた

   めに他人の支えを借りただけであり、かつ、他人の意思が介入した形跡

   がない場合に限り、自書の要件を充たすものとして有効とされています。



 (3)また、氏名の自書とは、遺言者が何人であるかにつき疑いのない程度

   の表示があれば足り、必ずしも氏名を併記する必要はないとされていま

   す。



 (4)さらに、「平成19年12月吉日」と記載されたものは、日付の確定ができ

   ないため、日付の記載を欠くものとして無効となります。



 (5)そして、押印は拇印でも差し支えないとされています。押印は、氏名とと

   もに遺言者の同一性を明らかにするために必要なものであり、押す印に

   は制限がないのです。

07年12月19日 | Category: 相続関係
Posted by: marutahoumuj
07年12月18日

遺言

1 遺言は、遺言者の死亡とともに一定の効果を発生させることを目的

 とする相手方のない単独行為です。

  遺言でなしうる事項は、廃除・その取消、相続分の指定、遺産分割

 方法の指定など法律で認められた一定のものに限られます。

  そして、相続人は全て法律によって定まり、遺言による相続人の指

 定は認められません。相続が純粋に財産相続になった今日では、遺

 贈とくに包括遺贈によって同じ目的が達せられるからです。



2 遺言も一種の意思表示ですから、意思能力のない者のなした遺言

 は、たとえ形式を備えていても無効です。しかし、遺言が効力を生ず

 るときは、遺言者は生存していない。

  そこで、行為者自身を保護する趣旨である財産的法律行為における

 制限能力者制度を、そのまま厳格に遺言に適用する必要がなく、かえ

 ってこれを緩和して本人の最終意思を尊重するのが妥当である。

  それゆえ、

 (1)未成年者であっても、15歳に達していれば単独で有効に遺言をす

   ことができる。

 (2)成年被後見人は、事理を弁識する能力を一時回復した時に、医師

   2人以上の立会いをもってすれば、有効に遺言をすることができま

   す。

 (3)被保佐人、被補助人は、単独で有効に遺言をすることができます。
07年12月18日 | Category: 相続関係
Posted by: marutahoumuj
07年12月17日

相続人の不存在2

1 相続人の不存在が確定し、相続債権者や受遺者に対する清算手続

 が終了したときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者

 や被相続人の療養看護に努めた者などの特別の縁故者の請求によっ

 て、これらの者に、清算後残存する相続財産の全部又は一部を与える

 ことができます。

  これは、相続人の捜索の広告期間満了後3箇月以内に請求しなけれ

 ばなりません。



2 共有者の一人が、その持分を放棄したり、死亡して相続人がいないと

 きは、その持分は他の共有者に帰属するのが原則なのですが、特別縁

 故者に対する相続財産の分与が優先し、特別縁故者に対する財産分与

 がされないときに、他の共有者に帰属します(判例)。



3 そして、特別縁故者に対して処分されなかった相続財産は、国庫に帰属

 します。
07年12月17日 | Category: 相続関係
Posted by: marutahoumuj
07年12月14日

相続人の不存在

1 相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人

 (相続財産法人)となります。

  これは、相続人すなわち相続財産の帰属主体がいるかいないか

 分からないのであるから、管理人が誰の代理人として管理行為を行

 うか説明できないため、相続財産それ自体が主体となるという擬制を

 用いたものです。

  そのため、相続人のあることが明らかになったときは、その法人は

 成立しなかったものとみなされます。



2 この場合、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、

 相続財産の管理人を選任します。

  この相続財産管理人の代理権は、相続人が相続の承認をした時に

 消滅します。

07年12月14日 | Category: 相続関係
Posted by: marutahoumuj
07年12月13日

相続の放棄

1 相続の放棄は、例の3箇月の熟慮期間内に、家庭裁判所に申述

 しなければなりません。



2 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人と

 ならなかったものとみなされます。



  この相続の放棄は、登記の有無を問わず、何人に対しても、その

 効力を生じます。



 (1)共同相続人中に相続の放棄をした者がいるときには、放棄者は

  初めから相続人ではなかったものとみなされるので、他の共同相

  続人は限定承認をすることができることになります。



 (2)共同相続人中に相続の放棄をした者があるときには、相続人の

  順序や相続分が変わることがあります。

   例えば、妻と一人息子が相続人であった場合に、一人息子が相

  続の放棄をすると、一人息子は初めから相続人ではなかったもの

  とみなされるので、妻と父母等の直系尊属が相続人となり、妻の相

  続分は2分の1だったものが、3分の2になるのです。

07年12月13日 | Category: 相続関係
Posted by: marutahoumuj
07年12月12日

相続の承認

1 相続の承認には、単純承認と限定承認とがあります。

  単純承認は、無限に被相続人の権利義務を承継する承認であり、

 限定承認は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人

 の債務と遺贈を弁済すべきことを留保してする承認です。後者は、

 相続財産が債務超過であるか否かが不明の場合に実益があります。

 明らかに債務超過である場合には、相続放棄をすれば足りるのです。



2 次の場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなされます。



 (1)相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただ、保存行為

  や短期賃貸借はこの処分に該当しません。

   そして、判例によれば、相続人が自己のために相続が開始した事実を

  知りながら相続財産を処分したか、または、少なくとも相続人が被相続人

  の死亡した事実を確実に予想しながら敢えてその処分をしたことを要する

  とされています。



 (2)相続人が3箇月の熟慮期間内に限定承認も相続放棄もしなかったとき。



 (3)相続人が、限定承認又は相続放棄をした後であっても、相続財産の全部

  又は一部を隠匿したり、私にこれを消費したり、あるいは悪意でこれを相続

  財産の目録中に記載しなかったとき。これは、相続財産に対する背信行為

  があったときに、民法上の一種の制裁として、単純承認の効果を負わせたも

  のです。

   ただし、その相続人が相続放棄をしたことによって相続人となった者が相続

  の承認をした後は、背信行為をしても単純承認をしたものとみなされません。

  相続債権者や受遺者などとの関係が複雑化するからです。



3 相続人が数人いるときには、限定承認は共同相続人の全員が共同してのみ

 行うことができます。
07年12月12日 | Category: 相続関係
Posted by: marutahoumuj
1 相続人が相続の承認・放棄をしないで死亡した時には、3箇月の熟慮

 期間は、その者の相続人が自己のために相続の開始があったことを知

 った時から起算されます。第1の相続人の死亡の時から起算するので

 はないので、注意が必要です。



2 相続に承認・放棄は、3箇月の熟慮期間内であっても、撤回することは

 できません。



  勿論、民法の総則編や親族編の規定によって、取り消すことはできます。

  したがって、未成年者・成年被後見人が単独でした承認・放棄、被保佐人

 が保佐人の同意なしにした承認・放棄、補助人の同意を要する場合におい

 て被補助人が補助人の同意なしにした承認・放棄、詐欺・強迫によってした

 承認・放棄、後見監督人の同意を得ないで後見人のした承認・放棄は、いず

 れも取り消すことができます。



  ただ、この取消権は、追認をすることができる時から6箇月間行使しない時

 は、時効によって消滅します。相続の承認・放棄の時から10年経過した時も

 同様です。
07年12月11日 | Category: 相続関係
Posted by: marutahoumuj
07年12月10日

相続の承認・放棄

 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時

から3箇月以内に、相続の承認・放棄をしなければなりません。



 「自己のために相続の開始があったことを知った時」とは、単に

相続開始の原因たる事実を知った時ではなく、自己が相続人と

なったことを確知した時と解されています。



 さらに、判例は、この熟慮期間は、相続人が相続財産の全部

または一部の存在を認識した時または通常認識することのでき

る時から起算するべきであるとしています。



 そして、相続人が数人いる場合には、3箇月の期間は、相続人

がそれぞれ自己のために相続の開始があったことを知った時か

ら各別にに進行します。



 もっとも、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、

家庭裁判所において伸長することができます。

07年12月10日 | Category: 相続関係
Posted by: marutahoumuj
 このテーマは、非常に重いし、難しい。

1 まず戦争はどうしても回避できないものなのか。
  
  国家と国家の戦争は、個人と個人の喧嘩を大きくしたものであり、

  本質的には異ならないのではないかと思う。

  自尊心を傷つけられたといっては喧嘩をし、相手が気に入らない

  といっては喧嘩をする。

  国家間の戦争においても、自国及び自国民を守るためという名目

  を唱えても同じことである。

  過去の歴史において見られる幾多の侵略戦争には、一片の正当性

  も見出すことはできない。

  人間が感情をもつ生き物である限り、戦争はなくならないであろう。

2 戦争が不可避であるとした場合、自国をいかにして防衛するかである。

  現在、日米安全保障条約の下に、わが国は米国の核の傘により守られ

  ている。

  米国は原爆を落として戦争を終結させただけでなく、戦後のわが国の復

  興に貢献したことは認めざるを得ない。日米安保条約のお陰で、軍事費

  にかける費用を復興費に回すことができたことも事実であろう。

  自分は核兵器を有していなくても、核兵器を有する者に庇護されていれば、

  奇麗事を言っても、核兵器を有する者と同罪であろう。

  核兵器を保有する者が、核兵器を保有しようとする者に対して、核兵器を

  保有するなということは何ら説得力を持たない。

  安保条約の下での「平和ボケ」からそろそろ脱却して、自分の国は自分で

  守るという意識が必要なのではないだろうか。
07年12月08日 | Category: つぶやき
Posted by: marutahoumuj
07年12月07日

遺産分割2

1 遺産分割の協議は、相続人全員でしなければ効力がありません。

  では、共同相続人中に行方不明の者がいた場合にはどうしたらいい

 でしょうか。

  この場合には、二つの方法があります。

 (1)失踪宣告をしてもらう方法。ただ7年間生死不明である必要があり

   ます。

 (2)不在者の財産管理人の選任を家庭裁判所に請求する方法。この

   場合、不在者財産管理人が家裁の許可を得て遺産分割の協議に

   参加することになります。



2 では、相続の開始後に認知によって相続人となった者がいた場合に

 は、この者の遺産分割の請求と遺産分割協議との関係はどうなるでし

 ょうか。

  この場合には、認知された時と遺産分割協議の成立時の先後によっ

 て変わってきます。すなわち、遺産分割協議が成立する前に認知され

 ていたのであれば、その者を除外してなされた遺産分割協議は無効で

 あり、その者を加えて改めて遺産分割協議をやり直す必要があります。

  これに対して、遺産分割協議が成立した後に認知された場合には、

 遺産分割協議をやり直す必要はなく、その者は価額のみによる支払い

 の請求権を有するだけです。



3 遺産分割の協議が成立したら、必ず遺産分割協議書という書面にして

 おくことをお勧めします。成立の時点では口約束だけでいいと思うかもし

 れませんが、後々事情が変わって紛争が生じることが多いため、それを

 回避する必要があるからです。勿論、当事務所でも承っております。

  また、不動産の相続登記を行うときには、遺産分割協議書が添付書類

 として必要となるからです。
07年12月07日 | Category: 相続関係
Posted by: marutahoumuj
07年12月06日

遺産分割

1 遺産分割は、遺産に属する物・権利の種類・性質・各相続人の年齢・職業・

 心身の状態・生活の状況その他一切の事情を考慮してするように定められ

 ています。



2 共同相続人は、被相続人が遺言で遺産分割を禁じた場合(相続開始時か

 ら5年以内に限る)を除いて、いつでも遺産分割の協議をすることができます。

  もっとも遺産分割の協議が調わないとか、協議をすることができないときは、

 その分割を家庭裁判所に請求することができます。



3 問題点

 (1) 共同相続人の協議によって遺産分割を禁止することができるでしょうか。

    相続人が数人いる時には、相続財産は共有になっていますから、共同

   相続人の協議によって遺産分割を禁止する時は、一種の共有物分割の

   禁止であり、当事者間の合意によって有効に成立します。

    また、当事者全員の合意があれば、当然その禁止の合意は解除するこ

   とができます。



 (2) では、遺産分割協議において、相続人の一人が負担した債務を履行しな

    い場合に、「他の共同相続人」は協議を解除することができるでしょうか。

     判例はできないとしています。遺産分割は、相続開始時に遡ってその効力

    を生じるので、分割協議の解除を認めると再分割を余儀なくされ、法的安定

    性を害するからです。



 (3) 一方、判例は、既に成立している遺産分割協議を「共同相続人全員」の合意

   によって解除し、改めて分割協議をすることができるとしています。

    もっとも、これについては、(2)と同様に法的安定性を重視して、合意解除は

   制限されるべきであるとする見解も有力です。
07年12月06日 | Category: 相続関係
Posted by: marutahoumuj
07年12月05日

相続分2

1 被相続人は、遺言で、共同相続人の相続分を定めたり、あるいはこれを定める

 ことを第三者に委託することができます。ただ、この場合、遺留分(以前の記事を

 参照)に関する規定に違反することはできません。

  ここで、遺留分を侵害する行為は、当然に無効となるのかが問題となります。

  この点に関しては、遺留分を侵害する行為も当然には無効とならず、減殺請求

 (遺留分を保留する権利)ができるだけであるとされていますから、遺留分を侵害

 する相続分の指定も一応効果は生じ、減殺請求がされたときには、遺留分を侵害

 する範囲でその効果が失われることになります。

  cf. 兄弟姉妹以外の相続人の遺留分は、直系尊属のみが相続人である場合に

   は、被相続人の財産の3分の1、それ以外の場合には2分の1とされています。



2 特別受益者(共同相続人の中で、被相続人から遺贈を受けたり、婚姻・養子縁組

 のためあるいは生計の資本として贈与を受けた者)の相続分は、被相続人が相続

 開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産と

 みなし、法定相続分ないし遺言による指定相続分の中からその遺贈・贈与の価額

 を控除した残額となります。

  そして、遺贈・贈与の価額が、相続分の価額に等しかったり、これを超える時には

 特別受益者はその相続分を受けることができません。



3 逆に、特別寄与者(共同相続人の中で、被相続人の事業に関する労務の提供・財

 産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持・増

 加について特別の寄与をした者)の相続分は、被相続人が相続開始時に有した財産

 の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産

 とみなし、法定相続分ないし指定相続分に寄与分を加えた額となります。

  勿論、共同相続人の協議で寄与分の額が定まらないときには、家庭裁判所に寄与

 分審判の請求をすることができます。
07年12月05日 | Category: 相続関係
Posted by: marutahoumuj
07年12月04日

相続分

 「相続分」の意義は、条文によって異なりますが、ここでは「共同相続人が

相続財産上にもつ権利承継の割合」と考えておけばいいでしょう。



1 法律で定められた相続分(法定相続分)は次のようになります。これは被相続人

 の遺言による指定がなかった場合に適用されます。



 (1)子と配偶者が相続人であるときは、子2分の1・配偶者2分の1



 (2)配偶者と直系尊属(父母・祖父母等)が相続人であるときは、配偶者3分の2・

   直系尊属3分の1



 (3)配偶者と兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者4ぶんの3・兄弟姉妹4分の1



2 子、直系尊属、兄弟姉妹が数人いるときは、各自の相続分は等しくなります。

  ただし、嫡出でない子(夫婦関係にない女から出生した子)の相続分は、嫡出である

  子の相続分の2分の1であり、また、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分

  は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1となります。



3 代襲相続人(以前の記事を参照)の相続分は、その直系尊属が受けるべきであったも

  のと同じです。したがって、代襲相続人が数人いるときには、その直系尊属がうけるべ

  きであった部分について、1,2に従って相続分を定めることになります。

  このことは、兄弟姉妹の子が代襲相続する場合も同じです。
07年12月04日 | Category: 相続関係
Posted by: marutahoumuj
07年12月03日

共同相続の効力

 相続の一般的効力は、初回に記事にしましたので、今回は省略します。



1 相続人が数人いるときには、相続財産はその共有に属します。

  したがって、各共同相続人は、共有物の全部についてその持分に応じた

  使用をすることができる反面、他の共同相続人全員の同意を得なければ、

  その共有物に変更を加えることができません。これは、遺産分割協議が

  整うまでのことですね。



2 各共同相続人は、その相続分(次回記事にします)に応じて被相続人の

  権利義務を承継します。

  判例によれば、相続財産中の分割が可能な可分債権は法律上当然分割

  され、各共同相続人がその相続分に応じて権利を承継しますが、相続人は

  遺産分割までの間は、相続開始時に存した金銭を相続財産として保管して

  いる他の相続人に対して、自己の相続分に相当する金銭の支払いを求める

  ことはできません。
07年12月03日 | Category: 相続関係
Posted by: marutahoumuj
07年12月01日

掲載誌到着

 2日前、以前執筆した掲載誌が送られてきた。



 近代中小企業12月号の付録で、速習「債権回収の極意」の中に収められている。



 執筆者は弁護士をはじめ、行政書士、会社の代表と多彩だ。



 個人の事業主である知人に見せたところ、興味があるらしく、貸してくれと言われた



 ので、今貸し出し中である。



 中々好評であったが、全国の人々の目に触れ得ると思うと、緊張感が走る。
07年12月01日 | Category: つぶやき
Posted by: marutahoumuj