07年12月25日
遺言の効力
1 遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生じます。
もっとも、遺言に停止条件を付した場合には、遺言者死亡後に条件が
成就した時に生じます。
2 遺言による財産の無償譲与である遺贈には、特定遺贈と包括遺贈と
がある。前者は、特定の具体的な財産的利益の遺贈であり、後者は、
積極・消極の財産を包括する相続財産の全部またはその分数的割合
による遺贈である。
両者はその効力において全く異なるので、注意が必要です。
(1)共通点は、自然人だけでなく、法人も受遺者(遺贈を受ける者とし
て遺言中に指定されている者)になれるし、また遺言者の相続人も
受遺者になれるところです。
ただ、受遺者は遺言が効力を生じた時、つまり遺言者が死亡した時
に生存していなければなりません。遺言者の死亡以前に受遺者が死
亡した場合には、受遺者たる地位の承継は認められませんから、遺贈
は効力を生じません。したがって、受遺者の相続人に承継させるために
は、遺言中に特に受遺者の相続人に承継を認める旨を表示する必要が
あります(補充遺贈)。
(2)特定遺贈においては、受遺者は、遺言者の死亡後、いつでも遺贈の放
棄をすることができます。しかし、包括遺贈では、包括受遺者は相続人と
同一の権利義務を有するものとされるため、受遺者が自己のために遺贈
のあったことを知った時から3箇月以内に限って放棄することができます。
包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有するといっても、相続人に
なるのではありません。したがって、遺留分を有しないし、前述のように受
遺者が相続開始以前に死亡した場合には、代襲相続が認められる相続と
異なり、原則として、遺贈が失効するのです。
もっとも、遺言に停止条件を付した場合には、遺言者死亡後に条件が
成就した時に生じます。
2 遺言による財産の無償譲与である遺贈には、特定遺贈と包括遺贈と
がある。前者は、特定の具体的な財産的利益の遺贈であり、後者は、
積極・消極の財産を包括する相続財産の全部またはその分数的割合
による遺贈である。
両者はその効力において全く異なるので、注意が必要です。
(1)共通点は、自然人だけでなく、法人も受遺者(遺贈を受ける者とし
て遺言中に指定されている者)になれるし、また遺言者の相続人も
受遺者になれるところです。
ただ、受遺者は遺言が効力を生じた時、つまり遺言者が死亡した時
に生存していなければなりません。遺言者の死亡以前に受遺者が死
亡した場合には、受遺者たる地位の承継は認められませんから、遺贈
は効力を生じません。したがって、受遺者の相続人に承継させるために
は、遺言中に特に受遺者の相続人に承継を認める旨を表示する必要が
あります(補充遺贈)。
(2)特定遺贈においては、受遺者は、遺言者の死亡後、いつでも遺贈の放
棄をすることができます。しかし、包括遺贈では、包括受遺者は相続人と
同一の権利義務を有するものとされるため、受遺者が自己のために遺贈
のあったことを知った時から3箇月以内に限って放棄することができます。
包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有するといっても、相続人に
なるのではありません。したがって、遺留分を有しないし、前述のように受
遺者が相続開始以前に死亡した場合には、代襲相続が認められる相続と
異なり、原則として、遺贈が失効するのです。