07年07月07日
欠陥住宅と不法行為責任の成立範囲
6日、欠陥住宅の購入者が、直接契約関係のない設計・施工者に対してどの程度まで賠償責任を問えるかが争われた訴訟の上告審判決があった。
マンション購入者は、設計・施工者とは直接の契約関係にないため、建築工事や売買契約に伴う瑕疵担保責任を問うことができない。そのため、民法709条の不法行為責任を問うていたのである。
欠陥住宅の売主は、買主に対し賠償責任を負うが、施工者の賠償責任は、「重大な欠陥がある場合」にだけ認める裁判例が多かった。
実際、2審も、「欠陥の程度・内容が重大で、社会的に危険な建物など違法性が強い場合」にのみ不法行為になるとして、原告が主張したバルコニーの手すりのぐらつきや壁のひび割れなどは該当しないとしていた。
これに対して、最高裁第2小法廷は、「利用者や隣人、通行人の生命・身体・財産を危険にさらすことがない状態を、建物としての基本的な安全性と定義した上で、建物に携わる設計・施工者にはこの安全性を欠かさぬように配慮すべき注意義務があり、この注意義務を怠り、居住者の生命・身体が侵害された場合は、欠陥の存在を知って買い受けたなどの特段の事情がない限り、不法行為による損害賠償責任を負う」と判示した。
すなわち、基礎や構造に関わるような重大な欠陥でなくても、転落事故につながるバルコニーの手すりの欠陥のように、「建物としての基本的な安全性を損なう欠陥がある場合」には、設計・施工者も購入者に対して不法行為による損害賠償責任を負うとしたのです。
売主が財政破綻をきたしている場合などには、購入者の保護につながっていくでしょう。
マンション購入者は、設計・施工者とは直接の契約関係にないため、建築工事や売買契約に伴う瑕疵担保責任を問うことができない。そのため、民法709条の不法行為責任を問うていたのである。
欠陥住宅の売主は、買主に対し賠償責任を負うが、施工者の賠償責任は、「重大な欠陥がある場合」にだけ認める裁判例が多かった。
実際、2審も、「欠陥の程度・内容が重大で、社会的に危険な建物など違法性が強い場合」にのみ不法行為になるとして、原告が主張したバルコニーの手すりのぐらつきや壁のひび割れなどは該当しないとしていた。
これに対して、最高裁第2小法廷は、「利用者や隣人、通行人の生命・身体・財産を危険にさらすことがない状態を、建物としての基本的な安全性と定義した上で、建物に携わる設計・施工者にはこの安全性を欠かさぬように配慮すべき注意義務があり、この注意義務を怠り、居住者の生命・身体が侵害された場合は、欠陥の存在を知って買い受けたなどの特段の事情がない限り、不法行為による損害賠償責任を負う」と判示した。
すなわち、基礎や構造に関わるような重大な欠陥でなくても、転落事故につながるバルコニーの手すりの欠陥のように、「建物としての基本的な安全性を損なう欠陥がある場合」には、設計・施工者も購入者に対して不法行為による損害賠償責任を負うとしたのです。
売主が財政破綻をきたしている場合などには、購入者の保護につながっていくでしょう。