21年03月01日
⑤偉人達の365日の処世訓
●「ゾウリ取り」・小林一三(阪急・東電・東宝の各社長)
小林一三は三井銀行大阪支店の貸付課員だった頃、銀行に客が来ると、よく先に立って履物を揃えたものだ。銀行員は大体腰の低い商売だが、貸付係でそこまでする人間は少ない。それを小林一三は、預金係であろうと貸付係であろうが、態度を変えることはイヤだった。
あるとき、桑名(いまの三重県)の素封家で、知られた諸戸清六が銀行へ来て、いざ帰ろうとする際、小林一三はいつものように下駄を揃え丁寧にお辞儀をすると、諸戸は改めてしげしげとこちらを頭のてっぺんから足の先まで見渡して、「あんたは感心な方だ。今に必ず出世なさるに違いない。きっと世の中に出て偉くなる人だ」とほめちぎった。
どうもこれは当たらなかったが、当時三井銀行の連中はひどく威張って、何事にもお高くとまっていたのだから、それで目立ったのだろう。
小林一三は三井銀行大阪支店の貸付課員だった頃、銀行に客が来ると、よく先に立って履物を揃えたものだ。銀行員は大体腰の低い商売だが、貸付係でそこまでする人間は少ない。それを小林一三は、預金係であろうと貸付係であろうが、態度を変えることはイヤだった。
あるとき、桑名(いまの三重県)の素封家で、知られた諸戸清六が銀行へ来て、いざ帰ろうとする際、小林一三はいつものように下駄を揃え丁寧にお辞儀をすると、諸戸は改めてしげしげとこちらを頭のてっぺんから足の先まで見渡して、「あんたは感心な方だ。今に必ず出世なさるに違いない。きっと世の中に出て偉くなる人だ」とほめちぎった。
どうもこれは当たらなかったが、当時三井銀行の連中はひどく威張って、何事にもお高くとまっていたのだから、それで目立ったのだろう。