「アビバが退職強要」元社員主張…入社後3か月

《新入社員は今年4月に配属され、試用期間が切れる6月末、「会社の経営状況が思わしくない」などの理由で、一両日中にも退職するか、契約社員になるかを迫られた。7月15日までに8人が退職したり、解雇されたりし、退職金は支給されていないという。》

《元社員の愛知県内の男性(23)は「内定を取り消すと会社名が公表されるため、いったん採用した後、退職を迫ったとしか思えない」と話している。
 アビバの岡村智洋・事業基盤部部長は、8人が退職したことを認めたうえで、「研修を強化した結果で、退職を強要したつもりはない。受け止め方によってはそう感じた人もいたかもしれない」と説明している。》

「試用期間が切れる6月末」とあるが、試用期間がどうであるかはまず関係なく、きっかけになったにすぎない。
3ヵ月経過時点で、「一両日中にも退職するか、契約社員になるかを迫られた」というやり方は非常事態のもので、まともな経営状態で行われることではない。
「内定を取り消すと会社名が公表されるため、いったん採用した後、退職を迫ったとしか思えない」との話はそれなりに説得力がある。
「研修を強化した結果で、退職を強要したつもりはない。受け止め方によってはそう感じた人もいたかもしれない」との説明は、研修内容が触れられていないため、不明。

内定取消を避け、入社後3ヵ月経過したときの研修がクリアできなければ正規社員にはなれない、そのような要求があるように受け止められる。
このようなケースでは、採用時に(労働契約として)どのような合意ができていたかを調査する。トラブっているわけであるから、契約事項になかったことを会社が行使したとしか思えない。特に、学習塾経営一般においては、突然預かり金を受取ったまま廃業するなどで社会的な信用を失いつつある事業という危機感がある。だからこうせざるをえなかったということもあるのかも知れないが、約束事を簡単に一方的に変更するという印象を強めただけで、得策ではない。
会社はだんだんと人の扱い方において、感じが悪くなってきた。しかも企業間取引においても、感じが悪くなったという印象を強めつつある。