組織再編成に係る行為計算の否認(法人税法第132条の2)とは、「税務署長は、合併等に係る一定の法人の法人税につき更正又は決定をする場合において、その法人の行為又は計算で、これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その行為又は計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより、その法人に係る法人税の課税標準若しくは欠損金額又は法人税額を計算することができる。」という規定です。
 簡単にいうと、「租税を回避する目的のためだけに合併、分割、現物出資、事後設立、株式交換・移転等の組織再編成を行なうことは認められません。」ということです。

 例えば、次のような場合がこの規定にあてはまると思われます。

1.組織再編成を行った場合に、一定の要件に該当すれば、被合併法人や分割法人の青色繰越欠損金を引き継ぐことができます。この規定を利用してグループ企業などで、グループ内にある黒字の会社と欠損会社とを合併等させることによりグループ全体の税負担を軽減させようとする場合

2.組織再編成により含み損のある資産を引き継ぐときには、一定の要件を満たせばその含み損を合併法人等に引き継ぐことが可能ですが、含み損を引き継ぐ目的だけのために組織再編成を行った場合

3.資本金等を引き下げ中小企業者の優遇税制の恩恵を受けるためだけに組織再編成を行った場合

4.対象法人の各種税額控除の控除限度額・交際費等の定額控除限度額・寄附金の損金算入限度額等を利用する目的だけのために組織再編成を行った場合

5.複数の組織再編成を段階的に組み合わせることなどにより、課税を受けることなく、実質的な資産の譲渡や株式の譲渡を行った場合

 したがって、上記に掲げるような組織再編成に係る行為計算の否認の規定の適用を受けないためにも、組織再編成を行うことによって得られるシナジー効果やスケールメリットの測定等を十分に行い、その組織再編成が経済的に合理性をもっていることを明らかにしておく必要性があると考えられます。
文責:企業部


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なかのひと
08年03月31日 | Category: General
Posted by: pronet
 日本人は長生きであるといわれています。現在男性の平均寿命でさえも82歳といわれています。皆さんも、ご存知のように女性はさらに長生きです。
 仮に、現在65歳の方であれば、余命は約15年。あなたの配偶者や、ご両親の相続税が課税されることが予定される方、例えば、事業を起こし一代で富を得た方や先祖から引き継いだ土地の評価がかなり高くなった方である場合には、かなりの相続税を負担する可能性があります。
 そこで、あなたが行うべき3つのことは・・・

1.まずは、相続税がかかるのか、資産の状況を確認しましょう。

2.現在、処分可能な資産で納付できるのかを計算してみましょう。

3.納付ができない金額を把握し、生命保険の活用や、暦年贈与の活用、資産運用等を行い納税資金を確保しましょう。

 これからのあなたの生活のために、今から納付方法を考えておくことをお勧めします。両親ともにご健在の方であれば、15年の間に相続問題は立て続けに起こりうる問題なのです。
 あなたが、これからの人生を楽しく生きるために、今のうちから考えてみませんか?
文責:資産税コンサルティング部

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なかのひと
08年03月27日 | Category: General
Posted by: pronet
 平成20年2月28日、逓増定期保険の支払い保険料の税務取り扱いについて税務当局より改正通達が示されました。

(1)改正通達の適用時期
 改正通達による取り扱いは、平成20年2月28日以降に契約された逓増定期保険の支払い保険料について適用され、同27日以前の契約に係る逓増定期保険の、既に支払われた保険料および、今後支払われる保険料については適用されません。
つまり、
 契約時期が平成20年2月28日以降→改正後の取り扱い
 契約時期が平成20年2月27日以前→改正前の取り扱い  という具合です。

(2)対象とする逓増定期保険の範囲
 対象となる逓増定期保険の範囲は、このシリーズにて前回掲載しました平成19年12月26日付け国税庁パブリックコメントと同一の内容です。

(3)改正後の支払い保険料の損金算入割合
 紙面の都合上、詳細な内容には触れることが出来ませんが、概ね、改正前の全額損金算入であった範囲が大幅に縮小、2分の一損金算入であった範囲が増大、3分の一損金算入範囲も拡大されました。従来より4分の一損金扱いであった範囲については現行どおりの取り扱いです。

 この改正の決定により、昨春来当該商品の販売を自粛していた生命保険各社も順次販売を再開しています(一部生命保険会社は販売を継続しておりましたが)。
 今後、生命保険業界は生命保険が持つ本来の役割「保障」を重視し販売をして行くのか。あるいは、今回のように税務当局とのイタチごっこを繰り返して行くのでしょうか。
 いずれにしても、消費者第一の立場から、より良い商品の開発・販売と約款(約定)に従った迅速な保険(給付金)支払いを、一層心がけて欲しいものです。
文責:保険事業部

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なかのひと

08年03月24日 | Category: General
Posted by: pronet
08年03月17日

営業戦略

「営業戦略」・・・このキーワードでインターネット検索してみるとなんと145万件がヒットしました。利益追求を行う民間企業には欠かせない要素であり、企業の数だけ営業戦略があって、またその時代々々で変遷していきます。
 例えば、創業以来安定して成長を続けるある優良企業でも、創業時と第二世代、第三世代のそれは大きく異なり、また、同業界内でトップを争う企業同士であっても営業戦略が同質であることはまずありえません。

 では、成功につながる営業戦略の「共通項」は何でしょうか?
 ここで、営業戦略の「川上」と「川下」との連携を考えてみましょう。

重要なのは、営業戦略がその企業の経営方針・ヴィジョン(川上)に沿っていて、実現可能な営業戦術まで詳細に具体化(川下)できるか、ということではないでしょうか?
時に、営業幹部の力のこもった戦略に、「企業の方向・意向が見えない」ことや「第一線の現場無視」を感じることが少なくありません。
一見すばらしい戦略が立案できたように見えても、それが経営トップとどれだけ議論が尽くされた結果であるか、また、実践に移したときに、営業現場の能力(人力、資力)をどれだけ吟味してあるか、が重要です。
もちろん戦略の中身がもっとも重要であることは間違いありませんが、最終的に成功をもたらすか失敗に終わるかは、内容もさることながら、この川上と川下の連携が重要なようです。

かの偉大な経営の神様は、自身の成功の秘訣を問われ、「成功するまであきらめないこと」と答えています。画期的な製品を開発することも、他社に打ち勝つ営業戦略で市場を掴むことも、その過程は「試行錯誤」の連続であることは間違いありません。トップとの連携が取れ、現場の能力(人力、資力)を十分吟味した営業戦略であれば「試行錯誤」は可能です。しかし、そうでない場合、営業現場が振り回されるだけになりかねません。
経営トップが機敏に舵を切りなおし、末端の現場が即応する。なかなか理想的にはいかないのが現実ですが、少しでもそれに近づくことのできた組織・企業が顧客のニーズに応えることができるのではないでしょうか。この機敏さを可能にするのが川上と川下との連携であり、立案当初の営業戦略を最終的に「成果」に結び付けます。
企業が継続して業を営む以上、すべてが連続し、たとえ一定期間の後に一つの営業戦略が完結しても、次の営業戦略を展開し、企業は継続します。このことからも、営業戦略は経営方針や経営トップのビジョンとの連携が不可欠となります。
その組織・企業にとって真に有効な営業戦略は、たとえコンサルが介在しても自社自力による独自性(独創性)がなければ生まれません。そして、十分な可能性を秘めた営業戦略に果実をもたらすのは、実践における舵取りと即応であり、それを可能にするのが、川上と川下との連携なのです。
文責:企業税務部

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なかのひと

08年03月17日 | Category: General
Posted by: pronet
 今回は「質問のスキル」について取り上げます。

◆ 質問の役割とは
 ・一般的には
相手の情報を必要とするときの質問、例えば部下に「あの件どうなってる?」や、相手に行為や関心を示す質問、例えば質問する側が特に答えを必要としているのではなく、あくまでも相手との円滑なコミュニケーションを取るための質問、「休みの日は何したの?」等があります。

 ・コーチングにおいては、部下の中にある答えを引っ張り出すために質問します。
質問により上司にとっては、「部下からの情報収集」、部下にとっては、「考える、気付くきっかけを得る」ことが可能になります。


◆ 質問の種類
 ・オープンクエスチョン
When いつ?   Where どこで?  Who 誰?  Which どれを?
 これらは行動を起こすための質問です。
What 何? どんなふうに? Why なぜ? How どうやって?
How much いくらで?   How many どのくらい?
 これらは発見を促すための質問です。

 ・クローズドクエスチョン 
YesあるいはNoで答える質問。例えば「コーヒーは好きですか?」
 一般的に、自由に考えを引き出したい時はオープンクエスチョンで、意志を確認したり、ポイントを絞って確認したいときはクローズドクエスチョンを使いながら質問していきます。
 ただし、質問が機能するためには、上司と部下の間の信頼関係が必要なことは言うまでもありません。
文責:ヒューマニー事業部


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なかのひと

08年03月13日 | Category: General
Posted by: pronet
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