決算時点で在庫評価をするにあたって、小売業では「売価還元法」を採用している企業が非常に多いと思います。
 理由としては、棚卸しの作業段階で、商品の数量と値札の上代金額を基に在庫の総額を計算する手法が多くの企業で採用されているからです。

 在庫はデッドストックや不良品であっても全ての在庫を計上することが原則です。
 結果的に、破損、型くずれ、劣化商品、陳腐化商品などについては、実態に応じて評価損を計上することが認められていますが、その判断は単品ごとに在庫表を見ながら事実に基づいて行い、損金経理(確定した決算において、経費処理を行うこと)を条件に認められるものです。
 さらに、税務調査のときにこれらの内容について客観的資料等もとに調査官に説明できなければ不用意に行うことは出来ません。

 これらの在庫の評価に関しては、会社側と税務当局との間でその立場の違いや故意的な在庫の圧縮を防止する意味においても、常に判断の相違が発生しやすい状況です。
 仮に、これらの評価損計上を損金経理などの正しい処理方法で行っていない場合には、原則とし全額計上を言い渡されたとしても反論できないと考えるべきです。

 以上により小売業における在庫の評価についての対策は
1.商品とそれ以外の在庫を区分して、それぞれの棚卸評価方法を適用する。
2.適正売価を設定する。(定期的な売価変更処理の実施)
3.在庫表と在庫状況による適正評価損を計上する。(後日の説明資料の準備を含む)
4.経理上は全部在庫をいったん計上して、損金経理により不良在庫を計上する。
5.未着品や貯蔵品についての計上漏れをしない。

 詳しくは、担当税理士に質問して、税務上の解釈を聞いてください。
(合法的な棚卸資産の評価に関する見識が必要な課題です。お困りの際は、お気軽に
ご相談ください。)

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