09年08月20日

電気サーチャージ

7月23日の「電気買取りの行方」の中で太陽光発電を設置する人
には朗報と書きましたが、経済産業省の審議会で総合資源エネル
ギー調査会新エネルギー部会の買取制度小委員会で、この電気の買
取制度で買い取った電気料金の負担を電気事業者でなく広く国民が
負担する内容も議論されています。

えっ、余剰電力を現行の2倍の固定価格で買い取ってくれるだけで
は無いの?・・と、見落としてしまいそうな内容も有ったのです。

この小委員会の素案によれば前年に買い取った電気料金を翌年の電
気料金に上乗せする電気サーチャージとなると言う事です。そうす
ると太陽光発電して売電する人は良いけれど、太陽光発電をしない
人はただ負担するだけと言う事になって仕舞います。
これって不公平になって仕舞いません・・・?

特に問題になるのはマンション等の共同住宅に住まわれている人で
マンションに太陽光発電装置を設置するのは現実的でないので、こ
の買取制度の恩恵に預かれる機会が殆ど無いと言う事です。
何か良い事ばかりを前面に出しているような気がする買取制度です。


経済産業省総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会
http://www.meti.go.jp/committee/gizi_8/8.html
09年08月20日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年08月19日

使える発電装置

エネルギーの話の最終回は使える発電装置

自然エネルギーをそのまま利用するパッシブソーラー、循環型エネ
ルギーから2つのエネルギーを作り出すコジェネレーション、自然
エネルギーや循環型エネルギーから新たなエネルギーを作る電池各
種と見てきた訳ですが、それぞれに一長一短が有るので、選択に迷
わないように問題点を考えます。

太陽光発電
国の補助制度も有って、一番利用しやすい物ですが、太陽光発電で
問題になるのはその電池の故障や寿命の事。理論的には半永久とさ
れていますが、実際は15年程で発電量が相当落ちるようです。
又、物の影の影響(最近は影の影響を補う装置が発売されてはいま
すが)や、埃の付着などを考えて置く必要が有ります。

風力発電
太陽光よりも自然条件の影響が多く、安定して電気が出来ない。

燃料電池
今年(平成21年)の5月から補助金制度が始まったので、太陽光
発電と条件では同じです。
都市ガスやLPガスから水素を作り、水素を燃料として電気を発生
させる装置で、電気生成時に高熱を出すのでその熱を利用して貯湯
して利用する装置ですが、発電スタート時に電気が必要な事や毎年
或いは5000kwh発電のどちらかに達すると定期点検が必要で保証期間
が最長で10年で保証期間が終了して使用しても20年目には自動
で機械が停止するようになっている。
又、ガスから水素を作るために、その時に二酸化炭素を出すと言う
事も考えて置く必要が有ります。

蓄電池
鉛蓄電池やリチウムイオン電池は寿命が問題でレドックス電池はコ
ストの問題がある事、ナトリウム電池は溶液が危険物になる為に
家庭用として利用できる段階にはなっていない。

最近は太陽光発電と燃料電池の組み合わせをした提案もされている
のを見ますが、上記のような事を念頭に置いて機種選択する事をお
勧めします。
09年08月19日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年08月18日

電池色々

エネルギーの話の第3回目は電気について

現代社会では電気は不可欠な物であり、住宅で循環型エネルギーを
利用して電気をどのようにコントロールできるかが課題です。現在
住宅で発電をする方法として太陽エネルギーを使った太陽光発電や
風を利用した風力発電、水素を利用した発電などが実用化されてい
ます。

何れの方法でも電気は消費されるばかりなので発電量が消費量を上
回った時に買電と言う方法を取っていますが、電気を貯めると言う
方法ではレドックス電池、鉛蓄電池、リチウムイオン電池、ナトリ
ウム硫黄電池などが実用化レベルですがナトリウム硫黄電池は住宅
用としては利用が難しいです。

ちょっと聞いて誤解を受けやすい物に燃料電池という名称が有りま
す。この電池は水素やバイオエタノールなどを燃料として酸素との
化学反応によって電気を取り出すと言う物なので蓄電出来る物では
有りません。

昼間太陽光発電で発電された電気を蓄電して、曇りの時や夜などに
蓄電された電気を使用できれば個人住宅内で電気の循環サイクルが
可能だと思うのですが現在は未だそのサイクルシステムを作ろうと
すると設備投資が大きすぎます。
09年08月18日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年08月17日

暫しの景色

以前リフォームをした依頼主から先日連絡が有り、2階が何だか雨
漏れしているようなので見て欲しいと言われ、天井裏に潜ったり屋
根をベランダから覗いてみたりした結果、瓦の破損が見つかり、リ
フォーム時には問題が無かったのですが、この際屋根を軽くする為
にも葺き替える事になったので、今日は早朝から現場にて現場立会
いして来ました。

ベランダか覗いた時には見つからなかった所も屋根に実際に上がれ
ば良く判り、やはり屋根の葺き替えは必要な時期になったと確信で
きたのです。

このような事はそう多くは有りませんので、上ったついでに周りを
見渡せばそこには、あの石山修武氏の「世田谷村」の屋上に設けら
れた換気塔が静かに回転している姿が有りました。世田谷村は冷房
設備を設けていないくて、自然化換気で過ごしていると言う事なの
で、この換気塔が回転していると言う事は室内の空気が出ていると
言う事です。

20090817_01.jpg

暫し、辺りを見渡して屋根を降りたのですが、屋根は釉薬瓦なので
屋根瓦を葺き替えるためにこの瓦を取り除くのですが、その途中で
の屋根面は棟瓦の下地に使用した土が屋根面に散乱するので滑りや
すいので注意して降りたのでした。
09年08月17日 | Category: 工事
Posted by: shimasekkei
今日はエネルギーの話の第2回目、コジェネレーション

コジェネレーションは英語ではCo-generationと書きCoは共同とか
相互でgenerationは発生すると言う意味で、建築では同時に2つの
エネルギーを生み出す装置の事を言います。大規模建築で自家発電
装置やボイラーなどがある場合にエンジンで発電した時やボイラー
で暖めた時の今迄には破棄していた熱を利用するシステムの事です。

そのコジェネレーションを家庭用にしたのが今年になって発売され
たのが、家庭用燃料電池のシステムです。これは都市ガス(天然ガ
ス)やLPガスの既存ガスを供給源として、そのガスから水素を取
り出して、水素から電気を発生させる装置です。

燃料電池には「固体高分子形燃料電池 (PEFC)」、「りん酸形燃料
電池 (PAFC)」、「溶融炭酸塩形燃料電池 (MCFC)」、「固体酸化物
形燃料電池 (SOFC)」などが現在研究が進められている装置のよう
ですが、家庭用燃料電池に使用されているのは「固体高分子形燃料
電池 (PEFC)」です。

燃料電池は電気生成時に発熱をする為に、この熱を利用してお湯を
作り貯湯タンクに貯めておいてお湯を利用するようにしたのが家庭
用コジェネレーションシステムです。
09年08月14日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
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