◆低コストで高い効果の謝礼方式
 住宅会社A社とB社の、紹介開拓戦略の知恵は、月とスッポンほど違う。
 賢い知恵のA社は、「別の客を紹介してくれた客には、5万円相当のお礼をする」と決めている。客は会社が提案する、3通りのお礼方式の中から自由に選ぶ。
 1,宝くじ5万円相当を、6ヵ月間にわたりお届けする。2,アレンジフラワーの毎月お届けを1年間継続する。3,ホームクリーニング・クーポンを5万円分差し上げる。
 ところがB社の場合は、「現金で10万円差し上げる」という。
 結果というか効果のほどは、断然A社に軍配が上がった。そのワケ、おわかりと思う。
 A社のやり方だと、後々まで余韻効果が続く。そうでしょう。A社のことを忘れかける頃になると、アレンジフラワーが届く。客はいやでもA社のことを思い起こす。
 しかも、コストは安くつく。たしかに5万円相当ではあるが、謝礼案件が多いから、割安に抑えた上で調達できるからである。
 一方のB社はずばり現金謝礼だから、コストはそのまま10万円の出費である。
両者の違いは、販売促進戦略の知恵という点で、我々に頭の使い方を考えさせてくれる。
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 ここで、“顧客心理を考える重要さ”というものを痛感させられる。
 B社からポンと10万円もらった当時は、客は嬉しい。しかし瞬間の喜びは、ものの3ヶ月もすれば、感動ははや薄れる。しかしA社の客は、少なくとも6ヶ月間は、会社の厚意を感じ続ける仕組みになっている。顧客心理を考えれば、顧客説得力を増すことができる。