07年12月03日
■“人材”の登用
いまを去る130年ほど前に人生を全うした、西郷隆盛が人をどう見ていたかを考えさせる資料がある。(「大西郷遺訓」林房雄著、新人物往来社)
「学芸・技能のみに秀でた小人は、使い道により役立つから用いるがいい。さりとてその小人を、組織や人を采配する長官の椅子に据え、重職を授ければ、必ず国家を覆すようなことをするから、決してそういう愚を犯してはならぬ」
現代に転じて訳するなら、「どんなに販売力のある営業マンでも、ただそれだけで、営業部長などに起用してはならない」ということである。
西郷の残した言葉を要約すれば、この言葉も有名である。
「功ある者には禄で報いよ。真に能ある者に、地位を与えよ」
ボーナスを多くして、一件落着すべき人間に、間違っても人を支配する権限を与えるな、という意味である。
ドラッカーは、『現代の経営』で、こうも述べている。「部下は、上司(経営幹部)の能力のなさには寛容でも、品性の欠落に対してまで、許すことはできない」(P・Fドラッカー、2005年没)
いくら防衛大臣が、「すみませんでした」をくり返しても、「原爆投下は、しょうがなかった」という品性のカケラもない発言は、許せないのが常識というものだ。
「女は子供を生む機会」にも、同様に品性のカケラもない。
領収書をコピーして、ダブル利用するに至っては、品性下劣に加え底知れぬ悪知恵さえある。