09年07月27日
『後をつがない』後継者
一般企業における事業の承継を考える際に、ご子息がいらっしゃるにも関わらずそのご子息が「後を継がない」というのは非常に稀なケースですが、殊医療機関においては、これは稀なケースではありません。親子間の感情的なもつれ、診療方針の食い違い、標榜診療科目の違いなど理由は様々ですが、医療の公益性を考えた場合に、「子供が後を継がないから廃業」という事態だけは何としても避けなければなりません。では、医療機関において、ご子息が後を継がない場合にとり得る方策にはどのようなものがあるのでしょうか?
1.医療法人であり、ご子息が医師の場合
大別して2つの対応が想定されます。医療法人の後継者には、第三者を据えることを前提として、1つ目は、後継者とはならないが「医療法人の理事」として経営に参画する、2つ目は、現理事長の財産のみ引き継ぐ、という2つです。
医療法人の理事として経営に参画する場合には、新理事長との間で経営方針の意思統一が図れているのかが問題となります。また、財産のみ引き継ぐ場合においては、現在医療法人が所有する資産及び現理事長が所有する資産について今後どのようにするか、更に医療法人が抱える負債については、第三者が経営承継をするにあたり担保や抵当権の問題が発生しますから、承継前の負債の整理が必要不可欠となるでしょう。
2.個人の病医院であり、ご子息が医師の場合
現在の病医院は継がないものの、新規に開業を希望していらっしゃるケースが多く見受けられます。新規開業後の採算性はともかく、現在病医院で使用する資産について、個人資産との区分けは明確でしょうか。経営形態が医療法人である場合よりも、個人経営の病医院の場合は将来の相続税を見据えた対策のウェイトが高くなります。経営の引継ぎを機に院長名義の資産及び負債の整理をしなければ、相続の時までほったらかしの可能性も考えられます。不必要な相続税の負担や資産の所有と経営のねじれに伴う問題を事前に回避するためにも、所有関係の見直しが必要となります。
後継問題の発生は何かとピンチととられがちですが、このピンチこそ将来の安定経営へ向けた布石を打つチャンスでもあります。いずれにしても、長期的な見地に立ったP-D-Cが必要となりますから、将来の経営承継に不安を感じておられる理事長先生や院長先生がおられましたら、一度専門家へご相談されてはいかがでしょうか。
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1.医療法人であり、ご子息が医師の場合
大別して2つの対応が想定されます。医療法人の後継者には、第三者を据えることを前提として、1つ目は、後継者とはならないが「医療法人の理事」として経営に参画する、2つ目は、現理事長の財産のみ引き継ぐ、という2つです。
医療法人の理事として経営に参画する場合には、新理事長との間で経営方針の意思統一が図れているのかが問題となります。また、財産のみ引き継ぐ場合においては、現在医療法人が所有する資産及び現理事長が所有する資産について今後どのようにするか、更に医療法人が抱える負債については、第三者が経営承継をするにあたり担保や抵当権の問題が発生しますから、承継前の負債の整理が必要不可欠となるでしょう。
2.個人の病医院であり、ご子息が医師の場合
現在の病医院は継がないものの、新規に開業を希望していらっしゃるケースが多く見受けられます。新規開業後の採算性はともかく、現在病医院で使用する資産について、個人資産との区分けは明確でしょうか。経営形態が医療法人である場合よりも、個人経営の病医院の場合は将来の相続税を見据えた対策のウェイトが高くなります。経営の引継ぎを機に院長名義の資産及び負債の整理をしなければ、相続の時までほったらかしの可能性も考えられます。不必要な相続税の負担や資産の所有と経営のねじれに伴う問題を事前に回避するためにも、所有関係の見直しが必要となります。
後継問題の発生は何かとピンチととられがちですが、このピンチこそ将来の安定経営へ向けた布石を打つチャンスでもあります。いずれにしても、長期的な見地に立ったP-D-Cが必要となりますから、将来の経営承継に不安を感じておられる理事長先生や院長先生がおられましたら、一度専門家へご相談されてはいかがでしょうか。
文責:医業部
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