09年12月24日
速報!!平成22年度税制改正大綱が発表
12月22日(火)に平成22年度の税制改正大綱が発表されました。
1.法人関係(中小企業)
(1)「同族会社の社長給与の一部損金不算入」(法律上は、「特殊支配同族会社における業務主宰役員給与の損金不算入」といいます)」の廃止
―この制度は平成18年から始まりましたが、平成22年4月以降に終了する事業年度から廃止(=減税)になります。
(2)特別償却等の租税特別措置法関係
特別償却、特別控除は租税特別措置法に定められています。民主党はマニフェストで、「租税特別措置法で効果の不明なもの等は廃止」としていましたが、中小企業に関係のある租税特別措置法は、「基本的には継続延長(=減税が継続)」されます。(但し、項目によって廃止、一部適用除外、追加措置はありますので、専門家にご確認願います)
(3)中小企業向けの法人税率
民主党はマニフェストで「18%(注)から11%に引き下げる」としていましたが、今回引下げはありませんでした(=減税になりませんでした)。
(注)中小企業の所得金額800万円までの法人税率は従来22%でしたが、平成21年から2年間に限り18%に引き下げられています。
2.所得税関係
(1)扶養控除の一部減額・廃止
「子ども手当」の創設に伴い、扶養控除について大幅な見直しがありました。平成23年からの改正です。(下線部が改正後の控除額です)
0歳~15歳 扶養控除(現行38万円)廃止
16歳~18歳 特定扶養控除(現行38万円+25万円=63万円)見直しで加算部分(25万円)部分の廃止で扶養控除38万円のみ
19歳~22歳 特定扶養控除存続(63万円)
23歳~69歳 現行維持(38万円)
70歳~ 現行維持(48万円又は58万円)
なお、配偶者控除(38万円)については、現状のままとし、「今後、その見直しに取り組むこと」とされています。
(2)上場株式の配当・譲渡益の年間100万円非課税
平成24年からの非課税措置で、この適用を受けるためには証券会社等に「非課税口座」を設置する必要があります。
(3)平成13年9月30日以前に取得した上場株式等の取得費の特例の廃止
平成22年12月31日で廃止となります。
(4)特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税特例
対価の額が2億円以下であることという要件が追加されました。
昨年の大綱にもありましたが、平成24年分以後所得税から生命保険料控除が「一般分」・「個人年金分」に「介護医療保険分」が追加され、各最高4万円の控除が受けられることとなります(合計適用限度額は12万円)
3.相続税・贈与税関係
(1)小規模宅地等の相続税の課税価格の計算の特例の見直し
この特例は、遺産の中に居住用や事業用に使われていた宅地等がある場合には、生活や事業の継続に配慮してその宅地等の評価額の一定割合を減額する特例です。この特例の一部に見直しがあります。(後日、詳しくお伝えする予定です)
(2)定期金に関する権利の評価の改正
(後日、詳しくお伝えする予定です)
(3)障害者控除の改正
控除額の算出の際に用いる年数を相続人が70歳に達するまでの年数で計算していましたが、これを85歳に達するまでの年数とします。
(4)住宅取得資金に係る贈与の非課税枠の拡大
住宅取得のために直系尊属(親・祖父母)から贈与を受けた金銭の非課税限度額を現行の500万円から平成22年中の贈与については1,500万円(平成23年中の贈与については1,000万円)に引き上げることとなりました。ただし、贈与を受ける方のその年の所得が2,000万円以下であることが要件です。
4.その他の税目
(1)ガソリン税
実質的には、減税はありません。現在、1リットルあたり25円の上乗税額は、当分の間、この水準を維持します(形の上では、暫定税率を廃止し、特別税率を上乗せします)。
なお、原油価格の異常な高騰が続いた場合は、この上乗部分の課税を停止することができるようにします。
(2)たばこ税
1本あたり3.5円の増税、5円の値上げとなります。
5.その他(全体観)
以下の「方向性」が示されています。
(1) 納税者からの修正申告が可能な期間
現在、納税者から「事後的な納税額の減額」(更正の請求といいます)ができるのは、過去1年分ですが、税務署等から「事後的な納税額の増額」(増額更正といいます)ができるのは最大過去7年分までです。
このアンバランスを見直す方向が出されています。
(2) 社会保障、税の共通化
・社会保障・税共通の番号制度の導入、
・年金の保険料徴収機能を国税庁に統合し、歳入庁を設置
の方向が出されています。
詳しいことは、専門家にご質問下さい。なお、当社HPでは近日中に相続税に関する改正事項(小規模宅地等・定期金)を掲載する予定です。ぜひご覧下さい。
参考文献・平成22年度税制改正大綱、日本経済新聞
文責 事業承継部 資産税部
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1.法人関係(中小企業)
(1)「同族会社の社長給与の一部損金不算入」(法律上は、「特殊支配同族会社における業務主宰役員給与の損金不算入」といいます)」の廃止
―この制度は平成18年から始まりましたが、平成22年4月以降に終了する事業年度から廃止(=減税)になります。
(2)特別償却等の租税特別措置法関係
特別償却、特別控除は租税特別措置法に定められています。民主党はマニフェストで、「租税特別措置法で効果の不明なもの等は廃止」としていましたが、中小企業に関係のある租税特別措置法は、「基本的には継続延長(=減税が継続)」されます。(但し、項目によって廃止、一部適用除外、追加措置はありますので、専門家にご確認願います)
(3)中小企業向けの法人税率
民主党はマニフェストで「18%(注)から11%に引き下げる」としていましたが、今回引下げはありませんでした(=減税になりませんでした)。
(注)中小企業の所得金額800万円までの法人税率は従来22%でしたが、平成21年から2年間に限り18%に引き下げられています。
2.所得税関係
(1)扶養控除の一部減額・廃止
「子ども手当」の創設に伴い、扶養控除について大幅な見直しがありました。平成23年からの改正です。(下線部が改正後の控除額です)
0歳~15歳 扶養控除(現行38万円)廃止
16歳~18歳 特定扶養控除(現行38万円+25万円=63万円)見直しで加算部分(25万円)部分の廃止で扶養控除38万円のみ
19歳~22歳 特定扶養控除存続(63万円)
23歳~69歳 現行維持(38万円)
70歳~ 現行維持(48万円又は58万円)
なお、配偶者控除(38万円)については、現状のままとし、「今後、その見直しに取り組むこと」とされています。
(2)上場株式の配当・譲渡益の年間100万円非課税
平成24年からの非課税措置で、この適用を受けるためには証券会社等に「非課税口座」を設置する必要があります。
(3)平成13年9月30日以前に取得した上場株式等の取得費の特例の廃止
平成22年12月31日で廃止となります。
(4)特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税特例
対価の額が2億円以下であることという要件が追加されました。
昨年の大綱にもありましたが、平成24年分以後所得税から生命保険料控除が「一般分」・「個人年金分」に「介護医療保険分」が追加され、各最高4万円の控除が受けられることとなります(合計適用限度額は12万円)
3.相続税・贈与税関係
(1)小規模宅地等の相続税の課税価格の計算の特例の見直し
この特例は、遺産の中に居住用や事業用に使われていた宅地等がある場合には、生活や事業の継続に配慮してその宅地等の評価額の一定割合を減額する特例です。この特例の一部に見直しがあります。(後日、詳しくお伝えする予定です)
(2)定期金に関する権利の評価の改正
(後日、詳しくお伝えする予定です)
(3)障害者控除の改正
控除額の算出の際に用いる年数を相続人が70歳に達するまでの年数で計算していましたが、これを85歳に達するまでの年数とします。
(4)住宅取得資金に係る贈与の非課税枠の拡大
住宅取得のために直系尊属(親・祖父母)から贈与を受けた金銭の非課税限度額を現行の500万円から平成22年中の贈与については1,500万円(平成23年中の贈与については1,000万円)に引き上げることとなりました。ただし、贈与を受ける方のその年の所得が2,000万円以下であることが要件です。
4.その他の税目
(1)ガソリン税
実質的には、減税はありません。現在、1リットルあたり25円の上乗税額は、当分の間、この水準を維持します(形の上では、暫定税率を廃止し、特別税率を上乗せします)。
なお、原油価格の異常な高騰が続いた場合は、この上乗部分の課税を停止することができるようにします。
(2)たばこ税
1本あたり3.5円の増税、5円の値上げとなります。
5.その他(全体観)
以下の「方向性」が示されています。
(1) 納税者からの修正申告が可能な期間
現在、納税者から「事後的な納税額の減額」(更正の請求といいます)ができるのは、過去1年分ですが、税務署等から「事後的な納税額の増額」(増額更正といいます)ができるのは最大過去7年分までです。
このアンバランスを見直す方向が出されています。
(2) 社会保障、税の共通化
・社会保障・税共通の番号制度の導入、
・年金の保険料徴収機能を国税庁に統合し、歳入庁を設置
の方向が出されています。
詳しいことは、専門家にご質問下さい。なお、当社HPでは近日中に相続税に関する改正事項(小規模宅地等・定期金)を掲載する予定です。ぜひご覧下さい。
参考文献・平成22年度税制改正大綱、日本経済新聞
文責 事業承継部 資産税部
文責:事業承継部 資産税部
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09年12月16日
租税特別措置法の見直し方針
租税特別措置法(以下「措置法」という。)の見直しが行われると新聞等で話題になっていますが、措置法とは一体何なのか、一般の方にはあまり馴染みがないと思われます。措置法とは、簡単に言うと「特定の政策目的のため法人税や所得税などの減税措置等を一時的に適用する措置を定めた法律」で、期限が切れれば自動的に失効します。住宅ローン減税や今話題のナフサ減税などはこの措置法に定められています。
政府の税制調査会は、この措置法について、特定の業界のみに適用されていたり、実態が不透明であるとして、課税の公平・透明・納得を図るために税負担を軽減する政策税制措置約530項目のすべてを対象に抜本的見直しを行うことを発表しました。今後4年間で行われ、平成22年度では、期限切れ47項目を含む78項目が見直しの対象となるとされています。
見直しは、まず、1.期限のある措置を期限到来時に廃止することを原則とし、2.延長を認めるかどうかは、合理性・有効性・相当性の有無を判定する6つのテストを行うといった2段階で実施するとしています。
先に挙げましたナフサ減税の見直しには、産業界の反対が特に強いと言われています。ナフサは措置法でも免税規模が最大で3.6兆円規模に上るうえ、家電や自動車、衣服など幅広い製品に影響が及ぶため、調整の難航は必至になることと思われます。
もし、このナフサ減税が失効されますと、企業の税負担が増え、その分が価格に転嫁されれば、幅広い製品の値上がりが予想されます。消費不況とデフレが深刻化するなか、企業が価格に転嫁できない場合、企業の業績が圧迫され、雇用や賃金収入が一段と悪化するといった懸念もあります。
免税額が巨額のため、国としては何としても切り込みたい分野でしょうが、国民生活に与える影響も大きいため、ナフサに限らず、措置法を廃止する場合には、先のテストを経済的にも総合的に考慮して十分な審議がされることを期待するばかりです。
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政府の税制調査会は、この措置法について、特定の業界のみに適用されていたり、実態が不透明であるとして、課税の公平・透明・納得を図るために税負担を軽減する政策税制措置約530項目のすべてを対象に抜本的見直しを行うことを発表しました。今後4年間で行われ、平成22年度では、期限切れ47項目を含む78項目が見直しの対象となるとされています。
見直しは、まず、1.期限のある措置を期限到来時に廃止することを原則とし、2.延長を認めるかどうかは、合理性・有効性・相当性の有無を判定する6つのテストを行うといった2段階で実施するとしています。
先に挙げましたナフサ減税の見直しには、産業界の反対が特に強いと言われています。ナフサは措置法でも免税規模が最大で3.6兆円規模に上るうえ、家電や自動車、衣服など幅広い製品に影響が及ぶため、調整の難航は必至になることと思われます。
もし、このナフサ減税が失効されますと、企業の税負担が増え、その分が価格に転嫁されれば、幅広い製品の値上がりが予想されます。消費不況とデフレが深刻化するなか、企業が価格に転嫁できない場合、企業の業績が圧迫され、雇用や賃金収入が一段と悪化するといった懸念もあります。
免税額が巨額のため、国としては何としても切り込みたい分野でしょうが、国民生活に与える影響も大きいため、ナフサに限らず、措置法を廃止する場合には、先のテストを経済的にも総合的に考慮して十分な審議がされることを期待するばかりです。
文責:法人ソリューション部
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09年12月03日
不況期の企業経営 -その9-
仕事を行ううえで以前記載した「目標管理」とともに重要な項目で「時間管理」があります。
ほとんどの人は緊急度の高い仕事に多くの時間を割かれています。もちろん「緊急度も重要度も高い業務」については最優先で行う必要があります。たとえばクレームへの対応や重要なお客様との約束などはこれに当ります。お客様からのクレームが発生したり、対応を迫られたりしながら、後回しにする人はいないと思いまし、重要なお客様とのミーティングを忘れるような人もいないでしょう。
その他は「緊急度は高いけれど重要度は低い業務」に無意識に振り回されている人が意外に多いのです。いつも時間に追われて忙しくしている人などはこの傾向が顕著です。
仕事柄、経営者の方々とお話をする機会が多いのですが、「私は暇です」という経営者の方々には会ったことがありません。みな、自分がいかに忙しいかを口にします。
「こんなに自分は忙しく働いている」「自分は一日しか休んでいない」と言うことで自己満足している人は、結構多いように思います。
しかし、以外にその方々の仕事を分析すると、半分以上は本人以外でもできる作業で埋め尽くされていることが多かったり、「目の前にある」問題、実は中身は大したことがなく重要度が低いものにでも、対応しているケースが多いようです。
その結果、逆に本来は重要度が高い事柄が後回しにされて、いつまでたっても実行されないという状況が生まれるのです。
「本当はこれをやるべきなのに、なかなか手を付けられない」
「これができるようになったら満足度が高いし、いろいろと役にたつ」
「いつか時間ができたら、あそこへ行ってみよう」
というようなことはこうして後回しにされて、結果、いつまでたっても実行されないのです。
ではどうすれが「重要度が高く緊張度が低い」項目を実行できるようになるのか?
それは、とにかく「スケジュールに入れ込んで記入していくこと」です。しっかりスケジュール管理をしているというような人も、他人と関わるようなことは記入されていても自分一人で実行することは意外とスケジューリングされていないことがあります。
自分一人でやる仕事にどれくらいの時間がかかるか把握してスケジュールに記入する。その時間、それ以外のことはやらない。そうすることで「重要度が高く緊急度が低い」項目の実行率が圧倒的に高まります。要は緊急になる前に処理してしまうのです。
「緊急度は低いが重要度は高い仕事」を特に意識してスケジュールに記入するようにすれば、仕事の効率も上がり無駄が無くなってくるのではないかと思います。是非実践してみて下さい。
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ほとんどの人は緊急度の高い仕事に多くの時間を割かれています。もちろん「緊急度も重要度も高い業務」については最優先で行う必要があります。たとえばクレームへの対応や重要なお客様との約束などはこれに当ります。お客様からのクレームが発生したり、対応を迫られたりしながら、後回しにする人はいないと思いまし、重要なお客様とのミーティングを忘れるような人もいないでしょう。
その他は「緊急度は高いけれど重要度は低い業務」に無意識に振り回されている人が意外に多いのです。いつも時間に追われて忙しくしている人などはこの傾向が顕著です。
仕事柄、経営者の方々とお話をする機会が多いのですが、「私は暇です」という経営者の方々には会ったことがありません。みな、自分がいかに忙しいかを口にします。
「こんなに自分は忙しく働いている」「自分は一日しか休んでいない」と言うことで自己満足している人は、結構多いように思います。
しかし、以外にその方々の仕事を分析すると、半分以上は本人以外でもできる作業で埋め尽くされていることが多かったり、「目の前にある」問題、実は中身は大したことがなく重要度が低いものにでも、対応しているケースが多いようです。
その結果、逆に本来は重要度が高い事柄が後回しにされて、いつまでたっても実行されないという状況が生まれるのです。
「本当はこれをやるべきなのに、なかなか手を付けられない」
「これができるようになったら満足度が高いし、いろいろと役にたつ」
「いつか時間ができたら、あそこへ行ってみよう」
というようなことはこうして後回しにされて、結果、いつまでたっても実行されないのです。
ではどうすれが「重要度が高く緊張度が低い」項目を実行できるようになるのか?
それは、とにかく「スケジュールに入れ込んで記入していくこと」です。しっかりスケジュール管理をしているというような人も、他人と関わるようなことは記入されていても自分一人で実行することは意外とスケジューリングされていないことがあります。
自分一人でやる仕事にどれくらいの時間がかかるか把握してスケジュールに記入する。その時間、それ以外のことはやらない。そうすることで「重要度が高く緊急度が低い」項目の実行率が圧倒的に高まります。要は緊急になる前に処理してしまうのです。
「緊急度は低いが重要度は高い仕事」を特に意識してスケジュールに記入するようにすれば、仕事の効率も上がり無駄が無くなってくるのではないかと思います。是非実践してみて下さい。
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