経営承継円滑化法は平成20年10月に施行され、8割納税猶予制度が話題となりましたが、当時より月日が流れたこともあり、最近ではほとんど耳にしなくなりました。そこで、改めて本制度の注意点や、特に引き合いがあると思われる贈与税の納税猶予制度についてのメリットを検討したいと思います。

納税猶予制度の注意点
施行当時との変更点として、平成22年4月1日以降の相続発生について適用する場合は、それ以前に経済産業大臣の確認を受けていなければならないことが挙げられます。平成20年10月1日から平成22年3月31日までは施行直後ということもあり、猶予されていましたが、同年4月1日以降はこれが適用されませんので、注意が必要です。

贈与税の納税猶予制度のメリット
 1.先代社長が眼の黒いうちに承継できることで、企業の永続が図れる
 2.相続時精算課税を活用することで、短期間に先代の株を後継者に移すことができる
(自社株評価下げ対策をした前提)

贈与税の納税猶予制度のメリットについては、上記2点しか挙げていませんが、先代死亡時には、概ね売り上げが落ち、回復するのに時間がかかること、少ない税金で株を後継者に移すにはかなりの時間がかかること等を考慮すれば、大きなメリットといえます。ただ、注意点に書いた他にも諸手続きを踏む必要がありますので、適用に際しては顧問税理士等と十分ご相談ください。

文責:事業承継部

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