阪神淡路大震災から14年の歳月が過ぎ、あの痛ましい出来事の記憶がわずかに薄れ始めたさなかに、新潟県中越地震や福岡県西方沖地震など相次いで大型地震が発生し、当時、私どもも福岡県下では、被害報告を多数受けました。特に、平成17年3月20日午前10時53分に発生した、「福岡県西方沖地震」で、不幸にも罹災された被災者の方々には、心よりお見舞いを申し上げるとともに、一日も早く被災前の平穏な日常生活を取り戻せることを、お祈りして止みませんでした。

 今回は、福岡県民の加入率が16%前半(「福岡県西方沖地震」発生前)と言われる地震保険について、お話しさせていただきたいと思います。
 地震保険には、
A.一般住宅や居住部分のある店舗併用住宅の建物および家財が補償の対象となる「家計地震」(住まいの地震保険)と、
B.Aで担保されない営業用の建物、什器、機械、商品などについて、地震危険を火災保険の特約として補償の対象とする、「地震危険拡張担保特約」
の2種類があります。
実際に罹災された方のコメントが新聞紙上にも掲載されていましたが、特に「家計地震」では、実際に被った損害額に対して、支払われる(認定された)保険金額が「思いのほか少ない!」と、お感じになった方が、多かったようです。
ところで、そもそも家計地震の主な目的は、

1.法律(「地震保険に関する法律」)に基づいて、政府と民間の損保会社が共同で運営する制度
2.利潤を求めず、保険料は準備金として積立てられる
3.地震災害による被災者の生活の安定に寄与することを目的とする


ですので、あくまで被災者の方々への一時的なお見舞い費用としての概念が強く、実質損害をほぼ完全に填補する火災保険などの保険商品とは、イメージが大きく異なります。しかしながら、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏のテレビCMでもご紹介されているとおり、地震による火災の被害は、火災保険では支払い対象にはなりませんし、地震による建物の倒壊なども地震保険を付帯していないと、全くカバーできません。
 また、支払い認定基準も全壊、半壊、一部損壊と3種類で、損保会社が委託した鑑定人が実地調査を行い基準に沿って判定を行うわけですが、何故そのように判定されたのか?なども、一般のご契約者様には分かりづらく、理解しがたい要因の1つになっているのではないかと考えます。

 地震保険の支払い基準や、仕組み、どのようなケースで実際に支払われるのか?など、可能な限り実例を交えて、ご契約前に十分な説明を行う「説明責任」を負っていることを、我々損害保険を取り扱う代理店のエージェントが、再度しっかりと自覚しなければなりませんし、保険契約を結ぶ際にはご契約者様の立場としても、なぜ?どうして?といった、素朴な疑問をどんどん投げかけていただくことは、こと地震保険に限らず、あらゆる保険契約に必要不可欠であると考えます。

 次回は、一般物件、工場物件などの「地震危険拡張担保特約」についてお話したいと思います。



文責:株式会社プロネットインシュア


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