12月12日(金)に与党税制改正大綱が発表されました。

1.法人関係(中小企業)
 (1) 平成21年4月1日から平成23年3月31日までの間に終了する中小企業の各事業年度の所得の金額のうち年800万円以下の金額に対する法人税の軽減税率を22%から18%に引き下げる。・・・3月決算法人であれば、今期の法人税申告では22%のままです。この規定の適用を最も早く適用することができるのは4月決算法人ということになりますので、3月決算法人は翌期からの適用となります。

 (2)中小企業の欠損金の繰戻し還付の復活・・・約15年前の改正で設立から5年以内の中小企業に限る等、適用要件が厳しくなっていた繰戻し還付。前期に税務上の黒字が出ていた中小企業が今期赤字に転落した場合、前期に収めた法人税の一部が還付される制度です。こちらの制度は平成21年2月1日以後に終了する事業年度ということで、2月決算法人から今期適用が可能になると思われます。
両制度は適用時期がずれることが予想されるため、注意が必要です。

 (3)棚卸資産の評価について、所定の経過措置を講じたうえ、選定できる評価の方法から後入先出法及び単純平均法を除外することとなります。


2.相続関係
 (1)事業承継税制
 昨年の税制改正で発表された取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度(通称・自社株の相続税額80%納税猶予制度)ですが、対象になる株式は
経営承継相続人(後継者)が相続等により取得した議決権株式等(相続開始時から既に保有していた議決権株式等を含めて、その会社の発行済議決権株式等の総数等の3分の2に達するまでの部分に限る。)
ということが記載されています。つまり、3分の1の部分は納税猶予を受けることができません。このことをふまえた上で、対策を行うことが重要です。
 また、取引相場のない株式等に係る贈与税の納税猶予制度が創設されます。
後継者が、経済産業大臣の認定を受ける非上場会社を経営していた親族(贈与者)から贈与によりその保有株式等の全部(贈与前から既に後継者が保有していたものを含めて、発行済議決権株式等の総数等の3分の2に達するまでの部分に限る。)を取得し、経営を行っていく場合には、贈与税の全額を猶予し、贈与者が亡くなった場合には、子の贈与により取得した株式等を相続により取得したものとみなして、贈与を受けたときの時価により他の相続財産と合算して相続税を計算し、この際、経済産業大臣の確認を受けた場合には、相続税の納税猶予を適用することができます。
  また、この制度の創設に伴い、従来からの「特定同族会社株式等に係る課税価格の計算の特例(10%減額)は平成21年3月31日で廃止になります。 
(80%納税猶予と同時に適用可能かが心配されていた小規模宅地等の減額規定は同時適用が可能となります。)

 (2)農地等の納税猶予
 市街化区域外の農地に係る相続税の納税猶予については、農業経営基盤強化促進法の規定に基づき貸し付けられた農地も適用対象となります。また、猶予期間中に身体障害等の理由により営農継続が困難になり農地を貸し付けた場合にも納税猶予の継続を認めることになりました。しかし、市街化区域外の農地については20年間の営農継続による相続税の納税猶予が免除される制度が廃止されます。

なお、相続税の計算方法が遺産取得税体系に変更になるということが昨年発表されていましたが、延期になっております。


3.個人
 (1)住宅ローン減税が過去最高へ
  耐久性が高い「長期優良住宅」を取得した場合には、最高600万円、一般の住宅についても最高で500万円の控除が受けられることになります。また、所得税から控除しきれなかった場合には、住民税からも差し引けることになります。

 (2)株式の優遇税制の延長
  株式売買時の譲渡益や配当についても本来20%が10%に軽減されていますが、3年間の延長が決定しています。

 (3)生命保険料控除の改組
  現行は、生命保険料控除は「一般分」と「個人年金分」として各最高5万円の控除額となっていますが、これを4万円とし、新たに「介護医療保険分」として最高4万円の控除が受けることができます。合計適用限度額は12万円となります。この制度は平成24年分以後の所得税から適用される予定です。

 (4) 「定額給付金」については、所得税・住民税を課さないこととする。
 

4.土地税制

 平成21と22年の2年間に購入した土地について、5年超の長期保有を条件にその後売却益が出た場合には1000万円を上限に課税所得から控除することとなります。この制度は、個人・法人にかかわらず適用されます。また、法人については、一定の条件を満たすと、圧縮記帳をみとめるなどの優遇措置が認められます。

 詳しいことは、専門家にご質問ください。 

参考文献・平成21年度税制改正大綱(自由民主党)、日本経済差新聞


文責 資産税部


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なかのひと
08年12月15日 | Category: General
Posted by: pronet
 12月5日の参議院本会議で『労働基準法の一部を改正する法律案』が、可決、成立しました。
 今回の改正内容は、以下のとおりです。

●時間外労働について

1.時間外労働の限度基準で定めることができる事項として、割増賃金の率に関する事項を追加するものとすること。

2.使用者が、月60時間を超えて時間外労働をさせた場合は、その超えた時間の労働については、5割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならないものとすること。
※ただし、中小事業主については、当分の間、適用を猶予し、施行後3年を経過した場合に検討を行うものとすること。

3.使用者は、労使協定により、2の割増賃金の支払いに代えて、通常の労働時間の賃金が支払われる休暇(年次有給休暇を除く)を与えることを定めた場合に、労働者がこの休暇を取得したときには、60時間を超えた時間分のうち、取得したこの休暇の時間分は、5割増しの割増賃金を支払うことを要しないこと。


●年次有給休暇について

  使用者は、労使協定により、適用される労働者の範囲や有給休暇の日数(5日が限度)などを定めた場合は、年次有給休暇のうち5日以内については、時間単位として年次有給休暇を与えることができるものとすること。
  施行は2010年(平成22年)4月1日から、時間外労働の2については以下の中小事業主は当分間適用が猶予されます。
    ・資本金の額又は出資の総額が3億円(小売業又はサービス業:5000万円、卸売業:1億円)以下
    ・その常時使用する労働者の数が300人(小売業:50人、卸売業又はサービス業:100人)以下

  長時間労働抑制や労働以外の生活のための時間を確保しながら働くことができると期待される、その反面企業側は、より長時間労働を削減していく対応や煩雑となる有給休暇の管理など今後、企業にとっては大きな影響を与えることになります。


文責 ヒューマニー事業部


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なかのひと
08年12月12日 | Category: General
Posted by: pronet
 私共、経理サポート部の前回のブログの内容で、決算申告期限ぎりぎりでの対応をさせて頂いたというお客様の事を、掲載させていただきました。その後、お客様とは会社を経営していく上での税務相談や時には税務以外のご相談(パソコンの操作処理方法等)に応じ、大変感謝して頂いています。
 税務以外の仕事も、当然お客様がお困りであれば、可能な限りご相談にお答えし、スピーディーに対応していく、そういった心構えで常日頃から努力し取り組んでいます。

 しかし、先日とある会社の社長様とお話をさせて頂いた中で、
「昔お願いをしていた税理士さんは、とても対応が横柄で常に上から目線でしゃべるんです。だからとてもやりにくくていつも萎縮してしゃべっていました。」
 そのことを聞いた後、私共自身に置き換えた時にお客様にそのような対応をしていないであろうか?
私共自身がいつまでたってもそのような対応をしていれば、お客様の「ウォンツ」は一向に満たされないだけではなく、お客様が必要と感じなければ私共の存在意義がなくなるのではないかと思いました。

 冷静に考えました。やはりいろいろなことが現状できていません。
 お客様にとって、「もっとお手伝い出来ること」、「もっとプラスになること」、「私たちにお客様が求められていることは今やっていることではなくもっと他にあるのでは?」、考えれば考える程やれていない現状が浮き彫りになってきます。

 私共経理サポート部は、「お客様第一主義」の本質を改めて考え直し、

1.お客様の「ウォンツ」を満足させる!
2.更に新たな「ウォンツ」を引出しこれに全力でお応えする!
3.お客様の「ブレーン」になる!
4.最後にはお客様に「ありがとう」という言葉をかけて頂けるように努力する!


 上記を常に念頭におき日々いままで以上に精進していきたいと思います。

文責 経理サポート部


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なかのひと
08年12月04日 | Category: General
Posted by: pronet
 平成20年8月29日に、厚生労働省が平成21年度税制改正要望を発表しました。その要望の中で、医療業界に直接関係があるものとして、

1.特定の社会医療法人に係る固定資産税等の非課税措置の創立
2.社会保険診療報酬等に係る消費税のあり方の検討
3.法人税率の引き下げ

などがあります。今回は医療機関において消費税が導入されて以来問題となっている2の消費税の考え方について触れたいと思います。

 消費税は「預り金」であり、消費税を負担するのは原則として、最終消費者である患者ですが、消費税の納付を行うのは、患者ではなく、医療機関等が行うことになります。その納付する消費税の額は、預かった消費税から支払った消費税を控除した残額となりますが、医療機関の収入の大半を占める保険診療報酬は消費税法上非課税とされ、消費税が課税となる収入は自由診療・物品販売収入などに限られています。つまり医療機関の場合は、非課税となる保険診療の収入がほとんどで、患者から預かっている消費税がないにもかかわらず、薬剤・医療材料などの仕入れに係る消費税を支払っていることになり、支払損が生じてしまうことになります。医療に対する消費税は非課税とされていますが、患者の消費税負担をゼロにし、医療機関が消費税を負担するという仕組みになっており、結果医療機関の経営を圧迫する問題のひとつとなっています。

 消費税率の引き上げが議論されている中、仮に消費税が10%に増税され医療機関における消費税の損税問題について何ら動きがなければ、それは医療機関にとって死活問題となります。
 この問題を解決するために、保険診療報酬を課税へとする考えもありますが、そうなると患者の負担が増えてしまいますし、患者から消費税を取ることは医療が非営利である原則を崩してしまうことになります。
 もう一つの考えは、日本医師会などが以前から要求している保険診療報酬を「ゼロ税率(免税)」にしようというものです。こうすることが患者も医療機関も消費税負担をなくす一番の解決策ではないかと考えますが、現在免税とされているのは輸出に絡む取引に限られていますので医療が免税となるのは難しいと思われます。厚生労働省の要望が消費税の損税問題の解決の後押しになることを願います。

 現行制度では、医療機関の消費税の計算はもちろん事業税の計算についても、一般の企業とは異なり医業特有の問題が多くありますので十分な注意が必要となります。

【参 考】
   平成21年度厚生労働省税制改正要望
   「病医院の消費税」 東日本税理士法人編
   消費税法6条、7条  消費税法別表第一

文責 医業部


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なかのひと
08年12月04日 | Category: General
Posted by: pronet
 世に言う相続対策には、「遺産を分けやすくする対策」「相続税の納税資金を確保する対策」「相続税を節税する対策」の3つの対策があります。このうち「遺産を分けやすくする対策」として有効なのが、遺言書の作成と言えるでしょう。

 遺言書の種類には、公正証書遺言・自筆証書遺言・秘密証書遺言などがありますが、ここではその詳細はさて置き、どのような場合に遺言書を作成する必要があるのでしょうか?
 仕事柄、遺言書の作成をお勧めするケースも高いのですが、作成することに過度に慎重な対応をされる方もいらっしゃいます。また、そのご家族の方々につきましても、同様な反応をされる方もいらっしゃいます。
 しかし、

1.遺産を遺族のうち特定の者に集中させたい 
2.中小同族企業の経営者のうち、相続財産の構成の大部分が自社の株式である 

などの場合には、せっかくのご遺志を、残された方々に継承することはできません。このような場合に万が一のことがあった場合、ご家族の間に亀裂が生じるだけでなく、会社の経営に影響を及ぼしかねないことから、遺言書の作成が必要となります。
 ただし、ある特定のご遺族に遺産を集中させ過ぎる遺言書の場合、相続発生後、他の遺族から、民法に規定する遺留分を侵害した、として家庭裁判所に訴えを起こされる可能性もありますので、このような遺言書を作成する場合には、家族間の意志統一も必要となります。

 では、遺言書を作成したから万時大丈夫か?と問われれば、必ずしもそうではありません。遺言書は、ご遺族の方々に対する法的なラストメッセージですから、法的なメッセージの作成と並行して相続人の方々に語りかけるようなラストメッセージの作成もお勧めします。どのような気持ちでこの遺言を作成したのか、などご遺族の「気持ち」に訴えることを書くことで、受け入れられない遺言書も、涙とともに受け入れる環境を整えることができます。
 また、前述した家庭裁判所への訴えを回避するために、遺留分を侵害する可能性のある遺族に対しては、生前に積極的に金銭などの贈与を行うことも必要です。特に、遺産の大部分の財産が会社の経営に必要な財産(株式など)である場合には有効です。

遺言書による相続対策は一様ではありません。そのご家族のお気持ちを尊重し、オーダーメイドで、周辺の環境を整備しながらの対策が必要です。

文責 資産税部


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なかのひと
08年11月28日 | Category: General
Posted by: pronet
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