[創業するときの外せないポイント]

(1)経営理念を持ち明確な経営ビジョンを維持できているか
(2)具体的な経営目標を実現するための経営戦略・計画を立て実行しているか
(3)経営計画を実行するために経営資源(ヒト,モノ,カネ、情報)を集中(有効活用)しているか
(4)自分(自社)の強み、弱みを知り、強みを持って差別化(勝てる場所で勝っているか)しているか
(5)自社の強みに特化するため、アウトソーシング(外部委託)で固定費を削減しているか
(6)キャッシュフロー経営に徹しているか


5.自社の強みに特化するため、アウトソーシング(外部委託)で固定費を削減しているか

 自社の強みが把握でき特化していく過程で、弱みの部分は信頼のおける外部に委託することが、現在、当たり前になってきています。
例えば、創業したての会社の場合、オフィスを構える事も容易ではありません。そこで、電話番と作業スペースを一時的に貸す商売がありますし、給与計算、経理事務に関してもアウトソーシングは自然な流れです。アウトソーシングすることにより、固定費が削減され、資金が自社の強み(営業など)に集中することが可能となります。現在、アウトソーシングをする業者も多種多様に存在しますのでリサーチしてみる価値はあると思います。


6.キャッシュフロー経営に徹しているか

 「景気がよくなった」とは言いながら、資金繰りはどの会社にとっても重要課題です。
 キャッシュフロー経営とは、言葉通りキャッシュフロー(現金、預金)を如何に増やし、そのキャッシュを如何に有効活用するかに力点を置いた経営です。
 創業して会社を潰さないために、資金ショートを起こさないようにしなければなりません。
 キャッシュを増やす具体的手法としては
  (1)利益を増やす      →粗利益の大きいもの、販売量を増やす
  (2)売掛債権を減らす    →現金販売、前金制
  (3)仕入れは締め後に    →締め後に仕入れれば、1ヶ月支払が伸びる
  (4)在庫を圧縮する     →できれば無在庫(適正在庫)
  (5)新規投資を厳選する   →市場調査を十分に
  (6)不採算部門から撤退する →創業時から限界点をシュミレーションしておく
  (7)遊休資産を処分する   →最初から遊休資産を増やさない
  (8)資産は持たず借りる   →リース取引を検討
以上の手法を実践していかなければなりません。

 上記 2で述べた、金融機関との付き合い方とは矛盾しそうですが、担保、保証人で簡単に借入ができる時代は、とうの昔に終わりを告げ借入も難しい時代に入っております。そのなかで究極の無借金経営を目指しながら、減量経営をしていくことが会社を潰さないコツともいえます。

 以上 5回にわたり6点述べてきましたが、結局のところ、創業段階で、綿密な計画、調査を行い、実行に移す場合は、情報収集に徹して、実績を測定検討しながら、6つのポイントを実践し続けることが潰さない秘訣と言えます。

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なかのひと
08年09月08日 | Category: General
Posted by: pronet
3.経営計画を実行するために経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)を集中(有効活用)しているか

 社長の会社の貸借対照表、損益計算書が説明できますか?
 特に、貸借対照表の各項目が説明できますか?無駄な資産はありませんか?
 創業当初は、創業の精神そのままで脇目も振らず経営資源をギリギリで回してきたと思います。創業の苦しさが無くなり、資金が回りだすと落とし穴が待っています。それは、経営ビジョンの限界です。「私はここまで苦労してきたからここらで十分」と考え、旗振り役として今まで営業の第一線で活躍してきた社長が一転「穴熊社長」となってしまいます。接待で必要だとゴルフ会員権を購入したり、クルーザーを購入したり、私共、過去、この落とし穴に落ちて会社を潰した社長を数多く知っております。こういう社長ほど、我々のような専門家の意見は受けてとめていただけません。アドバイスはできますが、実践するかしないかは社長自身の問題というわけです。

4.自分(自社)の強み、弱みを知り、強みを持って差別化(勝てる場所で勝っているか)しているか

 儲けている会社を分析しますと必ず「独自の商品」「独自のサービス」「独自の販売方法」などを持っています。

 さて、あなたの会社の強みは何ですか?弱みは?
 会社の強み、弱みを正確に把握し、「出るときは出て、引く時は引く決断力」が「負けない戦」の秘訣です。
 新規参入で「たこ焼き屋」を開業するとき、絶対、繁盛店の近くでは開業しませんよね!
 なぜか、資金が潤沢にあり、商品に絶対の自信があれば可能かもしれませんが、負ける戦をワザワザする人はいませんよね?

 繁盛店から離れたところで、周辺の人口もそこそこあり、できれば「マズイたこ焼き屋」しかない地域に出店して、知名度を上げ、子飼いの従業員を育てながら、新商品の開発をしながら、2店舗目を出し徐々に事業規模を拡大していきます。
 つまり、「勝てる場所で勝て!!」「負ける喧嘩はしない!」が鉄則です。

 ところで、創業して年月が経ち、資金も回るようになると?事業拡大?事業多角化が待っていますが、創業の時のように慎重に市場調査をして、実施すべきです。
 人材育成、資金調達で今まで述べてきたポイントを実践していれば、「金太郎飴」の店長候補生の従業員と会社を理解してくれている金融機関が揃っている筈です。

次回に続く

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なかのひと
08年09月04日 | Category: General
Posted by: pronet
 金融機関は、事業規模により選ばなければなりません。
 開業したての頃、都市銀行は相手をしてくれません。「信用組合→信用金庫→地方銀行→都市銀行」の順に事業規模の拡大に伴いお付き合いをしていくことが肝要です。ただ、単に銀行取引をするのではなく、金融機関も正体の分からないものには、融資したくないのは道理で、しっかりした経営の成果としての毎月の試算表、年一の決算書を金融機関に持参し、アドバイスをいただきながら、会社の現状、将来にわたる方向性を金融機関の支店長等に説明して会社及び社長自身を理解してもらうように、日頃の努力が必要です。
 金融機関は、メインとサブの2行は最低必要です。金融機関により貸付基準、金利等が様々ですので、1行だけですと金利相場が高いのか安いのか判断もできないからです。また、金融機関側からの見方からすると1行で融資するよりは、2行で分けたほうがリスク分散できるメリットもあるため融資の話を聞いていただきやすい訳です。
 金融機関とお付き合いするためには、こちらの資金需要時期を話しながら、ズバリ、何をしたら良いのか?金融機関の担当者に聞く事です。(定期、定積、給与振込、バンクカードなど)
 また、新たに金融機関と取引したい場合は、飛込みではなかなか受け入れてもらえませんので、税理士・公認会計士事務所に紹介してもらうことがベストです。
 
小企業に対しては、国も支援制度を持っており、以下のようなものが各地の商工会議所等で取り扱いしています。
  国の融資制度としては
(1)「マル経資金(小企業など経営改善貸付資金)」1,000万円以内 無担保無保証
(2)「新規開業特別貸付」7,200万円以内(設備資金)4,800万円(運転資金)
(3)「IT貸付制度」(戦略的情報化投資の資金)
(4)「戦略的情報化機器など整備事業」による低リース料率の適用

国の共済制度としては
 (1)「中小企業退職金共済制度」毎月会社負担で積立てて従業員の退職金とする
 (2)「小規模企業共済制度」経営者の退職金準備で掛金は全額、所得控除可能
 (3)「中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済)」連鎖倒産を防止するため予め積立てる

次回に続く

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08年09月01日 | Category: General
Posted by: pronet
2.具体的な経営目標を実現するための経営戦略・計画を立て実行しているか

 経営理念・経営ビジョンを金太郎飴の如く周知徹底させるためには、具体的な経営目標(数値目標など)を掲げ、その実現の為に、具体的な経営戦略・計画を長・中・短期で立案して実行する必要があります。その計画を立て、毎月進捗状況を確認するためには、社長自身が営業の数字、経理の数字が理解できるように常に勉強しなければなりません。

 例えば 人が「何んで創業しょうか(何の商売をしようか)」と考えたら、

1番にすることは「自分の棚卸」ですね
 その棚卸をして、自分は「たこ焼き」を食べる事も作る事も大好きであるとわかり、お客様においしい「たこ焼き」を食べさせてあげたいと「たこ焼き」で創業しようと決めました。

2番目にすることは、「市場調査」ですね
 名店といわれる店を片端から食べて回り、店の状況、客層、ロケーション、値段、味などをつぶさに調査するでしょう。

3番目にすることは、「創業計画立案」です。
 「どのようなたこ焼き」を「どのような場所」で「どのような客層」に「いくらの値段」で販売しようか、そのためには、販売計画、設備計画、経費計画、利益計画、資金計画を立てる必要があります。

販売計画は
   売上高=単価×数量  
の数式が示すとおり 安売り路線であれば販売量を多くしなければなりませんが、高級路線で行けば販売量は少なくてすみます。ただし、高級路線で行くとお客様が実感(味、大きさ、中身のバリエーション)できる内容にしなければ、商売自体が成り立ちません。お客様の値頃感が売上を左右します。「これくらいの値段だったら、これぐらいのボリュームがないと!!」

設備計画は   販売形態により、必要な設備も変わりますが一覧表を作成し、業者から見積をとり、購入金額、購入方法を記載し、創業当初の思わぬ出費に備え、最小限にとどめます。創業して年数が経ちますと故障、修理が必要になりますので予期せぬ出費が出るようになりますのでこれも含める必要があります。

経費計画は   開業からかかる経費の見込額と経費を費目別、月別に計画します。
 どの店で修行させてもらうのか、店舗を構えるのか、移動販売にするのか、原価はどのくらいかけるか広告宣伝はどのようにするか、フランチャイズ契約をするのか(フランチャイズ契約をすると修行から開店までの計画等は全てやってくれるようです)、何れにしても自己資金は必要になってきます。
つまり、2番目の「市場調査」の段階で自己資金を溜め始める必要があります。

利益計画は  販売計画、設備計画、経費計画などから立案されるもので、当初は赤字となりますが、どの時点で黒字転換するかは、重要なところです。

資金計画は  利益計画と同様、販売計画、設備計画、経費計画などから立案されますが、店舗を構えて開業するならば、店舗の敷金、家賃、内装、焼き台、冷蔵庫などの設備資金が必要となり、販売するためには、原材料(粉、卵、タコ、包装資材など)が先行して必要になります。つまり、実際に開店して売上が上がるようになるまで、事前の広告宣伝、ロケーション(人通りが多いなど)にもよりますが2〜3ヶ月はかかるとすれば、開業時の設備資金と少なくとも3か月分の運転資金が必要となってくるため、これを自己資金と金融機関等からの借入も含めて立案します。
  創業して潰れる原因の一つは、資金計画の甘さから資金が不足してまわらなくなる事がありますが、資金の調達も社長の重要な業務となります。

次回に続く

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08年08月28日 | Category: General
Posted by: pronet
 創業して2,3年経ち事業も落ち着いてきているが、相変わらずいつ潰れるか分からない会社が見受けられます。単に、創業当初の頑張りでとりあえず続いているだけかもしれません。
 ここで踏ん張るためには、原点に立ち戻り、創業時にしておくべきポイントを思い出し実践する必要があります。つまり、創業して潰れるとすれば、創業するときに外せないポイントが欠けていることが一因と考えられます。

 [創業するときの外せないポイント]
 (1)経営理念を持ち明確な経営ビジョンを維持できているか
 (2)具体的な経営目標を実現するための経営戦略・計画を立て実行しているか
 (3)経営計画を実行するために経営資源(ヒト,モノ,カネ、情報)を集中(有効活用)しているか
 (4)自分(自社)の強み、弱みを知り、強みを持って差別化(勝てる場所で勝っているか)しているか
 (5)自社の強みに特化するため、アウトソーシング(外部委託)で固定費を削減しているか
 (6)キャッシュフロー経営に徹しているか

  以上の6点がポイントの主なものです。
 
逆説的に言えば、上記ポイント6点を押さえていけば、潰れない法となる訳です。
早速、5回にわたり解説します。 

1.経営理念を持ち、明確な経営ビジョンを維持できているか

  社長自身の自分の商売を続けるための基本的な考え方が経営理念であり、経営哲学とも言います。「会社は何のために存在するのか」「社長は何のために事業経営をしているのか」など実社会における会社の存在意義や目的を表したものです。そして、社長の描いた経営ビジョンを実現するため、この経営哲学を社内に広く浸透させ、社長始めとして、社員一丸となって維持努力しているか、明確に理解して行動しているかが運命の分かれ目となります。
 一般的に儲かっていない会社の社長は、商売がうまくいかない原因を外部に求めます。
 「うちの会社には、いい人材が居ない」など・・・

 では、言いたいのですが少しでも社員に経営理念や経営ビジョン(将来の夢など)を社員と語り合い理解してもらえるように
努力しましたか?創業して1人で商売をしているうちは、社長が顧客に対して正しい理念を持っている分には、問題ありませんが、社員が1人でも入ってくれた時点から経営理念・経営ビジョンの周知は必須となり、社員が増えれば増えるほど最重要課題となってきます。

金太郎飴はご存知でしょうか?
お馴染みの切っても切っても同じ顔って奴ですが正にこの「金太郎飴」の状態が一番良い状態です。
例えば、「顧客大満足」という経営理念のある会社で、社長なり、責任者クラスが不在で、クレームが発生した場合、担当者が「社長だったらコウ判断するだろう」とお客様が満足する方向で応急処置をし、即、上司に報告が行き、追加処置があれば対処するとなればベターです。これが、経営理念・経営ビジョンが浸透、周知されてなければ、担当者レベルでは対応ができず、クレームが大問題となり、会社に多大な損害を与える事になり、冒頭の「うちの会社には、いい人材が居ない」と社長のボヤキが聞こえてくる訳です。

 継続できているか?
 
 社長が創業して、経営理念・経営ビジョンを決めましたが、会社が規模拡大をしていくなかで常に強力な旗振り役は社長自身であり、社長にこの役ができなければ潰れるのも当たりまえでしょう。儲かっている会社の社長は、常に旗振り役をし、夢を語り、社員を自分の同志にしているようです。
                                           
次回に続く

 ※参考文献 ・「儲かる会社に変わる本」 高橋敏則+スコレ・コンサルティング・グループ著
           ダイヤモンド社

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なかのひと
08年08月25日 | Category: General
Posted by: pronet
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